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『エノーラ・ホームズの事件簿2』あの“迷”探偵がカムバック!どんな謎も壁もブチ破る!

この映画は、つまり―
  • 軽快でポップな探偵コメディ第2弾!
  • 第四の壁を破りまくるエノーラがキュート!
  • 謎解きシーンにもウィットがたっぷり

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◆配信中の注目作

『エノーラ・ホームズの事件簿2』(2022)

Netflixで視聴するこちら

文:屋我 平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

「ホームズ」と聞いたら誰を思い出すだろうか? トム・クルーズの元妻であるケイティ・ホームズ? はたまた、世界的名探偵のシャーロック・ホームズ? いやいや、そこはやはりシャーロックの年の離れた妹エノーラ・ホームズだろう。シャーロックにきょうだいがいたのかと思う方もしれないので言っておくと、まず兄のマイクロフトがいる。これは作者のアーサー・コナン・ドイルによる設定だが、エノーラはナンシー・スプリンガーという別の作家によるオリジナルキャラクターだ。本作はその映画化の第2弾であるわけだが、ここではシャーロックはもう脇役にすぎない。視聴者はエノーラをこそ見たくなるのだ。

エノーラはホームズ家の一員らしく頭が切れ好奇心旺盛だがおてんばで、シャーロックと比べるとまだまだ幼く経験も足りない。前作でひとつ事件を解決したため、本作で本格的に探偵として活動し始めるが、依頼がなさすぎて廃業寸前。色々と危なっかしいままだ。エノーラはマーベルキャラクターのデッドプールのように、何度も観客に直接話しかけてくる。いわゆる「第四の壁を破る」という演出だ。この手法が大人未満、自意識過剰なエノーラに非常にマッチしていて、彼女に強い親近感を抱かせる助けになっている。ついでにエノーラは、サフラジェット(婦人参政権運動家)の母親に育てられただけあって、女性を阻む社会の壁もブチ破りながら爆進、もとい驀進していく。

今回エノーラのもとに舞い込んできたたったひとつの依頼は、人探し。…のはずが、手がかりを追う内に殺人事件に遭遇したり、その容疑者として追われたりと、ジェットコースターのように展開する。前作の事件で相棒となった青年テュークスベリーも合流し、再び仲良く犯人に命を狙われる。ミステリーとスリル、ドタバタコメディが同居していて、落ち着かなくも楽しいテイストは前作からそのまま引き継がれている。本シリーズではアナグラム(文字の並び替え)が度々登場する。例えば、「Clint Eastwood(クリント・イーストウッド)」→「Old West Action(古き西部のアクション)」のような感じだ。それを意識して見るとより面白いかもしれない。

謎解き部分は難解にならないよう、分かりやすくもウィットに富んだセンスの良い見せ方をしてくれるので、安楽椅子探偵気分で楽しむことができるだろう。本作には前作に登場したマイクロフトが出てこない代わりに、ホームズ作品でお馴染みのアノ人たちが登場する。第3弾を匂わせるように終わるので、ぜひ同じ探偵ものの『ナイブズ・アウト』シリーズのライバルとなっていってほしい。

【ストーリー】
探偵として初めて正式な仕事の依頼を受けて、張り切るエノーラ。だが失踪した少女にまつわる謎を解くためには、仲間だけでなく兄シャーロックの助けが必要になる。

【キャスト】
ミリー・ボビー・ブラウン、ヘンリー・カヴィル、デヴィッド・シューリス、ルイス・パートリッジ、ヘレナ・ボナム=カーター 他

【スタッフ】
監督:ハリー・ブラッドビア
脚本:ハリー・ブラッドビア、ジャック・ソーン

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