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『ドミノ』裏の裏の裏の裏は表か裏か?狼少年レベルの嘘つき映画にあなたはついて来られるか!?

この映画は、つまり―
  • ロバート・ロドリゲスがクリストファー・ノーランのような映画を撮ったら…
  • どんでん返ししかない映画!?
  • 裏切るのは観客の予想か、それとも期待か

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『ドミノ』

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文:屋我 平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

映画好きが一度は通るであろう道、それは「どんでん返し至上主義」。かくいう筆者も、映画に対し他人よりも強い興味を持ち始めた頃にどんでん返しがすごい映画のランキングを検索し、リストアップされている作品を片っ端から見まくった時期があった。『シックスセンス』『ユージュアル・サスペクツ』『ソウ』『エスター』…などなど。よく考えれば事前に「どんでん返しがある」と知っていると、途中で死んだはずのキャラが後に復活すると気づくおそれがあるので、ある意味ネタバレを食らっているのと同じなのだが、終盤でこれまでの展開がひっくり返るあのカタルシスにはどうしても抗えない。たまに、どんでん返しに主眼を置きすぎて全体のバランスがおかしくなっている映画もある。『ドミノ』もそんな懐かしい香りのする作品だった。

本作では、『Hypnotic』という原題の通り催眠術がフィーチャーされている。劇中では「ヒプノティック」なるテクニックと催眠術は違うものと説明されているが、早い話が通常の催眠術よりずっと強力な…はっきり言って超能力であるらしい。ヒプノティックの力を使えば、相手にどんな命令でも聞かせることができる。某アニメの主人公のように「死ね!」と命ずれば、相手は握っている銃で自殺する。つまり、本作はミステリーとかサスペンスというよりもはやSFなのだ。線路がぐにゃりと空に向かって折れ曲がる、クリストファー・ノーラン監督の『インセプション』を彷彿とさせる幻覚シーンもある。ところがヒプノティックを発動する際は、CGでエフェクトが出るなどの分かりやすい演出が特にない。そのため、なかなかシュールな絵面が多い。

ベン・アフレック演じる主人公のダニー・ローク刑事は、数年前に娘が目の前で失踪したことにトラウマを抱えている。失意の中仕事に復帰すると、ある日ヒプノティックを用いて銀行強盗を働く男が現れる。ロークが先回りして貸金庫の中身を調べると、なぜか知らない人物の名前が書かれた娘の写真が入っており、…これが本作のミステリアスな冒頭だ。この写真で思い出すのはやはりノーランの『メメント』だが、ロバート・ロドリゲス監督は今回とにかく話をひっくり返すことに異常にこだわっている。そもそもの話を忘れそうになるレベルだ。

ヒプノティックにかけられると、術者が見せたい幻覚世界に否応なしに放り込まれる。このギミックは映画と非常に相性が良い。ロークだけでなく、そもそも映画において、観客には画面に映っているものは真実に見える(だから漫画と比べてメタファーに気づきにくい)。しかし実際、その限定的に提示される情報は監督によってコントロールされている。フィクションだから、ということ以前に、映画は嘘をつくものなのだ。映画の虚構性をいつもテーマにしているのがノーランであり、どんでん返しのサプライズはまさに彼が『プレステージ』で取り上げた手品に通ずる。ロドリゲスがあまりに話をひっくり返すので、観客は予想を裏切られ歓喜する者と期待を裏切られ激怒する者に二分されるだろう。しかし、ここまでツイストに特化した映画もそうそうないので、これはこれで貴重な体験になるはずだ。エンドクレジットまでお見逃しなく。

【ストーリー】
刑事:ダニー・ロークは、最愛の娘の行方不明に、心身のバランスを崩しているが、正気を保つために仕事に復帰。そんな彼のもとに、銀行強盗の予告のタレコミが入る。現場で不可解な動きをする容疑者が、娘の行方に関与している手がかりを見つけたロークは、ふたりの警官を伴って屋上まで男を追い詰めるも、警官は突然暗示をかけられたようになってお互いを撃ち殺し、男は屋上から飛び降り姿を消す。決して捕まえられない男を追い、現実と見紛う〈世界〉に踏み込み追い詰められていくロークはやがてー。

【キャスト】
ベン・アフレック、アリシー・ブラガ、ウィリアム・フィクナー、J・D・パルド、ダイオ・オケニイ、ジャッキー・アール・ヘイリー 他

【スタッフ】
監督:ロバート・ロドリゲス
脚本:ロバート・ロドリゲス、マックス・ボレンスタイン
製作:ロバート・ロドリゲス 他

 

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