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『戦場記者』戦場で見つけたテレビの生きる道

◆今週公開の注目作

『戦場記者』

文:たんす屋(神社好きの中年Youtuber)

ガザ、ウクライナ、アフガニスタン、戦地を駆け巡り、世界の危機を「叫ぶ」男がいる。TBS特派員須賀川拓(ひろし)。彼はTBS中東支局長だそうだが、ロンドンにおり、たった一人で中東ばかりか、西アジア、ヨーロッパの一部そしてアフリカまでもカバーする。【守備範囲:地球の3分の1】だという。映画「メン・イン・ブラック」が【守備範囲:地球】と謳い、二人で地球を担当している(実質ひとりで地球の半分)のに比べても、遜色ない。つまり、メン・イン・ブラック並みの活躍をしている(強いられている?)男なのだ。

ガザでは、1000年レベルでくすぶるパレスチナ戦争、「戦争が日常」という人たちを追い、それでも我々日本人と命の価値は同じだと考えると、とんでもない悲劇が起こっているあたりにカメラを向け、しかもそれが戦争犯罪という本来やるべきではない無差別攻撃によって起こっていることに対して「叫んで」いる。ウクライナでは、「これは間違いなくロシアの侵略」だと、当初、ネット情報ではどっちもどっちみたいな風潮もあり真実が見えづらい中で、テレビ記者の立場ではっきりとしたメッセージを日本に送り続け、クラスター弾という無差別攻撃兵器使用の犯罪性を「叫んで」いた。そして、アメリカが撤退してタリバン支配から1年経ったアフガニスタンの現状。女性差別の実態、世界最貧国というのはこういうものかと見せてくれる。「アフガンは女性差別があるから世界の先進国は援助しないといってるけど、こんなに貧乏で麻薬中毒者があふれかえってるのを先に何とかしなければいけないんじゃないか?」と決して右へ倣えではない、率直で独自な意見を「叫んで」いる。

実際おおおー!!と叫んでいるわけではないが、スクリーンから世の理不尽や不合理を「叫んでいる」のが伝わってくる。

須賀川の独自性は、テレビ番組の記者にして、非常に人気のあるYouTuberということだ。YouTubeチャンネル「TBS NEWS DIGS」での彼は、空襲の中でも、不意に危険がせまってきてシェルターに隠れなければならない時でも怒涛の如くしゃべり、しゃべりたおす。ミリオタな面もあるのか、やたらに兵器に詳しいので、通常の戦地報道にあるような、お決まりの、見飽きた「悲惨な現実」と「政治・戦況」だけのニュースではなく、それこそ“戦術レベル“で現地の状況を伝えてくれる唯一無二のメディアとなっている。

見てると、須賀川はTBSではない。「報道特集」とも「サンモニ」とも違う。そういう地上波とはテンションが違う。SNS界隈で須賀川を非難する声の中に「地上波TBS憎けりゃ須賀川まで」という人がいるが、勘違いしているかもしれない。「ロンドン駐在で戦場記者とはお笑い」とかいう人がいるが、ロンドンこそ今の中東の状況、パレスチナ、イラン、イラク、そのあたりの政情不安をもたらした張本人だと知ったほうがいい。

私はTBSを擁護しているわけではない。地上波の時代は終焉を迎えている。寡占的な広告モデルで世のトレンドを制していたころとは違い、今の若い世代はテレビを見ない。それどころか「本当のこと言わないメディア」として、男性層からも嫌われ、今や老人とおばちゃんしか見てないのがテレビだ。

だが、須賀川を見てほしい。これこそ、地上波テレビの未来ではないか?こんなに地球の裏側から世界の異常を伝えられるYouTuberがいるか?どっちが悪いかわからない紛争地帯の報道で「こっちが悪い」と具体的な事例挙げて言い切る記者がいるか?危険地帯から日本語を介する日本人にしかわからない日本語のニュアンスや言い方で世界の危機を訴える日本人がいるか?ジャーナリズムは誰でも実践できるわけではない。報道に命を懸けた人間の意志と誠意と理性が必要だ。

ニュースはどうやって生み出されるのか?「戦場記者」須賀川が紛争地で悪戦苦闘する姿、そして自分の仕事を「偽善かも」と懊悩をする様をみていると、ここにこそ大手メディアのやらなければならない仕事があると確信する。

 

須賀川拓監督&峯村健司&ナザレンコ・アンドリーが“世界の危機、日本の危機”を語るスペシャル生配信イベントが決定!

『戦場記者』公開を記念し、須賀川監督&ゲストを迎えての生配信スペシャル特番が決定。ゲストに、2011年須賀川が本年度受賞したボーン・上田記念国際記者賞を受賞している峯村健司氏、そしてウクライナ出身で政治評論家、外交評論家として活躍するナザレンコ・アンドリー氏を迎え、『戦場記者』にまつわる話から、ウクライナ戦争をはじめとする世界情勢、進化するジャーナリズムなど語って頂くのはもちろんのこと、視聴者からの質問にも答え、多岐にわたる内容で深堀りする予定。

配信日時:12月17日(土)21:00~22:30予定(生配信)
配信サイト:「共感シアター」https://bals.space/theater/372
ゲスト:須賀川拓監督、峯村健司(ジャーナリスト・青山学院大学客員教授)、ナザレンコ・アンドリー(政治評論家)
MC:奥浜レイラ

 

須賀川拓監督が映画公開に合わせて緊急帰国が決定!

