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『耳をすませば』聖司と雫の10年後がスクリーンに蘇る

◆今週公開の注目作

『耳をすませば』

文:つみき(大好きなのは銀杏と緑茶割り)

自転車の2人乗りが好きだ。以前、違う記事でも自転車の2人乗りについて話したことがあるが、どうしてこう、映画に登場する自転車2人乗りシーンって記憶に色濃く残るのだろうか。1番好きな自転車2人乗りシーンは『キッズ・リターン』なのだが、恋愛映画に絞るとしたらもしかするといろんな意味で、今作が代表の1作になるのかもしれない。

『耳をすませば』というとジブリ作品がまず浮かぶ方が大多数だと思うが、まず大前提に少女漫画誌「りぼん」で連載されていた原作があることを忘れないでもらいたい。決してジブリ作品『耳をすませば』の10年後、ではなく、原作『耳をすませば』の10年後を映している映画なのだ。

とはいえ、物語は10年後だけでなく学生時代の回想シーンも交えながら進んでいく。ジブリ作品で観た記憶に色濃いあのシーンやこのシーンの再現度には、少々小っ恥ずかしくなりながらも、押さえるところはきちんと押さえてきてくれる。もちろん、かの有名なシーン、「やなヤツ!やなヤツ!」も観ることができるのだ。にしても、いつも思うのだが学生時代に屋上への出入りが自由だった学校って、存在するのだろうか…。

当時中学生だった2人は15歳から25歳に、変わったのは年齢だけでなく日本とイタリアという物理的距離もである。そして1998年の設定なので、スマートフォンもなければSNSだってまだまだ登場する前なわけで、すれ違うのも当然だ。そう思うと便利になりすぎた世の中に慣れすぎてしまっている自分が少し怖くなる。不便の中でも成長していく恋愛の方がたくましいよなあ、なんて思わず考えさせられてしまった。

そして話は冒頭に戻るのだが、やっぱり注目すべきはジブリでもお馴染みのあの自転車2人乗りシーンだ。あまりにも良すぎるのだが、坂道の傾斜が凄まじくて実写で撮っているとちょっと心配になってしまった。筆者にはこういう変なところを気にしてしまうところがあるので、恋愛映画は多分向いていないのだが、それしても良い自転車2人乗りシーンであった。し、やっぱり鑑賞者が観たいと望むものをきっちりと提供してくれるのは良い映画に共通するポイントなのではないかと思う。ジブリ作品の『耳をすませば』が大好きな方も、まだ一度も観たことがない方も必見の1作になっている。

【ストーリー】
読書が大好きで元気いっぱいな中学生の女の子・月島雫。彼女は図書貸出カードでよく見かける、ある名前が頭から離れなかった。天沢聖司―――全部私よりも先に読んでる―――どんなひとなんだろう。あるきっかけで“最悪の出会い”を果たした⼆⼈だが、聖司に大きな夢があることを知り、次第に惹かれていく雫。聖司に背中を押され、雫も自分の夢を胸に抱くようになったが、ある日聖司から夢を叶えるためイタリアに渡ると打ち明けられ、離れ離れになってもそれぞれの夢を追いかけ、また必ず会おうと誓い合う。それから10年の時が流れた、1998年。雫は、児童書の編集者として出版社で働きながら夢を追い続けていたが、思うようにいかずもがいていた。もう駄目なのかも知れない―――そんな気持ちが⼤きくなる度に、遠く離れたイタリアで奮闘する聖司を想い、自分を奮い立たせていた。方の聖司も順風満帆ではなかった。戸惑い、もどかしい日々を送っていたが、聖司にとっての支えも同じく雫であった。ある日、雫は仕事で大きなミスをしてしまい、仕事か夢のどちらを取るか選択を迫られる。答えを見つけに向かった先は―――。

【キャスト】
清野菜名 松坂桃李
⼭田裕貴 内田理央 / 安原琉那 中川翼 荒木飛羽 住友沙来
音尾琢真 松本まりか 中田圭祐 小林隆 森口瑤子 / 田中圭
近藤正臣

【スタッフ】
原作︓柊あおい「耳をすませば」(集英社⽂庫<コミック版>刊)

監督・脚本︓平川雄⼀朗
音楽︓髙見優
主題歌︓「翼をください」杏(ソニー・ミュージックレーベルズ)
配給︓ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/松竹
©︎柊あおい/集英社 ©︎2022『耳をすませば』製作委員会

公式サイト︓https://movies.shochiku.co.jp/mimisuma-movie/
公式SNS Twitter︓https://twitter.com/mimisuma_movie
instagram︓https://www.instagram.com/mimisuma_movie/

10.14 ROADSHOW

 

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