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『死霊館のシスター 呪いの秘密』ヨーロッパを席巻する災厄に『死霊館』ユニバースの“顔”が挑む。“死霊館のシスター”対決を制するのはどちらだ!?

◆今週公開の注目作

『死霊館のシスター 呪いの秘密』

文:屋我平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

映画のユニバース化はもはや珍しくも何ともなくなったが、ホラー映画のユニバースは他と比べて少々異質だ。ユニバース化は各作品を同じ世界に位置づける設定だが、普通に考えればヒーローものなどと違ってホラー映画をユニバース化することに必然性はない。ところがそこは天才のジェームズ・ワン監督、実在の心霊研究家エド&ロレイン・ウォーレン夫妻を軸に、彼らが関わった怪奇事件や呪物の話を絡ませ “死霊館ユニバース”を作り上げてしまった。ご存じの通り、ユニバーサル・ピクチャーズが進めていた『ミイラ再生』など往年の怪奇映画のリブート・ユニバース化を狙った“ダーク・ユニバース”は第1作目で盛大にコケ企画が頓挫してしまったため、今となっては本ユニバースがホラー界で唯一のものとなっている。その最新作がこの『死霊館のシスター 呪いの秘密』だ。

作品ごとに時代が違うのでややこしいのだが、前作『死霊館のシスター』では1952年を舞台に、シスターの姿をした悪魔「ヴァラク」が封印から蘇り、ルーマニアの修道院を壊滅させる様子が描かれていた。あるキャラクターの今後の運命が示されるが、この人物は1971年が舞台の『死霊館』にて、ウォーレン夫妻が流したこれまでの活動を記録した映像の中で悪魔祓いを受けていた者と同じだ。そして1976年が舞台の続編『死霊館 エンフィールド事件』では、ヴァラクの姿が度々登場していた。つまり、ヴァラクは時代を越えて人々を苦しめる邪悪な存在なのだ。

本作は、前作の少し後から始まる。ルーマニアの修道院でヴァラクと対峙(そして退治)した主人公シスター・アイリーンがイタリアの修道院で穏やかに神に奉仕していたところ、完全には封印できていなかったヴァラクがまた猛威を振るい始める。嵐に対する表現のようだが、ヴァラクはまさに最悪の災厄だ。これまでは修道院規模で済んでいたものの、人間に憑依することで外に飛び出し、ヨーロッパを恐怖に陥れる。『エンフィールド事件』で描かれるようにこの後はアメリカにも上陸するわけだが、ヴァラクという名の黒き死の病が着実に世界を蝕んでいく。

本ユニバースの特徴である景気の良いジャンプスケア(驚かし)と、肉体的な恐怖描写は健在だ(惨劇の度合いはマシマシ)。「肉体的」というのはパントマイム的と言い換えても良い。CGを用いるのではなく、怪異を実際に人間が演じることで実在感を演出するのだ。安上がりでシンプルな手法を用いながら、どこか斬新に見せてしまうのが“死霊館ユニバース”。監督のマイケル・チャベスは『ラ・ヨローナ ~泣く女~』でデビューし、本作の前には『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』を撮った。本作も含め本ユニバースの作品しか長編を撮っていない彼は、トレードマークの恐怖演出を受け継ぎながら、今後ジェームズ・ワンに代わってユニバースを引き継いでいくのかもしれない。

シスター・アイリーンを演じるタイッサ・ファーミガは、名前を見れば分かる通り、ロレイン・ウォーレン役としてシリーズを10年近く支えてきたヴェラ・ファーミガの肉親で、顔もよく似ている。ヴェラは50歳でタイッサは29歳、そうタイッサはヴェラの娘…ではなく、何と年の離れた妹である。そう、まさに“死霊館のシスター”なのだ。ヴェラと同じく怪現象を調査する役割が板についてきたタイッサもまた、ユニバースの“顔”となった。顔力ではヴァラクにも負けていないはず…だが、この度の勝敗やいかに…?

【ストーリー】
1956年、フランスで起こった神父殺人事件をきっかけに、世界に悪が蔓延。ある特殊な能力を持つ主人公のシスター、アイリーンは教会の要請を受けて事件の調査をすることに…。人々を救うため、命の危険をかえりみず祈りをささげるアイリーンは、ついに悪の元凶“シスター ヴァラク”と対峙する。

【キャスト】
タイッサ・ファーミガ、ジョナ・ブロケ、ストーム・リード、アナ・ポップルウェル 他

【スタッフ】
監督:マイケル・チャベス
脚本:イアン・ゴールドバーグ、リチャード・ナイン、アケラ・クーパー

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