TBSテレビ特派員として現在ロンドンを拠点に世界の紛争地を取材し、国際ニュースでは知りえない圧倒的なリアル、真実を我々に届けてくれる須賀川拓監督が、公開に合わせて緊急帰国。さらに須賀川監督と一緒にトークを展開するゲストが決定!ジャーナリストの青木理、村山祐介、綿井健陽に加え須賀川拓監督、ウクライナ出身の政治評論家のナザレンコ・アンドリーら超豪華なジャーナリストたちが登壇する貴重な機会に、生須賀川&ゲストとのトークショーをぜひ堪能してほしい。
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●12月16日(金)
[会 場] 東京:角川シネマ有楽町 
[時 間] 15時30分の回(上映後)
[登 壇] 須賀川拓(監督)、青木理さん(ジャーナリスト) 、村山祐介さん(ジャーナリスト)(以上予定)
[チケット発売]オンライン販売開始:12月11日(日)0時~より(=12/10(土)24:00~より) 

https://www.kadokawa-cinema.jp/yurakucho/news/1210.html
[お問い合わせ]TEL:03-6268-0015 HP:https://www.kadokawa-cinema.jp/yurakucho/
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[会 場] 東京:ヒューマントラストシネマ渋谷
[時 間] 18時30分の回(上映後)
[登 壇] 須賀川拓(監督)、村山祐介さん(ジャーナリスト)、綿井健陽(ジャーナリスト)(以上予定)
[チケット発売]オンライン販売開始:12月12日(月)19時~より※劇場窓口は12月13日(火)朝オープン時より
テアトルHP: https://ttcg.jp/human_shibuya/topics/2022/12071700_21010.html
[お問い合わせ]TEL:03-5468-5551  HP:https://ttcg.jp/human_shibuya/
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●12月17日(土)
[会 場] 東京:角川シネマ有楽町
[時 間] 10時30分の回(上映後)
[ゲスト] 須賀川拓(監督)、ナザレンコ・アンドリー(政治評論家)、秌場聖治(TBSテレビ 外信部長)(以上予定)
[チケット発売]オンライン販売開始:12月11日(日)0時~より(=12/10(土)24:00~より) 
https://www.kadokawa-cinema.jp/yurakucho/news/1210.html
[お問い合わせ]TEL:03-6268-0015 HP:https://www.kadokawa-cinema.jp/yurakucho/
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[会 場] 東京:角川シネマ有楽町
[時 間] 10時30分の回(上映後)、 13時20分の回(上映後)
[ゲスト] 須賀川拓(監督)、ナザレンコ・アンドリー(政治評論家)、秌場聖治(TBSテレビ 外信部長)(以上予定)
[チケット発売]オンライン販売開始:12月11日(日)0時~より(=12/10(土)24:00~より) 
https://www.kadokawa-cinema.jp/yurakucho/news/1210.html
[お問い合わせ]TEL:03-6268-0015 HP:https://www.kadokawa-cinema.jp/yurakucho/
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*各舞台挨拶の詳細は、劇場HPをご確認ください。 

 

須賀川拓(監督)
1983年3月21日生まれ、東京都出身、オーストラリア育ち。2006年TBS入社、スポーツ局配属。2010年10月報道局社会部原発担当、警視庁担当、『Nスタ』を経て、現職(TBS中東支局長)。担当した主な作品は、レバノンの麻薬王を追った『大麻と金と宗教』、封鎖のガザで生きる起業家に 密着した『天井の無い監獄に灯りを』。その他にも、レバノンの大爆発後メディア初となる爆発中心部取材や、タリバン幹部への直撃インタビュー、アフガニスタンでタリバンのパトロールへの密着等。最近は、テレビでは伝えきれない紛争地の生の空気や、戦争で生活を破壊され、あえぐ一般市民の声をTBS公式YouTubeで積極的に生配信している。2022年、国際報道で優れた業績を上げたジャーナリストに贈られる「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞。

撮影:寺島尚彦、宮田雄斗、渡辺琢也、市川正峻
協力ディレクター:小松原茂幸
編集:牧之瀬勇人、泉妻康周
MA:深澤慎也
選曲・サウンドデザイン:御園雅也
企画・エグゼクティブプロデューサー:大久保竜
チーフプロデューサー:松原由昌
プロデューサー:津村有紀 
TBS DOCS事務局:富岡裕一
協力プロデューサー:石山成人、塩沢葉子 
製作:TBSテレビ
配給:KADOKAWA
宣伝:KICCORIT
2022年/日本/102分/5.1ch/16:9
©TBSテレビ
公式サイト:senjokisha.jp/

12月16日(金) 角川シネマ有楽町ほか全国順次公開

 

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