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『悪魔のいけにえ -レザーフェイス・リターンズ-』 “人の皮を被った”アイツが帰ってくる! この世で最悪の同窓会映画がここに。

この映画は、つまり―
  • ホラー映画史に名を刻む名作の、50年ぶりの“正統派続編”
  • 容赦のないゴア描写!
  • リブート版『ハロウィン』と同じ作りかと思わせて…?

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◆配信中の注目作 
『悪魔のいけにえ -レザーフェイス・リターンズ-』

Netflix視聴ページ ⇒ こちら

文:屋我平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

 

本作は、『悪魔のいけにえ』シリーズの最新作だ。「チェーンソーを持った殺人鬼のジェイソンが出るやつ」? 違う。それは『13日の金曜日』だ。ジェイソンは(始めからではないが)ホッケーマスクを被っており、また武器はチェーンソーではない。先に言っておくと、不死身の殺人鬼マイケル・マイヤーズが出る方でもない。それは『ハロウィン』だ。本シリーズに登場するのはレザーフェイス。そして彼こそチェーンソーが友だちの、比喩的に…そして文字通りの意味でも“人の皮を被った”恐ろしい殺人鬼なのだ。だが、本作と『ハロウィン』は確かに似ている。

こう言うと、シリーズの生みの親トビー・フーパー監督が直々に手がけた最初の続編『悪魔のいけにえ2』ファンは怒るかもしれないが、本作もいわゆる“正統派続編”と呼んで良いだろう。本シリーズは前日譚やリブート含めすでに8作品も作られているが、本作は1974年公開の1作目以外とは関係のない、約50年ぶりの直接的な続編だからだ。それこそ『ハロウィン』シリーズや『ターミネーター』シリーズで行われたことと同じである。

さらに、数十年の時を経てマイケルとローリー・ストロード、ターミネーターとサラ・コナーが因縁の対決をしたように、1作目の唯一の生き残りだったサリー・ハーデスティとレザーフェイスが対峙するのだ。しかし残念ながら、オリジナルキャストのジェイミー・リー・カーティスやリンダ・ハミルトンが出演した前述の2シリーズとは違い、サリー役だったマリリン・バーンズはすでに亡くなっているので、本作では別の女優が演じている。だが、そのおかげで本作には2シリーズとは違った味わいがしっかりある。

また、主役はあくまでサリーではなく、スポットライトが当てられているのは1作目と同じくアメリカ南部のテキサス州を訪れた若者らだ。その中のひとり、学校での銃乱射事件を生き延びたという壮絶な過去を持つライラ役は、映画スタジオA24製作の『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』で気弱ながらも強い承認欲求を抱えた少女を繊細に演じたエルシー・フィッシャーが務めている。だが、優しい作風だった『エイス・グレード』から一転、本作は実に容赦のないスプラッターだ。

原題『Texas Chainsaw Massacre』(テキサスチェーンソー大虐殺)の通り、テキサスの田舎町を理想郷に生まれ変わらせようとやってきた若者らは無残に散っていく。特にパーティー中のバス車内での殺戮シーンが見どころだ。バスでのアクションシーンは最近でも『Mr.ノーバディ』や『シャン・チー/テン・リングスの伝説』でも拝めたが、こちらも負けず劣らずの印象的な場面となっている。無慈悲な展開は当たり前、脚本に関わったフェデ・アルバレスとロド・サヤゲスは容赦のないバイオレンスで知られる『ドント・ブリーズ』シリーズの監督たちなのだから。そして、監督を務めたのは新星のデビッド・ブルー・ガルシア。今後は本作が名刺代わりになるだろう。「デビッド・レッド・ガルシア」に改名すべきと思うほど血まみれの内容だが、いや、ブルーのままで良いのだ。観客はみな真っ青になるのだから。

【ストーリー】
レザーフェイスが姿を消して約50年。テキサスの人里離れた町を、理想に燃える若者たちが訪れる。だが彼らは知らなかった。そこにはあの悪魔が人知れず息をひそめていることを。血の惨劇がふたたび蘇る。

【キャスト】
サラ・ヤーキン、エルシー・フィッシャー、マーク・バーナム ほか

【スタッフ】
監督:デビッド・ブルー・ガルシア
脚本:フェデ・アルバレス(原案)、ロド・サヤゲス(原案)、クリス・トーマス・デブリン
製作会社:レジェンダリー・ピクチャーズ、グッド・ユニバース

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