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『シー・ハルク:ザ・アトーニー』その腕力で第四の壁もぶっ壊す!!でもスマートハルクよりスマートな新ヒーロー…の卵が誕生!

この映画は、つまり―
  • ハルクなのかい? 弁護士なのかい? どっちなんだい!(パワー!!)
  • 女性がハルクになる意味
  • マーク・ラファロ演じるハルクのファンも必見! “初めて”その名を冠した作品!?

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◆配信中の注目作

『シー・ハルク:ザ・アトーニー』

ディズニープラスで視聴するこちら

 

文:屋我 平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

先日のコミコンで超重量級の情報スマッシュをかましてきたマーベル。MCUはそろそろ新たな段階を迎えようとしているが、その前にある2作品を忘れてはいけない。ひとつは現フェーズ4最後の作品となる11月11日公開の映画『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』、そしてもうひとつはフェーズ4最後のドラマであるこの『シー・ハルク:ザ・アトーニー』だ。難しいことを考えながら見る必要はない。タイトルの「ザ・アトーニー」が弁護士を指すとさえ知っていれば、「『ザ』じゃなくて『ジ』なんじゃないの」なんて細かいところは気にしないで良い。

新たにMCUに加わるのは、ハルクことブルース・バナーの従姉妹であるジェニファー・ウォルターズ(ジェン)だ。ブルースと血を分けた関係とは言え、ハルクの能力は後天的なものなのでジェンはただの超人法専門の弁護士だったのだが、偶然物理的に血を分けられたことによってスーパーパワーに目覚める。大抵の人はここで狂喜乱舞するところだが、学生ローンを組んで法学の学位を取ったジェンにとっては非常に迷惑な事態なのだ。彼女はブルースからハルクと呼ばれる度に弁護士だと訂正する。本作のタイトルすらそうだ。「ハルク」の後には「ザ・アトーニー」がついている。

だが、やはり「大いなる力には大いなる責任が伴う」のだ。法に精通しているジェンは悔しくも同意せざるを得ないだろう。かくして彼女は、マスター・ヨーダならぬマスター・ハルクから教えを受け、変身のトリガーである怒りのコントロール法を学ぶことになる。ハルクの姿ではほぼ無敵のため、かなりムチャな特訓が可能だ。ブルースには現在怪力とともに天才的頭脳が備わっているはずなのだが、特訓方法が脳筋でコミカルで、実に笑わせてくれる。その上、よくできた弟子はその怪力で(?)第四の壁をもぶっ壊し、視聴者に話しかけてきてしまうのだ。

普通のオリジンストーリーでは、師匠との圧倒的な差に打ちのめされたりするものだが、本作は一味違って、ジェンはブルースが何年もかけて辿り着いた場所にすでに立っている。女性は普段から男たちの言動に怒りを覚えながらも、それを押し殺して生きているからだ。ジェンには、ブルースの教示はマンスプレイニング(男性による偉そうな解説)にも感じられてしまう。しかし、ブルースの方にも他人に共有できず押し殺してきた思いがあったのだ…。劇中のみならず、MCUを俯瞰しての意味でも。

ハルクファンの方々は、MCUに対して物足りない気持ちがあったのではないか? ハルクだけは、アベンジャーズのメンバーの中で唯一、その名を冠した映画・ドラマが作られていないヒーローだったからだ。いや、正確にはMCU第2作目として作られた『インクレディブル・ハルク』(2008)があるのだが、同作でハルクを演じたのは『ファイト・クラブ』のエドワード・ノートンだった。その後バトンタッチし、『アベンジャーズ』(2012)から現在までチャーミングさをもって演じているマーク・ラファロのハルクを大々的にフィーチャーした作品はなかったのだ。

本作はシー・ハルクの物語であると同時に、ハルクの物語でもある。と同時に、弁護士ドラマでもある(とジェンは言っている)。膨大な作品を発表しているマーベルは、常に新作には新要素を入れてくる。劇中でジェンがトライするのは弁証法的行動療法だ。弁証法とは、主張Aと主張Bをぶつけ、両方をブラッシュアップさせた主張Cを生み出すプロセス。ブルースとジェンがぶつかり合ってシー・ハルクへ至る、単なるヒーロードラマでも弁護士ドラマでもない新次元のドラマになると期待したい。

【ストーリー】
超人関連の訴訟を専門とする弁護士のジェニファー・ウォルターズが、30代の独身として、そしてスーパーパワーを持つ身長2メートルの緑色のハルクとして、悩みながらも人生を切り開いていく。

【キャスト】
タチアナ・マスラニー、マーク・ラファロ、ジンジャー・ゴンザーガ、ジャミーラ・ジャミル、ティム・ロス、ベネディクト・ウォン 他

【スタッフ】
監督:カット・コイロ 他

 (c) 2022 Marvel

 

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