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『あの頃。』中学10年生のノリが最高!推しと共に駆け抜けた青春日記

この映画は、つまり―
  • 「神聖かまってちゃん」のプロデューサーやマネージャーとして活躍した劔樹人の自伝的コミックエッセイを実写化。
  • 松坂桃李が松浦亜弥推しのガチオタを好演!
  • 「愛がなんだ」の今泉力哉監督が描くダメ人間・コズミン(仲野太賀)にも注目

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◆配信中の注目作 

『あの頃。』(2021)

U-NEXTで観るこちら

Netflixで観る⇒8月19日(木)より配信開始

”推し”。それは不思議なモノで「現実」が上手くいかず逃げ出してはいけない時にこそ、逆に熱中していく中毒性があります。本作は「現実」に行き詰まり、うだつの上がらない日々を過ごしてた青年がハロプロの伝説のアイドル・松浦亜弥にハマる中で出会う仲間たちとの、短くも一生モノの青春<あの頃>を描いた人間ドラマです!

主演の松浦亜弥推し・オタクを演じるのは松坂桃李。近年、『孤老の血』のようなハードボイルドな役から『いのちの停車場』のような好青年まで幅広い役柄をこなし、評価が高まっている俳優さんですね。今作でも、その演技力で身も心も本物の“ハロプロオタ”になりきっています。例えば、オタクの一番の晴れ舞台、“握手会”に行くシーン。このシーンは一見、“手を握り「いつも応援しています」と言う”だけですが、松坂さんの握手はオタ活数年分の熱量を体現しており、この松坂さんのオタクっぷりだけでも見ごたえありです。

そんな主演の松坂桃李よりも輝いているのが、仲野太賀演じる藤本美貴推しのコズミン。プライドが高く、自意識過剰で自分もオタクなのに「自分はオタクとは違う」とオタクを見下す、とっても嫌な奴です。しかし、監督・今泉力哉(『愛がなんだ』)の裁量により、この”足りない”キャラクターが映画の終盤には、一番愛おしく”共感できる”等身大のキャラクターになっていきます。

確かに<あの頃>にはコズミンのような、無知さや要領の悪さ、今思い出せば恥ずかしくなることが誰しもあるでしょう。でもいつのまにか推しより大切なモノを見つけ、私達はそれに向かって歩いていきます。本作の良いところは、そんな多くの人に対し「あの頃を忘れた薄情者」と切り捨てるのではなく「あの頃もおもろかったけど今の自分もおもろいんちゃう?」と優しく認めてくれることです。そんな心の広い本作の肩を借り、忘れてしまったあの頃の思い出や仲間を久々に思い出してみてはいかがでしょうか?

映画はU-NEXTで配信中。Netflixで8月19日(木)から配信開始です。

文:ハルラ

【ストーリー】
大学院受験に失敗し、彼女もお金もなくどん底の生活を送る青年・劔。松浦亜弥のミュージックビデオを見て「ハロー!プロジェクト」のアイドルに夢中になった彼は、イベントで知り合ったコズミンら個性的な仲間たちとともに、くだらなくも愛おしい青春の日々を謳歌する。しかし時は流れ、仲間たちはアイドルよりも大切なものを見つけて離れ離れになっていく。そんなある日、コズミンがガンに冒されていることを知った劔は、かつての仲間たちと再会を果たすが……。

【キャスト】
松坂桃李、仲野太賀、山中崇、若葉竜也、芹澤興人、コカドケンタロウ ほか

【スタッフ】
監督:今泉力哉

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