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『フォールアウト』この世界では倫理なんて口にするには軽すぎる。背負って歩くには重すぎる。それでもこの世界を生き延びろ!

この映画は、つまり―
  • あの大人気ゲームシリーズを実写ドラマ化!
  • え?こっちもノーラン!?
  • 絶望的状況がゆえにもはや希望すら…

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◆配信中の注目作

『フォールアウト』

Prime Videoで視聴する⇒こちら

文:屋我 平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

紆余曲折の末、ようやく日本公開されて2週間が経ったクリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』。公開前から内容と関係ないところで色々と騒がれていたが、実際に鑑賞した方々の意見も割れているようだ。そんな中、同じく核を扱いながらシリアスドラマの『オッペンハイマー』とは真逆のエンターテイメントに振り切ったドラマが配信となった。こちらの方は大人気ゲームシリーズが原作で、残念ながら未プレイの筆者には分からないが、かなり雰囲気を再現しているとのことでファンからも高評価となっている。核戦争後の荒れ果てた世界“ウェイストランド”を舞台にしたアクション・アドベンチャー『フォールアウト』だ。

少々不謹慎ながら、様々な面で『オッペンハイマー』と対照的なのが面白い。まず大きな点として、『フォールアウト』劇中で核が落とされるのは日本ではなくアメリカの方である。第二次世界大戦の時点ではなく、近未来に勃発した核戦争で複数の核弾頭がアメリカに落ち、地上は壊滅。その直前に「Vault(ボルト)」と呼ばれる地下シェルターに逃げ込んだ者たちは生き延び、子孫を増やし200年以上そこで暮らしてきたという設定だ。

 

時代は未来のはずなのに、設備や道具はどこか古めかしいレトロフューチャーの世界観。古さと新しさの融合という部分では、人間そっくりのアンドロイドによって西部劇の世界が再現された遊園地を描いた『ウエストワールド』を思い出す。実は『ウエストワールド』も本シリーズも、クリストファー・ノーランの弟であるジョナサン・ノーランと、その妻でヒュー・ジャックマン主演のSF映画『レミニセンス』を監督したリサ・ジョイが製作しているのだ。ジョナサンは3エピソードで監督も担っており、彼自身の知名度はクリストファーほどではないにせよ兄に勝るとも劣らない魅力的なSF作品を作る才能を持っているのは確かだ。

ゲームの方ではまだ「Fallout 5」の発売日は未定ながら、ショーランナーのひとり、グラハム・ワグナーは(冗談とは言え)本シリーズは「“Fallout 6”のつもりで作った」とインタビューで発言している。舞台となっているのはアメリカが核攻撃されてから219年後の2296年で、ゲームよりも未来の時間軸だ。Vaultのひとつ「Vault 33」が何者かに襲撃されたために、居住者である主人公ルーシーが地上に出ることを決意するところから物語は始まる。ルーシーは比較的まとも(現代の基準からすると少しぶっ飛んではいる)だが、ウェイストランドではもちろん倫理観などとうの昔に崩壊。過激な描写満載、イカれたヤツら満載で、『マッドマックス』とはまた違うヒャッハーな展開が見られる。

核戦争で世界を破滅させてもなお愚行を繰り返す人間のどうしようもなさに絶望するが、裏を返せば、世界が終わっても人間は某昆虫のごとくしぶとく生き延びるのだ。むしろ希望すら抱く。しかし、核は様々な意味で人間を変えてしまう。ルーシーは果たしてこの荒野を生き残れるのだろうか? “人間”のままで。

【ストーリー】
世界の終末から200年後、快適な地下施設に暮らしていたはずの居住者は、地上へと足を踏み入れることになる。そこに待ち受けていたのは衝撃に満ちた世界、ウェイストランドだった。

【キャスト】
エラ・パーネル、アーロン・モーテン、ウォルトン・ゴギンズ 他

【スタッフ】
監督:ジョナサン・ノーラン 他
製作:ジョナサン・ノーラン、リサ・ジョイ 他

 

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