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『カラダ探し』今日までの自分を殺して、まだ見ぬ“明日”を掴め!ループ×ホラー×青春映画。

◆今週公開の注目作

『カラダ探し』

 

文:屋我平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

あなたは、代わり映えしない毎日に退屈してはいないだろうか。もしそうであれば、ループものの映画を見ると良い。ちょうどこのタイミングで公開される『カラダ探し』は、そんな日常で朦朧としているあなたに肘鉄を食らわせてくれる。目を覚まさせるためではない。そのまま悪夢の中へ誘うためだ。

この輪から抜け出すことはできない。主人公の明日香は朝起きて朝食を食べ、登校中に猫が車に轢かれるのを目撃し、学校では仲間外れにされ、就寝すると夢を見る。なぜか人気のない学校で、全く関わりのないクラスメイトたちと顔を合わせ、血まみれで不気味なヒトガタに襲われる夢だ。わけも分からないままひとりずつ殺されていく。

この輪から抜け出すことはできない。明日香は朝起きて朝食を食べ、登校中に猫が車に轢かれるのを阻止し、学校では夢で会ったクラスメイトたちに話しかけられ、就寝すると夢を見る。人気のない学校で顔見知りのクラスメイトたちと再会し、血まみれで不気味なヒトガタに襲われる。どうやらバラバラになっているソレのカラダを集める必要があることに気づくも、ひとりずつ殺されていく。いつこの“命日”から解放されるのか? いくら指折り数えても、目と鼻の先にあるはずの明日は決して来ない…。

ループものの面白い点は、同じような展開を繰り返しながらも少しずつ、けれど確実に状況が変化していくところだ。デスゲームに臨むのは、ぼっちの明日香の他、人気者の高広、ギャルの留美子、引きこもりの篤史、オタクの翔太、優等生の理恵と何もかもがバラバラの6人。彼らは、明日香たちは一緒に過ごすことで、一緒に死ぬことで、カラダが形を成していくように徐々に絆を深めていく。このあたりは『ブレックファスト・クラブ』的であり、公式でも謳われているが、スティーブン・キングの『IT』にも近い部分がある。自分の命日を繰り返すのは『ハッピー・デス・デイ』を思い出させる設定だ。

 

人気のスターが多く出演しているとは言え、死んでも生き返るので皆割と景気良く殺されてくれる(まさかハシカンのあんな死に顔が映るとは!)。若者向けの作品にしてはかなり血も臓腑も飛び散るが、陰惨な印象はあまり受けない。ホラー映画によく登場する足手まといキャラ(=悪い、ではないが)がおらず話はサクサク進むし、青春映画としての側面が強くなっている。あなたは、代わり映えしない毎日に退屈してはいないだろうか。または、頭で考えすぎて引っ込み思案になっているとか。もしも、明日香たちのように新たな仲間を得られれば、もうその“輪”から抜け出すことはできない。一歩を踏み出して――“明日”へようこそ。

【ストーリー】
7月5日、明日香の高校生活は一変した。いるはずのない幼い少女から「ワタシのカラダ、探して」と言われたその日から…。深夜0時を迎えた瞬間、気付くと明日香は、高広たちクラスメイトと共に学校にいた。そこに現れた全身が血で染まった少女“赤い人”によって、6人は次々と惨殺されてしまう。そして目が覚めると、そこはまた7月5日…。その日から、6人は何度も“赤い人”に殺され、永遠に同じ日をループすることに――。明日を迎える唯一の方法は、校内に隠されたバラバラのカラダを探し集めること。性格も異なる6人は、次第に力を合わせはじめ、仲間として友情が芽生えていく。終わらない死のループから抜け出し、明日を手に入れろ!

【キャスト】
橋本環奈、眞栄田郷敦、山本舞香、神尾楓珠、醍醐虎汰朗、横田真悠、栁俊太郎、西田尚美、柄本佑

【スタッフ】
原作:ウェルザード「カラダ探し」(エブリスタ)
監督:羽住英一郎
脚本:土城温美
音楽:菅野祐悟
主題歌:Ado 「行方知れず」 作詞 作編曲 椎名林檎 (ユニバーサル ミュージック)
挿入歌:Ado 「リベリオン」 作詞 作編曲 Chinozo (ユニバーサル ミュージック)
製作:「カラダ探し」製作委員会
制作プロダクション:ROBOT
製作幹事・配給:ワーナー・ブラザース映画
©2022「カラダ探し」製作委員会

公式サイト:https://wwws.warnerbros.co.jp/karadasagashijp/

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