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『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』答えは原点にあり。この蘇りはファンを二分する。

◆今週公開の注目作
『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』

文:屋我平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

大抵の映画には原作がある。そして、原作がコミックやゲームの作品だと、実写化のハードルは原作が小説の場合とは比べ物にならないほど高くなる。それがゾンビホラーゲームの金字塔である『バイオハザード』ともなればなおさらだ。映画版『バイオハザード』というとすでにポール・W・S・アンダーソン監督、ミラ・ジョヴォヴィッチ主演の前シリーズ(以下ミラ版)があるわけだが、そちらは原作に忠実だったとは言いがたい。主人公は映画独自のキャラクターだった上、ポールとミラは同作がきっかけで結婚することになっただけにミラが全面に押し出された作風だった。シリーズ6作目にして最終作の『バイオハザード:ザ・ファイナル』では長女のエバーも出演していたので、ある意味“ファミリー映画”でもあった。

とは言え、ミラ版は実際にヒットしているし、後にゲーム版にも逆輸入されることになる、レーザーカッターによる“サイコロステーキ”シーンなど記憶に残る場面も多く、「これはこれでアリ」な独自の地位を確立した。しかし、やはりそれでは特にゲーム版のファンが抱くであろう、原作に忠実なバージョンを求める気持ちには応えられない。そこで、完全に同じではないにせよ強く原作を意識して映画として蘇らせたのが本作なのだ。実写化作品はどうやっても絶対に叩かれる宿命にあるが、昔から自身もゲーム版の大ファンと語るヨハネス・ロバーツ監督は、ゾンビに食われる被害者のごとく、渇きと飢えに苦しんできたファンに自らの血肉を与えることにした。さぞ本望だろう。

ミラ版はミラというスターのための映画群だった(ちなみに、スペルは違うが実際にミラという星も存在する)。だが今回は違う。劇中でゾンビに立ち向かう特殊部隊の名がS.T.A.R.S.なのにもかかわらず、ミラほどのスターはいない。一応、主人公のクレア・レッドフィールドを演じたカヤ・スコデラリオは『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』でヒロインを務めたし、ミラ版でも印象的なキャラクターだったジル・バレンタイン役のハナ・ジョン=カーメンは『アントマン&ワスプ』でヴィランのゴーストを演じたが(ちなみにゴーストの本名はエイヴァ・スターである)。むしろ、スターと呼べるのは脳が露出し、長い舌で襲い来るリッカーなどの印象的なクリーチャーの方かもしれない。

地味といえば地味だが、しかし原作だって発売当初はここまでのビッグタイトルになるなんて予想もされていなかった。本作はそういう意味でも“原作に忠実”だ。そして星のない夜空のように薄気味悪い。ミラ版はどちらかと言えばホラー要素のあるアクションだった。それに対してこちらはアクション要素のあるホラーだ。今や、ゲーム版をプレイした経験のない方でも何となく知っているであろう、「(表向き)製薬会社のアンブレラ社が秘密裏に行っているウィルス実験のせいでラクーンシティがゾンビパニックに見舞われる」というお馴染みのストーリーに、いくつも原作要素が散りばめられたイースターエッグ探しのような作品になった。だが、そこにばかり気を配っていてはいけない。奴らはどこから現れるか分からないのだ。ラクーンシティに招待された我々は、全ての瞬間、全方位を警戒し続けなければ、この血に濡れた土地(レッドフィールド)を生き抜くことは叶わないだろう。

【ストーリー】
1998年9月30日、ラクーンシティ。この日、この街で何が起こったのか? <アンブレラ社>が秘密裏に行っていた人体実験。 「絶望」がこの街で産声をあげる――。 舞台となるのは、巨大複合企業<アンブレラ社>の拠点がある街、ラクーンシティ。この街の孤児院で育った主人公クレア・レッドフィールド(カヤ・スコデラリオ)は、<アンブレラ社>がある事故を起こしたことで、街に異変が起きていると警告する不可解なメッセージを受け取り、ラクーンシティへと戻ってきた。ラクーン市警(R.P.D)の兄クリス・レッドフィールド(ロビー・アメル)はクレアの言うことをありえない陰謀論とあしらうが、やがて二人は街中を彷徨う住民たちの変わり果てた姿を目の当たりにする。次々と襲い掛かってくる住民たち。そんな中、二人は<アンブレラ社>が秘密裏に人体実験を行ってきたことを知るが……。

【キャスト】
出演:カヤ・スコデラリオ(クレア・レッドフィールド役)/ハナ・ジョン=カーメン(ジル・バレンタイン役)/ロビー・アメル(クリス・レッドフィールド役)/トム・ホッパー(アルバート・ウェスカー役)/アヴァン・ジョーギア(レオン・S・ケネディ役)/ドナル・ローグ(ブライアン・アイアンズ役)/ニール・マクドノー(ウィリアム・バーキン役)

【スタッフ】
監督・脚本:ヨハネス・ロバーツ

原題:Resident Evil: Welcome To Raccoon City
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

公式サイト:https://www.biomovie.jp/
公式Twiter:https://twitter.com/biomoviejp

1月28日(金)全国の映画館にて公開

 

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