『海上48huors─悪夢のバカンス─』王道こそ正義！今年のサメ映画はこれに決めた！

2022.07.20

◆今週公開の注目作

『海上48hours─悪夢のバカンス─』

私は夏が嫌いだ。大嫌いだ。日に焼けるし汗をかいて化粧はドロドロになるし、海も嫌いだしプールも中学生の授業以来入っていない。夏はいつも日が沈んでから外出するほどに太陽を避けている。そしてなによりも真の陽キャ達が街を埋め尽くすのが夏なのだ。夏の陽キャ達の勢いは凄まじく、他の季節の5倍くらい元気になるのが特徴だ。そんな5倍元気な真の陽キャ達の独壇場ともいえる海に集うのはどうやら陽キャだけではないようだ。ということで今回は、夏の陽キャたちを地獄の底に叩き落とす楽しい楽しい映画『海上48hours─悪夢のバカンス─』（7/22（金）より公開）をご紹介します。

登場人物は大学生5人組、全員もれなく5倍元気な陽キャである。これは洋画あるあるだと思うが、ホラー映画にしても恋愛映画にしてもサメ映画にしても、海外の映画に陽キャ集団が登場すると大体ろくなことが起きない。映画監督は陽キャに厳しいのだ。大学生が一番輝く長期休みにテキーラを文字通り浴びるほど飲み、オレらを中心に世界は回ってるんだぞ！ばりに楽しそうなのだが数時間後にはタイトルにもある通り、悪夢のバカンスへと急展開するわけである。王道展開ではあるが、やはり王道こそ正義。ほら見ろ、だから言っただろポイントを的確に押さえてくれるのだ。

こんなことを言うと人間性を疑われそうなのだが（彼らは水上バイクを盗んでいるので法を犯しているということを踏まえて読んでほしい）さきほどまでバカ騒ぎしてはしゃぎまわっていたのにトラブルに見舞われた瞬間にシュン…と静まり返る陽キャ達の様子こそサメ映画の醍醐味と言えるのではないだろうか。ここの落差が大きければ大きいほど、どうなるの？この陽キャ達どうなっちゃうの？が頭を埋め尽くし映画に没頭してしまうこと間違いなし。

ここまでで何回「陽キャ」というワードを出したのだろう、炎上したらどうしようという一抹の不安を抱えつつも、実はこの大学生5人組のうち1人だけはまだまともな思考回路の女の子がいるのだが、サメがうようよ泳ぐ海に漂流中に彼氏の浮気が発覚し、一体この子に何の恨みがあるんだよ…というほどの悪運の集中砲火を受ける。でも周りにサメがいるなんて…こんなラッキーチャンス逃さない、絶対にお前をサメの餌にして生き抜いてやると誰しもが（私だけ？）思うはず、なのだが一体どんな決断をするのか、サメへの恐怖だけでなく人間性を問われるようなストーリーも見所の1つだ。

サメも怖いし海も怖い、なにより陽キャに関わるとろくなことが起きない…ので今年の夏も筆者は涼しくて静かで安全な映画館で夏を満喫することになるだろう。そういえばアメリカでは毎年『ジョーズ』をプールで観れる上映会をしているとの情報をTwitterで得たのだが、もし日本でもサメ映画のプール上映が行われるのであれば、10数年ぶりにプールに訪れてみようと思う。が、プールにも当然真の陽キャ達がはびこっているだろうから、やっぱり大人しく映画館に通い詰めることにする。

【ストーリー】
アメリカの大学生が最も羽目を外す春休み：”スプリングブレイク”。メキシコのビーチでテキーラを浴びて馬鹿騒ぎをする男女5人組は桟橋に停められていた2台の水上バイクを盗み出し、沖へ出る。やがて、チキンレースに発展し、正面衝突してしまう。1台は大破し、もう1台はエンジントラブルで身動きが取れない。しかも、仲間のひとりが足に大けがを負ってしまい、助けを呼ぼうにも携帯の電波は届かない中、浮気騒動までも発覚。そして、壊れたバイクで大海原を漂うパニック状態の彼らをさらなる危機が襲う。なんとそこは、凶暴なホホジロザメの巣窟だったのだ―！

【キャスト】
ホリー・アール、ジャック・トゥルーマン、キャサリン・ハネイ、マラキ・プラー＝ラッチマン、トーマス・フリン

【スタッフ】
監督：ジェームズ・ナン
脚本：ニック・ソルトリーズ
製作：アンドリュー・プレンダーガスト、クリス・リードナディン・ルケ、アンディ・メイソンマイク・ルナゴール

2022年製作／85分／G／イギリス
原題：Shark Bait
配給：ギャガ

7月22日（金）新宿バルト9 ほか全国ロードショー

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