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『タッカンジョン』「“チキン”と呼ぶな」?しょうがないじゃん。だってどう見てもチキンなんだもん。

この映画は、つまり―
  • 『エクストリーム・ジョブ』監督による、今年最もクレイジーな韓国産ナンセンスコメディ!
  • しかし原作完全再現!?
  • 本当に好きなら見た目はどうでも良い……ってコト!?

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◆配信中の注目作

『タッカンジョン』

Netflixで視聴する⇒こちら

文:屋我 平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

何だこれは。今年イチ訳の分からないドラマが誕生してしまった。少なくとも、筆者が鑑賞済みの2話までの時点では、話がどこに転んでいくのか全く読めない。そもそも、なぜこんな話を思いついたのか理解に苦しむ。とにかく、順を追って説明していこう。

本作の基本設定自体に難しい部分は何もない。社員が3人しかいない小さな会社「モドゥン機械」を舞台にしたハチャメチャなドタバタコメディだ。ところ構わず歌い出す空気の読めないインターンのベクジュンは、チェ社長の娘で美しいミナに想いを寄せている。ある日、電話ボックス大の謎の機械が会社に届き、ミナも差し入れにとタッカンジョン(甘辛だれがかかった鶏の唐揚げ)を持って会社にやってくる。ミナが興味本位で機械に入ると電気も通じていないはずなのになぜか作動、ベクジュンが落としたタッカンジョンを見て思わず「あっ、タッカンジョン」と口走った次の瞬間、煙とともにミナの姿は消えていた。いや違う。視線の下に何かある。中に残されていたのは、ベクジュンが落としたのと見分けがつかない1個のタッカンジョン。そう、ミナはタッカンジョンと化してしまったのだ――! ……って、はあっ!?

22世紀の某猫型ロボットのポケットにも、さすがに人をタッカンジョンに変える道具は入っていないだろう(日本でリメイクしたら、憧れの人が寿司になるのだろうか?)。機械は口にしたもの、何にでも変身させてくれる魔法のアイテムだったのかもしれないが、物言う花だったミナは「あっ、タッカンジョン」を最後に物言わぬ唐揚げとなった。ベクジュンとチェ社長は視聴者以上に混乱しながらも、機械の正体とミナを人間に戻す方法……そしてそれ以前に、わちゃわちゃしている最中に他のタッカンジョンと混ざってしまったミナタッカンジョンを探し出そうとする……!

聞けば聞くほどどうかしている。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のマーティ・マクフライでも、さすがにミナと同じ状況になったら「チキン(臆病者)」と呼ばれても怒れないだろう。例え怒ったとしても伝わらないし怖くないが。監督のイ・ビョンホン(おなじみのあの俳優とは別人)は、麻薬捜査班が潜伏捜査のカモフラージュとしてフライドチキン屋を始めるが、チキンが美味すぎて大繁盛し捜査そっちのけになっていく痛快コメディ『エクストリーム・ジョブ』を手がけた人物だ。それを考えれば本作がこうなるのも納得でき……、いやいや、チキン屋がチキンそのものになってどうする。一応彼の名誉(?)のために言っておくと、本作は韓国の縦スクロール型Webマンガ「ウェブトゥーン」の原作をドラマ化したものだが、元がゆる~い絵なのにモドゥン機械のキャスト3名は外見がそのまますぎて笑える(ミナは超絶美化)。

少し真面目に話すなら、1話の時点でベクジュンが美しいミナに惚れていたり、ミナがイケメン好きのためベクジュンはアウトオブ眼中なのが明らかにされていたり、整形の話が出てくるので、ルッキズムがある程度テーマになっているのではないかと予想する。本当に好きなら見た目なんか関係ない……というメッセージなのか? それとも、そんなことを考えるだけムダなどこまでもシュールでポップなマンガ的コメディなのか? ダメだ、理解できたら発狂してしまう気がする。何にせよ、今後ミナタッカンジョンがヤンニョムチキンに紛れる展開があったらもうおしまいだ!

【ストーリー】
不思議な機械に足を踏み入れた女性が、なんとタッカンジョンに変身!? 娘を人間に戻したい父親は、彼女に想いを寄せる男とともに奇妙な大冒険に乗り出す。

【キャスト】
リュ・スンリョン、アン・ジェホン、キム・ユジョン 他

【スタッフ】
監督:イ・ビョンホン

 

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