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【今週公開の注目作】『バッド・ルーテナント:トウキョウ』 倫理も法も焼き尽くす。新宿・歌舞伎町の底で暴れる“最悪の男”の生きざま。

<今週公開の注目作>

『バッド・ルーテナント:トウキョウ』
10月23日(金)全国公開

公式HP:https://blt-movie.jp/

「悪徳警官(バッド・ルーテナント)」という言葉を聞いて映画ファンが思い起こすのは、1992年にアベル・フェラーラ監督がハーヴェイ・カイテル主演で世に放った伝説のカルト作『バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト』だろう。あるいは、2009年にヴェルナー・ヘルツォーク監督がニコラス・ケイジを主演に据え、ハリケーン禍のニューオーリンズを舞台に異様なハイテンションで狂気を爆発させた『バッド・ルーテナント』かもしれない。どちらも映画史に深く爪痕を残す怪作だったが、この強烈な遺伝子を受け継ぎ、現代の東京・歌舞伎町を舞台に新たな息吹を吹き込んだのが本作『バッド・ルーテナント:トウキョウ』だ。

メガホンを取ったのは、国内外でバイオレンスの名手として確固たる地位を築いてきた三池崇史。そして製作陣には『ラストエンペラー』などで知られる世界的名プロデューサーのジェレミー・トーマス、オリジナル版の権利を持つサム・プレスマン、北米配給には『パラサイト 半地下の家族』や『ANORA アノーラ』を送り出してきた新進気鋭のスタジオNEONが名を連ねる。トロント国際映画祭でのワールドプレミアをはじめ、シッチェスなど各国の映画祭を沸かせてきた話題作が、いよいよ日本の劇場へと殴り込みをかける。

物語の主人公は、元組対の刑事・矢吹恭二(小栗旬)。酒、ドラッグ、違法賭博、暴力に溺れ、警察組織の内部でも黒い噂が絶えない、まさに救いようのない汚職警官だ。ヤクザを標的にした連続猟奇殺人事件の捜査を命じられた矢吹は、凄惨な現場に呼び出されても眉ひとつ動かさず、飄々と煙草を燻らせる。そんな彼の前に、次期アメリカ大統領の娘の失踪を追って来日したFBI捜査官グエン(リリー・ジェームズ)が現れる。交わるはずのなかった二つの事件は、ネオン煌めく新宿・歌舞伎町の地下深くで複雑に絡み合い、やがて底知れぬ狂気の渦へと転がり落ちていく。

何より観る者の目を釘付けにするのは、小栗旬の徹底した“汚れ役”ぶりだ。かつて『クローズZERO』で三池監督とタッグを組み、映画界に鮮烈なインパクトを残した小栗が、約10年ぶりの再タッグとなる本作でこれまでのスマートなイメージを跡形もなく脱ぎ捨てている。くわえ煙草に無精髭、だらしなく開いたシャツの胸元。法も正義も端から信じず、動物的な本能と私欲のままに裏社会を泳ぎ回る矢吹の姿は、どこまでも破滅的でみっともない。しかし、三池監督が「誰からも褒められないが、かっこいい」と語る通り、ボロボロになりながらも「俺はまだここからだ」と足掻き続けるその姿には、スクリーンから立ち上るような剥き出しの哀愁と危険な色気が宿っている。

また、端正な英国女優リリー・ジェームズが銃を構えて東京の闇に踏み込み、容疑者役の間宮祥太朗や、謎の失踪を遂げる大統領令嬢を演じるWWEスターのリヴ・モーガンら、異色の顔ぶれが激突するアンサンブルも見応え十分だ。大久保や歌舞伎町の実在するロケーションで撮影されたという猥雑で湿度のある街並み、血生臭い暴力描写の隙間に漂う乾いたブラックユーモア。コンプライアンスや整頓された綺麗事が求められがちな昨今のエンタメ界において、あえて剥き出しの劇薬をド真ん中に投げ込んでくるその姿勢は痛快ですらある。

正義と悪の境界線が完全に溶解し、堕ちるところまで堕ちていく男が最後に目にするものは何なのか。倫理観を麻痺させるような濃密な暗黒街の熱気を、ぜひ劇場のスクリーンで浴びてほしい。

【ストーリー】
東京で、ヤクザを狙った連続猟奇殺人事件が発生。裏社会に渦巻く利権と複雑な人間関係が、捜査を阻んでいた。新たに事件の担当を命じられたのは、元組対(警視庁・組織犯罪対策部)の刑事・矢吹恭二。汚職の噂が絶えず、酒、クスリ、賭博、暴力に溺れながら、自らの破滅へ突き進むかのように生きる男。刑事でありながら法を信じず、誰よりも深い闇を抱える矢吹は、着任早々、遺体に残された入れ墨を手がかりに身元を割り出し、ひとりの容疑者・石塚 満(間宮祥太朗)へとたどり着く。そんな矢吹の前に現れたのは、次期大統領の娘の行方を追って来日したFBI捜査官・グエン。彼女が追う失踪事件と、東京で起きた連続殺人。無関係に見えたふたつの事件は、やがてこの街の最深部で複雑に絡み合っていく――。

【キャスト】
小栗旬、リリー・ジェームズ、間宮祥太朗、リヴ・モーガン、野村周平、西野七瀬、向里祐香、岩田剛典、渡邊圭祐/中野英雄、村上淳、國村隼/舘ひろし(特別出演)

【スタッフ】
監督:三池崇史
脚本:天願大介
主題歌:Ado「Raven Sky」(UNIVERSAL MUSIC / Capitol Records)
製作:ジェレミー・トーマス、サム・プレスマン、北島直明、坂美佐子
制作プロダクション:OLM
配給:【日本】ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント【北米】NEON
コピーライト:© 2026 BLT TOKYO LIMITED. All Rights Reserved.
映倫区分:PG-12

公式サイト:https://blt-movie.jp
公式X:@blt_movie_jp

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