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『DUNE 砂の惑星 PART2』今年これ以上の映画体験はもう味わえない!? “静のマッドマックス”誕生!

◆今週公開の注目作

『DUNE 砂の惑星 PART2』

文:屋我平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

Netflixなどの配信サービスのコンテンツが充実してきたことで、観客の映画館離れが進んでいる。映画好きとして寂しい一方、ここ数年で筆者も「必ずしも映画館でなくとも…」という気持ちが芽生えてきたことは否めない。しかし今でも、大スクリーンで見なければ意味がないと言い切って良い作品は存在している。その中の1本が本作『DUNE 砂の惑星 PART2』だ。

前作にも言えることだが、このドゥニ・ヴィルヌーヴ監督版の『DUNE』シリーズは、完全に映像と音の映画になっている。本作は続編なので前作を見ていない方は敬遠するかもしれないが、個人的にはもはやストーリーはどうでも良いとすら思っている。頭に入れておくべき基本知識は以下のものくらいで大丈夫だ。舞台となる砂の惑星アラキス(通称デューン)は「スパイス」と呼ばれる燃料兼ドラッグの宝庫であり、支配権を主人公ポールらアトレイデス家と宿敵ハルコンネン家で奪い合っている。前作において、残虐なハルコンネン男爵によりポールの父であり人徳者だった領主レトは殺された。ポールは新たなリーダーとなって砂漠の民フレメンと手を組み、ハルコンネンに復讐を果たしアラキスを治めようとする。

ハンス・ジマーによる、地響きのようにヘヴィで心地良い劇判(特にパーカッションが最高!)に導かれ、瞬く間にそこはもう一面が砂の異星だ。「砂を噛むよう」という表現は味気ないことを意味するが、とんでもない。光が当たれば砂漠は黄金色とも琥珀色ともつかぬグラデーションを見せ、風が吹けば砂中のスパイスが舞って美しく煌めく。まさに、我々もスパイスを吸い込んで幻覚を見ているかのようである。

「ストーリーはどうでも良い」と言ったのは、王道ど真ん中だからだ。高貴な主人公が地位を失い、長旅を経て偉大な父を超えるほどに成長する物語。『DUNE』の魅力はストーリーそのものというより、世界観にある。SF映画を何本も見てきていてもフレッシュに感じられる設定のオンパレードだ。最も象徴的なのはやはり砂漠の神的存在、サンドワーム(シャイー=フルード)だろう。奥にブラックホールのごとき闇が広がる巨大な口はデザインが非常に秀逸で、巨大なひとつの目にも見える。画面越しにでもこの口に“見つめ”られたら、身震いが止まらなくなりそうだ。『メッセージ』や『ブレードランナー 2049』でも我々に新鮮な驚きを与えてくれたヴィルヌーヴ。やはり彼はSFとの相性が抜群に良い。

今回大きくフィーチャーされているのは、新キャラクターであるハルコンネン男爵の甥フェイド=ラウサだ。仲間すらもサンドバッグくらいにしか思っていないサイコパスで、領主の跡継ぎ同士ということでポールと対象的な存在である。スキンヘッドに真っ白い肌…、あまりに目を引く外見であるのはもちろんだが、彼の人でなしな人となりが描かれるシークエンスでは、カラーのはずなのに映像が色をなくし、“白黒映画”パートと化す。アラキスと正反対のアプローチではあるが、やはりこちらも必見の名シーンとなっている。

小難しい内容の作品を撮ると思われがちだが、実際は映像で観客を楽しませようとしているクリストファー・ノーラン監督も絶賛している本作。よく考えれば、シンプルなストーリーに視界を埋め尽くす砂、ド派手な大爆発、白塗りのクレイジー野郎まで登場するなんて、要素だけ考えれば『マッドマックス 怒りのデス・ロード』にも似ている。本家に対してこのような表現はおかしいが、あちらが“動の『マッドマックス』”だとすれば、荘厳で狂気を感じるほどに作り込まれた本作は“静の『マッドマックス』”と言っても過言ではないだろう。早くも今年のベスト映画体験はこれで決まりか。いや、ノーランの『オッペンハイマー』が本作に匹敵するかも知れないが、そちらの公開前にひとまず先に劇場へ…、違った、砂の惑星へと飛び込もう。

【ストーリー】
その惑星を制する者が全宇宙を制すると言われる惑星デューン。
命を狙われ姿をくらましたポールとフレメンのチャニは、幾重にも絡み合う数奇な運命に立ち向かうべく、罠にかけた皇帝とハルコンネン家に反撃の狼煙を上げ、最終決戦に挑もうとするのだったー。

【キャスト】
ティモシー・シャラメ、ゼンデイヤ、レベッカ・ファーガソン、ジョシュ・ブローリン、オースティン・バトラー、フローレンス・ピュー、デイヴ・バウティスタ、クリストファー・ウォーケン、レア・セドゥ、ステラン・スカルスガルド、シャーロット・ランプリング、ハビエル・バルデム

【スタッフ】
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
撮影:グリーグ・フレイザー

配給:ワーナー・ブラザース映画

(c) 2024 Legendary and Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
IMAX(R) is a registered trademark of IMAX Corporation.
Dolby Cinema is a registered trademark of Dolby Laboratories.

公式サイト: dune-movie.jp
公式Twitter: @dunemovie_jp #デューン2

 

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