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『“それ”がいる森』UFOの次はUMA…なのか?どんな予想も超える作品になっているのか大胆予想!

◆今週公開の注目作

『“それ”がいる森』

 

文:屋我平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

ついこの前『NOPE/ノープ』という未知の映画が公開されたばかりなのに、また未知を謳う作品が現れた。現時点で明かされている内容は実質、「相葉雅紀演じる主人公の淳一が森で“それ”としか形容できない恐ろしいナニカに遭遇する」…くらいのものだ。実は筆者はまだ本作を見ていないので、“それ”が何なのかは全く知らない。故にネタバレのしようもない。なのでここでは、公開前の今だからこそ、“それ”を含めた内容についてあれこれ想像してみよう。

まず、相葉はこれが8年ぶりの主演作品であり、ホラー映画には初挑戦となる。これは少し意外だった。彼は2000年代初頭にバラエティ番組『USO(ユー・エス・オー)!?ジャパン』に出演していたからだ。これは主に、真偽が不確かな噂をもとに怪奇現象や都市伝説を調査していく番組で、実は筆者が『ザ・ディープ・ハウス』の記事で触れた廃墟ホテルも紹介されたことがある。そして、まさにそのホテルを調査したのが相葉だった。ただし、相葉は番組中に気絶した経験もあるほどの怖がりなので、本作で自らホラーに挑むことも考えにくかったのだが。

ジャニーズ所属のタレントが主演のホラーと言えば、本作と同じく『リング』の中田秀夫が監督し、亀梨和也が出演した、もはやコメディとも感じられる『事故物件 恐い間取り』が思い出される。監督は本作については「かなり毛色が異なるホラー」「今回ほど考えてチャレンジした作品はない」と語っている。舞台となる森は実在するらしく、不吉な森としてすぐ思い浮かぶのは青木ヶ原樹海だ。しかしそれだとお馴染みすぎるし、『呪怨』の清水崇監督が撮った『樹海村』で取り上げられたばかりなので、新鮮さに欠ける。実際のロケ地となったのは千葉県のエアソフトパークガーデンという場所で、サバイバルゲームに興じられるフィールドだ。そこでピンときた。

予告編や公式サイトではカラフルな血痕のようなものがフィーチャーされている。これは血痕ではなくペイント弾ではないか? “それ”とはサバゲーのプレイヤーなのではないか? サバゲーではペイント弾が使われる場合があるし、銃を持った人が森からいきなり出てきたら怖い。…だがどうやら、このフィールドで使えるのはBB弾のみのようだ。よく考えればそんな展開はあり得ない。あってはいけない。意外すぎる。もしかして、“それ”とはつまり「イット」、スティーブン・キング原作の『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』に登場する殺人ピエロ、ペニーワイズのことか? しかし本作はワーナーではなく松竹映画だし…(そういう問題ではない)。

予告編では童謡「森のくまさん」が流れているが、「あれは熊なんかじゃない」とも言われているので和製『レヴェナント 蘇りし者』にもならないのだろう。「森のくまさん」は元の英詩を読むとくまさんが殺人鬼にしか思えないのだが、正体がそれでも意外性に欠ける。食人族系であれば、その名も「ベア・マウンテン」なる街道が登場する『クライモリ』が先輩にいる。巷では、広島にある霊山、比婆山(ひばやま)で目撃された類人猿のようなUMA、ヒバゴンではないかとも予想されている。ただ、小日向文世演じる児玉が“それ”を目撃したのは60年前、ヒバゴンの目撃談は1970年代前半、つまり50年前にしかない。本当にヒバゴンなら、時期を合わせる方が効果的だ。

悪霊だと『死霊のはらわた』になるし、ビッグフットやチュパカブラは外国にしかおらず(外国にもいない)、ツチノコだと拍子抜けだ。最近流行りのネット発の怪談を映画した作品ならば、常にくねくねと踊り狂い、その正体を理解してしまうと発狂する「くねくね」も良い候補ではあるが、通常田んぼで目撃されるので除外。…であれば筆者は、本作の森は時空を超えてグアム島かフィリピンのルバング島の森と繋がっており、旧日本兵が登場すると予想する。淳一は命を狙われるが徐々に打ち解け、ともに森を抜け出して「恥ずかしながら帰って参りました」、めでたしめでたしだ。この終わり方なら筆者が一番驚くのだが、何せ未知の映画らしいので、読者の皆さんのどんな想像をも超えるものを見せてくれることを期待しよう。

【ストーリー】
田舎町でひとり農家を営む田中淳一は、元妻・爽子と東京で暮らす小学生の息子の一也が、突然ひとりで訪ねて来たのをきっかけに、しばらく一緒に暮らすことになる。ちょうどその頃から、近くの森では不可解な怪奇現象が立て続けに発生し、淳一が住む町でも、住民の不審死や失踪事件が相次いでいた――。そんな矢先、淳一と一也も偶然得体の知れない“それ”を目撃してしまう。淳一は一也の担任教師の絵里とともに、怪奇現象に巻き込まれていくが、それは未知なる恐怖の始まりにすぎなかった――。

【キャスト】
相葉雅紀、松本穂香、上原剣心、江口のりこ、眞島秀和、宇野祥平、松浦祐也、酒向芳、野間口徹、小日向文世、尾形貴弘、中村里帆 ほか

【スタッフ】
監督:中田秀夫
脚本:ブラジリィー・アン・山田、大石哲也

配給:松竹
(C)2022「“それ”がいる森」製作委員会

公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/soregairumori/

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