MOVIE MARBIE

業界初、映画バイラルメディア登場!MOVIE MARBIE(ムービーマービー)は世界中の映画のネタが満載なメディアです。映画のネタをみんなでシェアして一日をハッピーにしちゃおう。

検索

閉じる

『キャメラを止めるな!』フランスでもカメラは止まらない!愛に溢れた忠実リメイクがついに公開

◆今週公開の注目作

『キャメラを止めるな!』

文:つみき(大好きなのは銀杏と緑茶割)

もし自分がフランスリメイク版『カメラを止めるな!』に邦題をつけて下さい、と言われたら何にしただろうか。原題は『Coupez!』、英題は『Final Cut』だが日本で多くの人に耳馴染みがいいのは間違いなく『カメ止め!』だろう。筆者はこういうワンアイディア系に激弱なので『ゾンビにしやがれ』という謎すぎる邦題と共に、フランスということで巨匠・ゴダールの『勝手にしやがれ』をもじってみました!と周囲にサブカル臭をまき散らしていただろう。私が邦題をつける人じゃなくて本当に良かった。そこを『カメ止め!』の耳馴染みと、フランスのリメイク版というのを見事に融和させた秀逸すぎる邦題『キャメラを止めるな!』がいよいよ7/15(金)から公開する。

日本で『カメラを止めるな!』旋風が巻き起こってから4年が経過した。まだ4年な気もするし、もう4年な気もする。低予算ならではのB級感を逆手にとったストーリー構成には驚かされた方も多いはず。ただこのB級感って自分が日本人なのもあって日本人が演出していると、時々共感性羞恥にやられて恥ずかしくてたまらない気持ちになるのだが、海を越えると不思議とエンタメの表現として受け入れることが出来てしまう。つまるところ、狙って作られたB級感と海外映画は相性が抜群なのだ。

相性の良さは狙って作られたB級感だけでなく、この映画が紛れもない“ゾンビ映画”であることもその1つだ。『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968)から大衆文化に浸透し始めたゾンビだが、やはりルーツは海外ということもあり、フランスのゾンビは派手でコミカルでゾンビらしさ全開。笑えて感心するゾンビ映画を見事に作り上げていると感じた。ゾンビというと数年前に大雪で電車が止まった時、ホームに溢れ返る人々の対応に追われる駅員さんの顔色があまりにも悪くてゾンビのようだったことを、いつも思い出してしまう。

そして『カメ止め!』で一気に名を轟かせたどんぐりさん改め竹原芳子さんも『キャメラを止めるな!』に出演している。50歳にしてNSC(吉本総合芸能学院)に入所したどんぐりさんは33期生であり、霜降り明星、コロコロチキチキペッパーズ、男性ブランコ、マユリカらと同期で、NSC入所以前は証券会社や裁判所に勤めていた異色の経歴の持ち主。『カメ止め!』でも唯一無二の存在感を放っていたが、『キャメ止め!』でも変わらず魅力を発揮するどんぐりさん(竹原芳子さん)にもご注目いただきたい。

結果、B級感の相性やらゾンビのルーツやらごちゃごちゃと語ってしまったが、この映画で一番大切なのは映画を作ることへの愛だと思う。『カメ止め!』が日本でヒットしたのは今までなかったようなストーリー展開の面白さもあるが、300万円という限られた予算で絶対に面白い映画を作ってやるぞ!という熱い想いが人々の足を映画館へ運ばせたような気もする。『キャメ止め!』はそんな『カメ止め!』製作陣たちへの愛とリスペクトがたっぷり込められていると思う。日本でもフランスでも、まだまだカメラは止まらない!

【ストーリー】
「山奥の廃墟でゾンビ映画の撮影が進められていたが、俳優たちの下手な演技にキレた監督が、本物のゾンビを召喚してクルーを襲わせ、超リアルな映像をモノにする!」という日本で話題となった映画のリメイクを 30 分間生放送、カメラ 1 台でワンカット撮影するよう依頼されたのは、フランスの監督。現場には、監督志望だが純粋すぎて空気の読めない彼の娘と、熱くなると現実とフィクションの区別がつかない妻も加わり大混乱! 問題ばかりの製作チームは、全く話のかみ合わない日本人プロデューサーとのバトルを乗り越え、ラストシーンまで完走できるのか? フランスでも映画を愛する者の誓いはひとつ! 何があっても、カメラは止めない!

【キャスト】
ロマン・デュリス、ベレニス・ベジョ グレゴリー・ガドゥボワ、フィネガン・オールドフィールド、マチルダ・ルッツ、竹原芳子

【スタッフ】
監督・脚本:ミシェル・アザナヴ:アレクサンドル・デスプラィシウス
音楽:アレクサンドル・デスプラ
衣装:ヴィルジニー・モンテル

提供:ギャガ、ENBU ゼミナール 配給:ギャガ
シネスコ/5.1ch デジタル/112 分/字幕翻訳:松崎広幸 吹替監修:上田慎一郎 吹替翻訳:井村千瑞
© 2021 – GETAWAY FILMS – LA CLASSE AMERICAINE – SK GLOBAL ENTERTAINMENT – FRANCE 2 CINÉMA – GAGA CORPORATION

7月15日(金)TOHOシネマズ シャンテ ほか全国公開

 

関連記事

『キャメラを止めるな』上田慎一郎監督監修による 日本語吹き替え版制作決定!多田野曜平、三石琴乃、浪川大輔、戸松遥、武内駿輔、田中美海ら豪華実力声優陣が参加!

『キャメラを止めるな』第75回カンヌ国際映画祭オープニング作品としてワールドプレミア実施! 4分に及ぶ熱いスタンディングオベーションに竹原芳子も感激!

『カメラを止めるな!』フランス・リメイク版、映画『キャメラを止めるな!』邦題&初日決定!ポスター&予告編完成!

バックナンバー