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『THE WITCH/魔女 ー増殖ー』韓国映画にもユニバース化の流れ!?バイオレンス・笑いマシマシ、景気の良い続編が爆誕!

◆今週公開の注目作

『THE WITCH/魔女 ー増殖ー』

文:屋我平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

前作『THE WITCH/魔女』を見た方は、物語が終わってようやくタイトルが映された時、「第1部 転覆」という文字が出てきて驚いたのではないだろうか。確かに序章感は強かったのだが、まさか続きものだったのかと。しかも最後の最後に、それまで全く触れられていない、明らかに続編で回収する気満々の主人公の秘密までぶっ込んできて、「マーベルか!」とツッコみたくなったのは筆者だけではないだろう。実際、このシリーズはユニバース化の構想もあるようで、前作から4年が経って世界を拡張するこの新作が誕生した。

これまでは遺伝子操作で作られた超能力者側と彼らを作り出した研究者側の対立が描かれていたが、本作では超能力を持つその他の勢力まで登場し、一筋縄ではいかない展開になってきた。まず、主人公からして前作のク・ジャユンとは異なる。今回は超能力を持った名前もない“少女”のストーリーだ。彼女は「箱舟(アーク)」という研究所で管理されていたが、ある日正体不明の集団に襲撃され、辛くもひとり生き残る。施設を脱出した“少女”は一般人の姉弟に拾われ、奇妙な共同生活を送ることになるが…。

早い話、本作は前作の要素をマシマシにしたタイプの続編だ。サイキックバトルのシーンはよりバイオレンスに、スピーディーに、ダイナミックになっている。景気良く血が飛び散り、死体の数もどんどん増えていく。前作のバイオレンスアクションの面が気に入っていた方は間違いなく満足できるだろう。また、同時にコミカルな部分もかなり多くなっている。最初は無口で無感情なだった“少女”は、ケンカばかりしているギョンヒとデギルの姉弟と過ごす中で変わっていく。特に大食いキャラだと明らかになってきたあたりから、“少女”はギャップで観客の心を鷲掴みにする。登場人物は、脇役も悪役も漫画のようにキャラが立っている。本シリーズの大きな美点だ。

また、シリーズに共通しているのは主人公が文字通り最強であること。はっきり言って、ジャユンしかり“少女”しかり、「もしかしたら負けてしまうのでは」と観客が思う瞬間はない。彼女らが殺る気になれば相手は死ぬ。心配すべきはむしろ、彼女らの周りの普通の人間なのだ。ジャユンの両親やギョンヒたちは、超能力者の腕の一振りで死んでしまう。韓国映画の面白さにして怖ろしさは、笑えるシーンがいきなり笑えないシーンに変わるところにある。“少女”が最強だとしても、大切なものを守れるとは限らない。好きでこういう体にされたわけでもないのに、自分のせいで誰かが不幸になってしまう、悲しい運命を背負っている。

ユニバース化の意思を表明するだけあって、本作でも設定の全ては説明されておらず、まだまだ分からないことだらけだ。シリーズ2作目の本作ですら、個人的にはドラマシリーズの、しかも冒頭部分に過ぎない感覚すらある。それこそ、今後はマーベルなどのように壮大な世界が広がっていくのかもしれない。前作を見ていないからと敬遠するのは早計だ。直接的に話が繋がっていないので、逆に本作から入って後から前作を見るのもアリだろう。少しでも興味があればぜひこの機会に、まだほとんど例のない韓国映画ユニバースの黎明に立ち合おう。

【ストーリー】
秘密研究所アークが何者かに襲撃され、殺戮の中でひとりの少女が生き残る。その少女は、遺伝子操作によって超人的なアサシンを養成する〈魔女プロジェクト〉の実験体だった。初めて研究所の外に出た少女は、ある姉弟と出会うことで、徐々に人間らしい感情に目覚めていく。しかし少女の秘められた力を危険視した〈魔女プロジェクト〉のペク総括は、彼女を抹殺しようとする。さらにアークを襲撃した謎の超能力者集団や、姉弟を狙う犯罪組織も加わり、哀しき宿命を背負った少女との壮絶なバトルの火ぶたが切って落とされる!

【キャスト】
シン・シア、パク・ウンビン、ソン・ユビン、ソ・ウンス、イ・ジョンソク、チン・グ、チョ・ミンス、キム・ダミ 他

【スタッフ】
監督・脚本:パク・フンジョン

2022年/韓国/138分/5.1ch/シネスコ/字幕翻訳:福留友子/提供:ツイン、Hulu/配給:ツイン
公式サイト:ark-thewitch.com
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2023年5月26日(金)新宿ピカデリーほか全国ロードショー

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