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【今週公開の注目作】『プリミティヴ・ウォー 恐竜戦争』 自然界ではデカさが強さ。……とは、限らない。

◆今週公開の注目作

『プリミティヴ・ウォー 恐竜戦争』
8月7日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋HUMAXシネマズ ほか待望の超肉食ロードショー!総攻撃開始!

文:屋我平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

すでに確立された映画のジャンルであれば、ある程度の知識があれば知名度のある代表作を複数挙げるのはそう難しいことではないだろう。例えば、「オカルトホラー映画」なら『ローズマリーの赤ちゃん』『エクソシスト』『オーメン』『死霊館』……といったように。では、「ベトナム戦争映画」ならば? 『地獄の黙示録』『ランボー』『プラトーン』『フルメタル・ジャケット』……やはり簡単だ。では、「恐竜映画」ならどうだろう? 『ジュラシック・パーク』に、『ジュラシック・ワールド』に……そうだ、あれがあった! 『ロスト・ワールド』? 

実際には、一度限りのネタとも言える、アダム・ドライヴァー演じる異星人がハイテク兵器で恐竜と戦う『65/シックスティ・ファイブ』などもあったわけだが、残念ながら強い印象を残せたとは言いがたい。「恐竜映画」は誰もが知るジャンルとして存在しながらも、その実知られているのはほぼ『ジュラシック』シリーズに限られるのではないか、というのが筆者の思うところだし、恥ずかしながら自身も他の作品がほとんど浮かばない。実質一強とも言えそうな恐竜映画界に、今年の夏は2本の作品が殴り込みをかける。1本はアン・ハサウェイとユアン・マクレガー共演の、普通の家族が暮らす町に恐竜が出現する『オークストリートの異変』。そしてもう1本が、ベトナム戦争✕恐竜映画である本作『プリミティヴ・ウォー 恐竜戦争』だ!

舞台設定は1968年、ベトナム戦争の真っ最中。ジャングルで消息不明となったグリーンベレーを探すため派遣された「ハゲワシ小隊」が、なぜか遭遇した恐竜の群れとの死闘を描くのが本作だ。ストーリー自体はシンプルながら、思いついた時点で一定の勝利が約束されているそのアイディアに胡座をかいた勿体ない出来にはなっていない。恐らく誰もが、第一印象では好き者だけに受け入れられるようなチープな珍品だろうと思い込んだのではないだろうか。ところが、恐竜の描写に安っぽさを感じる瞬間はないと言って良い。登場する数も、その種類も、“本家”『ジュラシック』シリーズに負けるとも劣らない。これは別にリップサービスで言っているのではなく、本当に想像を超えてくるクオリティになっているのだ! しかも、同シリーズで見たことのない恐竜描写もしっかり備えている。当然予算やキャストの知名度には大きな差があれど、下位互換に甘んじないその意気や良し、だ。はっきり言って、最近の同シリーズよりも気に入る方は確実にいるだろう。

ルックはB級を超えているが、恐怖描写にはB級スプラッター魂が溢れているのにも好感が持てる。とんでもない重量の物体にぶつかられたり噛まれたりすれば、当然人体など瞬時に破壊される。暗い場面ばかりで、たまに恐竜と遭遇するというような及び腰の作風ではなく、恐竜の全貌が拝める状態での正面衝突シーンがたっぷりすぎるほどに含まれているので、満足感が高い。決して、デカさ=強さではない。現実世界で人間を最も殺しているのは、獰猛な動物などではなく視界にも入らないような蚊なのだ。もっと言えば、蚊が媒介する目にも見えない病原菌だ。そして反対に、『ジュラシック・パーク』で恐竜復活の鍵になったのも他ならぬ蚊だった。ちっぽけな人間の反逆によって巨大な恐竜でも倒せるように、誰の眼中にもなかったであろう本作が『ジュラシック』シリーズ相手にジャイアント・キリングを成し遂げ、低調な恐竜映画界を盛り上げる可能性すらある。まずは、格上のライバルである『オークストリートの異変』の喉笛を噛みちぎれるか。これは実に見ものだ!

【ストーリー】
1968年、激戦のベトナム戦争最中、密林で特殊任務に就いた米軍グリーンベレーの精鋭からなる〈毒ヘビ部隊〉が消息を絶った。その捜索を命じられ現地に赴いた米軍〈ハゲワシ小隊〉は、密林の奥で突如恐竜の大群に遭遇。それは、人類史上初となる――恐竜との全面戦争の始まりだった。

<作品情報>
監督・脚本・製作・編集・美術:ルーク・スパーク
原作:イーサン・ペッタス
音楽:フレデリック・ウィードマン
撮影:ウェイド・ミュラー
出演:ライアン・クワンテン/トリシア・ヘルファー/ニック・ウェクスラー/ジェレミー・ピヴェン ほか
2025年|オーストラリア映画|133分|2.00:1|Dolby Digital 5.1ch|PG12
原題:PRIMITIVE WAR
提供:キングレコード+オンリー・ハーツ+YUTAKA IZUMIHARA
配給:オンリー・ハーツ+キングレコード
配給協力:トリプルアップ
©SPARKE FILMS PTY LTD ALL RIGHTS RESERVED 2025
公式HP:https://primitivewar-jp.com/
公式Xアカウント:https://x.com/primitivewar_jp

 

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