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【配信エンタ】『ガス人間』この夏、熱気で“期待”が膨張中。あの怪人が現代日本に蘇る!

この映画は、つまり―
  • 『ガス人間第一号』のリブートドラマ
  • 『新感染』のヨン・サンホ監督が紡ぐ現代日本とサブカルチャー
  • 話の脱線までも楽しい

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◆配信中の注目作

『ガス人間』
配信先:Netflix

文:屋我 平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

ヒューマンガス様役のケル・ニルソンが亡くなった。ヒューマンガス様とはもちろん、『マッドマックス2』に悪役として登場するあのムキムキ鉄仮面のことである。シリーズファンからも人気の高いカリスマ溢れるキャラクターで、『ワイルド・スピード』より20年も前に亜酸化窒素ガスによる爆加速の末派手に散った正真正銘のガス人間だ。ケルソン自身は長らく腎臓病を患っていたようだが、最期の数日は同役への感謝等を語り心穏やかなものであったらしい。RIP。ちなみに、「ヒューマンガス(Humungus)」とは「ヒューマン・ガス」ではなく「とてつもなくデカい」という意味の「humongous」のスペル違いであって、今回紹介するNETFLIXのドラマシリーズ『ガス人間』とは何一つ関係ない。

さて、こちらの『ガス人間』はオーストラリアではなく、日韓共同で制作されている。舞台は現代になっているものの、タイトルやタイトルロゴからどことなくレトロさを感じられるのは、オリジナルが『ゴジラ』の本多猪四郎監督による1960年の作品『ガス人間第一号』だからだ。配信でも見られるが、先述した時代設定の変更をはじめとした改変が多く、特に押さえていなくとも支障はないだろう。軽く触れておくと、身体を気体に変化させ自由自在に操る怪人ガス人間を男性警官と女性記者のコンビが追いかけていく大枠のストーリーは同じだ。しかしオリジナルは、特殊能力以外を持たざる人間であるガス人間の悲哀を中心に描いていたと言えるだろう。本シリーズは、ガス人間の凶行に振り回される周囲の人間の群像劇であり、やはり悲しきものなのか否か、闇の真相に迫っていくサスペンスになっている。

早い話、本シリーズは派手だ。オリジナルでガス人間の被害者は窒息死させられたが、今回は爆死(被害者役は今年1月に亡くなったモーリー・ロバートソンである。RIP)。蒼井優演じる記者・京子の番組の生放送中、ゲストの体内に入り込んだガス人間の仕業により、連続殺人の開始を告げる赤い花火が打ち上がる。捜査には、京子とかつて恋人関係であった謹慎中の刑事・賢治があたることになるが、徐々に事件には謎の施設やヤクザが関係していることが明らかになっていき……。白組によるVFXをふんだんに使用した“ガスアクション”シーンは目まぐるしく、景気の良いカーチェイスでも目を楽しませてくれる。

日韓共同ということで、キャストだけでなくスタッフも豪華だ。監督は『ガンニバル』の片山慎三で、脚本を務めるのは『新感染 ファイナル・エクスプレス』でよく知られているヨン・サンホ。サンホはこれまでも複数回NETFLIX作品を撮っており、ドラマシリーズとしてはやはり日本原作の『寄生獣 -ザ・グレイ-』も監督していた。舞台を韓国に移していた同シリーズと違い、現代の日本にガス人間を蘇らせた本作では、先述のヤクザや働く外国人、アングラなアイドル、底辺YouTuberなど様々な要素をごった煮にしながら、もやがかかって先の見えない物語が紡がれていく。個人的には、一見本筋から離れているようにも見える林遣都と広瀬すず演じる兄妹オカルトYouTuberのパートが気に入った。こってりキモカワオタクである兄と、生まれつきの顔のアザにより内向的になってしまった妹の関係性にほろりと来る。特に、広瀬すずの陰キャ演技が良い。

凝ったカメラワークも数多く拝め、良い意味で日本のドラマらしくない。韓国の味を感じさせる容赦のない展開も時折顔を出し、気合いの入ったエンターテインメント作品になっている。一気見するなら、盛り上がっているこの空気が霧散してしまう前に。

 

Netflixシリーズ『ガス人間』
Netflixにて2026年7月2日(木)世界独占配信(全8話一挙配信)

【ストーリー】
ある日、“ガス人間”を名乗る男が連続爆破殺人を予告し、世間はパニックに。記者と刑事が真相に迫るなか、社会を牛耳る強大な黒幕組織“無風”の存在が明らかになり、彼らはその権力に立ち向かう。

キャスト:小栗旬、蒼井優、広瀬すず、林遣都、UTA、竹野内豊
原作:『ガス人間第一号』(監督:本多猪四郎/脚本:木村武)
監督:片山慎三
脚本:ヨン・サンホ、リュ・ヨンジェ
エグゼクティブ・プロデューサー:ヨン・サンホ、市川南、大田圭二、臼井央、佐藤善宏(Netflix)
企画・プロデュース:馮年、呉良次
プロデューサー:小野田壮吉、ヤン・ユミン
企画:山内章弘
VFX:白組
VFXスーパーバイザー:髙橋正紀、新堀巧
企画・製作:東宝
共同企画・制作:WOWPOINT
制作プロダクション:TOHOスタジオ

 

★配信エンタの過去記事はこちら

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『コンパニオン』運命を、“愛”を超えろ。真の“わたし(I)”になるために。

『室町無頼』これは時代劇の皮をかぶったアウトローたちの生存劇だ!

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