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『タイラー・レイク -命の奪還-2』ストーリーよりアクション重視ならこれしかない! クリス・ヘムズワースが配信アクションの限界を再びブッ壊す!

この映画は、つまり―
  • ルッソ兄弟プロデュース!『ジョン・ウィック』にも負けない配信アクション!
  • クリヘムのアクションが見たいなら、マーベルより断然こっち!
  • マーベル組のあの人たちが嬉しい出演!

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◆配信中の注目作

『タイラー・レイク -命の奪還-2』

Netflixで視聴するこちら

文:屋我 平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

配信作品の強みは、いつでもどこでも見れるところだ。アクション映画であれば、どうしてもスマホやPCといった小さな画面でなく大スクリーンで見たくなるものだが、クオリティ自体は劇場公開作品と遜色ないものも増えてきた。配信アクションが充実してきた背景には、『アベンジャーズ/エンドゲーム』などのアンソニー&ジョー・ルッソ兄弟の貢献も大きいだろう。『グレイマン』といった超大作配信作品を監督するだけでなく、プロデューサーや製作総指揮としていくつかのアクション作品に関わっている。例えば、Amazon Prime Videoのドラマシリーズ『シタデル』、そしてNetflixの『タイラー・レイク -命の奪還-』シリーズだ。

主人公の傭兵タイラー・レイクは前作でも本作でも、どう考えても死ぬとしか思えない超高難度の救出ミッションに挑む。彼は過去、幼い病気の息子に正面から向き合えず、任務に逃避したために最期を看取れなかったことを悔やんでいる。それからは生きる気力をなくし、いつ死んでも良いという自暴自棄な気持ちで戦場に赴いているのだ。だが、前作では保護対象となるインドの麻薬王の息子と心を通わせ、しっかりと守りきった。自分の命を代償に…、というところでエンディングを迎えたが、2作目がある時点でネタバレも何もないので言ってしまうとレイクはギリギリ生きていた。大怪我で引退も考えたが、元妻の頼みで義妹母子を守るため再び死闘に身を投じていく。

本シリーズを構成するのは、リアルでシリアスなアクションのつるべ打ちだ。ストーリーもあるにはあるが、正直アクション8:ストーリー2くらいの割合である。上記の設定さえ把握しておけば、前作を見ていなくても楽しめるだろう。もうアクション映画ファンの目は、『ジョン・ウィック』や『アトミック・ブロンド』などのせいで相当肥えているだろうが、本シリーズのハードなアクションは全く見劣りしていない。必要以上にはバイオレンスではなく、しかししっかりと痛みを感じる戦闘を堪能できる。その場にある道具を使いながら即興的に戦っているようなファイトあり、気を抜けばどこからともなく飛んでくる銃弾に撃ち抜かれるような緊迫感あふれるガンアクションあり、どうやって撮影しているのか分からない至近距離での長回しカーアクションあり、何でもありだ。

本シリーズで監督デビューしたサム・ハーグレイヴはスタントマン・スタントコーディネーターでもあり、『アトミック・ブロンド』にも出演しこれまでルッソ兄弟とも何度か組んできた人物で、アクションにかける気合いがこれでもかと言うほど伝わってくる。原題の「エクストラクション」は「抽出、抜き出すこと」を意味するが、「抽出物」を指す「エキス」という語はここから来ている。まさに、アクションのエキスを煮詰めたような作品だ。レイクを演じるのはマーベルの雷神ソー役で知られるクリス・ヘムズワース。彼の見事な肉体を使った見ごたえのあるアクションが見たいなら、マーベルよりこちらを選ぶべきだろう。

とは言え、脇役でマーベル組の俳優が登場するのは嬉しい。前作ではレッド・ガーディアン役のデヴィッド・ハーバーが出ていたが、本作ではタスクマスター役のオルガ・キュリレンコと、『マイティ・ソー』シリーズでヘムズワースと共演しているヘイムダル役のイドリス・エルバが顔を見せてくれる。詳しくは言わないが、さらなる続編を作れそうなエンディングなので、そのまま続いてくれれば良作アクションとして地位を確立するシリーズになるのではないだろうか。

【ストーリー】
銃弾を撃ち込まれ、血まみれのひん死状態。そこから辛くも生還した極秘任務工作員タイラー・レイクは、自らのつらい過去と関わりのある仕事に再び生死をかけて飛び込んでいく。

【キャスト】
クリス・ヘムズワース、ゴルシフテ・ファラハニ、トルニケ・ゴグリキアーニ、アダム・ベッサ、ティナティン・ダラキシュヴィリ、イドリス・エルバ、オルガ・キュリレンコ 他

【スタッフ】
監督:サム・ハーグレイヴ
脚本:ジョー・ルッソ
製作:アンソニー&ジョー・ルッソ、クリス・ヘムズワース 他

 

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