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『犯罪都市 NO WAY OUT』もはやこれは見るドラッグ!?爆笑痛快ワンパンアクション第3弾!

◆今週公開の注目作

『犯罪都市 NO WAY OUT』

文:屋我平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

“マブリー”ことラブリーな韓国の大スター、マ・ドンソク主演の『犯罪都市』シリーズも、これで3作目だ。前作のタイトルが「THE ROUNDUP(一斉検挙)」だったのに対し、本作は「NO WAY OUT(八方塞がり、逃げ場なし)」。本作の邦題だけでなく英題にも使われている言葉ではあるものの、これほどマ・ドンソクに似合わない言葉はない。オモシロい歌詞を書く人気バンドUVERworldの楽曲『BABY BORN & GO』に、「真っ直ぐだ その突き当たりをまだ真っ直ぐだ」というフレーズがあるのだが、本シリーズのマ・ドンソクはまさにそれを体現している。壁があれば拳でブチ抜いてそのまま進んでいくのだ。

やっている事自体はいつもと変わらず、今回も許されざる悪党どもをマ・ドンソク演じる刑事マ・ソクト兄貴と愉快な仲間たちが一網打尽にする…これが大まかなストーリーになる。ソクト兄貴は非常に腕力が強く、その丸太のような両腕には誰も歯が立たない。パンチ1発で敵はへなへなと崩れ落ちる。リアルワンパンマンだ。防御力もすこぶる高く、少しくらい鉄パイプで殴られたりナイフで切られたりしてもビクともしない。ハラハラ感は微塵もなく、その代わりソクト兄貴の無双っぷりを楽しめる、爽快にして痛快(イタ気持ちイイ)なボクシングアクションになっている。

いつもと違うのは、日本人キャストが登場する点だ。新種の麻薬を巡り、日本のヤクザと韓国の汚職刑事がソクト兄貴に襲いかかるが、ヤクザのトップを國村隼、日本刀の殺し屋リキを青木崇高が演じている。マ・ドンソク自身が語っているように、本作ではワンパンでは決着せず、打撃のコンボにより相手を仕留めるアクションが増えており、リキとの戦闘シーンは比較的長い。しかし、本シリーズはマ・ドンソクを怪獣に見立てた怪獣映画だということを忘れてはいけない。リキは常人にしてはよくやった方だろうが、結局プチッとやられる運命にある。良いのだ。怪獣に踏み潰されるのは名誉なことなのだ。

本シリーズは毎作、高い満足感を提供してくれる。ストーリーは別に予想外の方向へ行ったりはしないが、期待通りのものを150%お出ししてくれるのだ。とにかく、ギャグとアクションシーンが観客のテンションを爆アゲする。ソクト兄貴と仲間たちは非常に仲が良く掛け合いが楽しいし、ボス以外の敵キャラはチンケなヤツが多く情けなくて笑いを誘う。ことごとくキャラが立っており、彼らが生き生きと動いているのを見るだけで楽しいのだ。この辺りはマーベルやDCのヒーロー映画にも通ずるところだろう。何作でも作れそうな勢いで、実際4作目も今後控えている。アクション面でも、ソクト兄貴のパンチで敵がブッ飛びまくる様子は異常なほど気持ち良い。ここまでパンチの1発1発にカタルシスを感じられる映画は他にないだろう。

そう、本作は明らかに普通ではない。冷静に考えればこの主人公はめちゃくちゃ暴力的で、相手が犯罪者とは言えすぐに危害を加える。相手が何かを隠しているとピンと来れば、すぐに拷問という名の聞き取りを始める。普通の映画なら、ソクト兄貴は「ヤクザ警官」とか「ダークヒーロー」とか呼ばれるキャラクターだろう。確かに、よく「どっちがヤクザだ」と犯罪者が愚痴るが、ダーティーな印象は全く湧かない。韓国映画的なバイオレンスとコメディ要素に溢れているのも間違いないが、陰惨さは感じさせない。暴力の気持ち良さがクロースアップされており、『ファニーゲーム』を撮ったミヒャエル・ハネケ監督が本作を見たら卒倒するに違いない。これもひとえに、マ・ドンソクのコワモテカワイイキャラがなせる業だろう。まごうことなきスターである。

普通の韓国映画がドギツすぎて苦手な方にぜひオススメしたいシリーズだ。はっきり言って、サイケなシーンなどなくとも、これは劇中の麻薬などとは比べ物にならないほどの快楽と依存をもたらす、“見るドラッグ”に他ならない。非常にキケンだ。だがキメたところで決して捕まりはしない。ならキメない理由はないだろう。恒例の打ち上げシーンまで見てしまったら、早く4作目が見たくて手が震え始めるからお気をつけて。

【ストーリー】
ベトナムでの凶悪犯一斉検挙から 7 年後。マフィアも恐れる“怪物刑事”マ・ソクト(マ・ドンソク)は、ソウル広域捜査隊に異動し、ある転落死事件を捜査していた。捜査を進めるうち、事件の背後に新種の合成麻薬と、日本のヤクザが関わっているという情報を掴む。一方、麻薬を盗んだ組織員たちを処理するため、極悪非道な“ヤクザの解決屋”リキ(青木崇高)が、一条親分(國村隼)の指示のもと密かにソウルへ送りこまれていた。さらに消えた麻薬の奪取を目論む“汚職刑事”チュ・ソンチョル(イ・ジュニョク)も加わり、事件は三つ巴の激戦に突入、2 人の最強の敵を前にマ・ソクト最大のピンチが訪れる—!

【スタッフ・キャスト】
監督:イ・サンヨン『犯罪都市 THE ROUNDUP』
主演・プロデューサー:マ・ドンソク『エターナルズ』『新感染 ファイナル・エクスプレス』
出演:イ・ジュニョク「秘密の森 ~深い闇の向こうに~」『神と共に 第一章&第二章』、青木崇高『ゴジラ-1.0』『るろうに剣心』シリーズ、國村隼『碁盤斬り』『哭声/コクソン』ほか
2023 年/韓国/韓国語・日本語ほか/カラー/シネマスコープ/原題:범죄도시 3/105 分/PG-12/字幕翻訳:根本理恵
(C)ABO Entertainment presents a BIGPUNCH PICTURES & HONG FILM & B.A. ENTERTAINMENT production world sales by K-MOVIE ENTERTAINMENT
提供:ツイン、Hulu
配給:ツイン
宣伝:スキップ
公式サイト:https://hanzaitoshi3.com
公式 X アカウント:@hanzaitoshi3 #犯罪都市 #マ・ドンソク

2024 年 2.23(fri.) 新宿ピカデリー、グランドシネマサンシャイン 池袋ほか全国公開

 

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