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『ヘル・レイザー』(2022) 肉体改造は最高の快楽。グロ美しいあのカルトホラーが、再び異世界より召喚される。

この映画は、つまり―
  • 唯一無二(?)のSMホラー『ヘル・レイザー』のリブート作品
  • ピンヘッド役俳優の性別変更がありながら、異質すぎる世界観は健在!
  • きたない は きれい

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◆配信中の注目作

『ヘル・レイザー』(2022) 

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文:屋我 平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

かつて、痒みは弱い痛みであると考えられていた。今では、痒みと痛みは別の感覚であることが研究によって明らかになっているらしいが、痛みを与えると痒みが一時的に和らぐのは確かなようだ。痒みが解消されると何とも言えない気持ち良さがある。筆者は痛いのが非常に嫌いだが痒い部分を掻きすぎると良くないので、中々治まらない痒みに対しては叩くなどして、あえて痛みで対抗する。痛みは、気持ち良い。

そして、そう考えるのは異次元の怪人たちも同じようだ。クライヴ・バーカー原作で、バーカー自身が映画化した1987年のオリジナル版『ヘル・レイザー』では、解くと究極の快楽が得られるパズルボックス「ルマルシャンの箱」と、それに関わる者たちの前に現れる“魔道士(セノバイト)”の姿が描かれた。身も蓋もない言い方になるが、『ヘル・レイザー』はSMホラーである。セノバイトがもたらす快楽とは苦痛であり、パズルを完成させた者はセノバイトの世界に連れ去られ、針で皮膚を裂かれたりフックで肉を吊られたりとありとあらゆる拷問(プレイ?)を受ける。快感の理由は脳内麻薬か、生の実感か、二度と元の体に戻れない背徳感か…とにかく、ある人にとってセノバイトは天使、またある人にとっては悪魔。変態ここに極まれリといったような内容だ。

ところが、セノバイトはじめ本作のビジュアル面が特徴的すぎるあまり、様々な作品に影響を与えてもいる。セノバイトのひとり、顔がぐちゃぐちゃでむき出しの歯を常にカチカチと鳴らし続けている“チャタラー(おしゃべり)”の衝撃的なルックスは、『バイオハザード』シリーズに登場するネメシスのモデルになっている(チャタラー自体は、『エイリアン』のゼノモーフにインスパイアされている気もする)。また、立体パズルである「千年パズル」が登場する大人気マンガ・カードゲーム『遊☆戯☆王』には「仮面魔獣マスクド・ヘルレイザー」なるモンスターもいるので、もしかしたらこちらも影響を受けているのかもしれない(だとしたら相当退廃的だ)。『ヘル・レイザー』で最も知られているのは、セノバイトのリーダーで顔中に針が突き刺さっている“ピンヘッド”だろう。映画を見ていなくとも、彼を知っている方は多いのではないだろうか。

シリーズ11作目にしてリブート作品となっている本作では、基本設定はそのままに、人間側の登場人物が一新されている。薬物依存症から立ち直ろうとしているライリーが、一攫千金を狙って盗んだお宝がルマルシャンの箱で、誤って箱を起動させてしまったために周りの人間がセノバイトに襲われ始める…というあらすじだ。オリジナル版よりも箱の機能が掘り下げられており、興味深い。正しい形に組み替えると箱の内部から刃が飛び出し、傷つけられた者の血を吸う。その“刻印”を付けられれば、セノバイトに捕まり終わらない拷問を受ける。箱には複数の段階があり、次々にクリアして他者を生贄に捧げ続けることで至上の褒美を得られるらしいが…。

 

オリジナル版でピンヘッドを演じていたのは男性のダグ・ブラッドレイだが、本作ではトランス女性のジェイミー・クレイトンに代わっている(役名は「プリースト」)。とは言え女性的というよりは中性的なビジュアルで、独特な存在感は全く失われていない。やはり、『ヘル・レイザー』シリーズは他のホラー映画と比べても異質だ。ラヴクラフト作品のように、異世界と邂逅している気分になる。あまりに倒錯した世界観にドン引きすること間違いなしだ。しかし、痛みは快楽。この甘美な血の味を知ったなら、もう前のあなたには戻れない…。

【ストーリー】
ある女性が古いパズルボックスを手に入れた。それが残忍な魔物であるセノバイトたちを召喚する道具だとも知らずに…。

【キャスト】
オデッサ・アジオン、ジェイミー・クレイトン、アダム・フェイソン、ドリュー・スターキー 他

【スタッフ】
監督:デヴィッド・ブルックナー

 

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