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『犯罪都市 THE ROUNDUP』卑劣な悪党どもを叩き潰せ!ビンタで世界を救う男、マ・ドンソクが再び立ち上がる!

◆今週公開の注目作

『犯罪都市 THE ROUNDUP』

 

文:屋我平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

現在、映画の世界において最強の男はアーノルド・シュワルツェネッガーでもシルベスター・スタローンでもジャン=クロード・バン・ダムでもない。ブラッド・ピットでもドウェイン・ジョンソンでもジェイソン・ステイサムでもない。韓国系アメリカ人俳優のマ・ドンソクだ! 先述の筋肉スターたちのように均整の取れたボディをしているわけではないのだが、空気満タンでパンパンに膨れているようにデカく、しかししっかりずっしりしていそうな体には目を見張るものがある。腕周りは50cm超と言われており、細い女性のウエストと同レベル(これが本当の「両手に花」か?)。本作『犯罪都市 THE ROUNDUP』は、そんな彼が2017年に出演したクライム(・コメディ)ドラマ『犯罪都市』の超待望の続編だ。

ホラーとコメディの相性が意外に良いように、多くの韓国映画にはバイオレンスアクションとコメディが仲良く同居している。本シリーズでは、反対方向に極度に振り切ったその2つの要素をブレンドしているにもかかわらず、破綻することがない。痛快だ。文字通り「痛」「快」の繰り返しなのだ。マ・ドンソク演じる刑事サイドのやり取りは完全に爆笑コメディになっている。時にその中に混じってくる暴力団のボスたちもマ・ドンソクに逆らえないし、ボスたちの顔がことごとくお笑いコンビ・バイきんぐの小峠や、モノマネタレントのコロッケ、元お笑いタレントの星田英利などにそっくりだったりするので、本当にコントにしか見えない。

それでいて、悪党どもが本領発揮した時の残虐さもきっちり表現されている(ど突き合いはナイフで行う)。脱線するギリギリのスピードで走り続ける列車のような奇跡的なバランスを保っており、やりすぎなまでに「韓国映画」らしいのだ。まさに、強面に見えてクマさんのような愛嬌を併せ持ち、名前と「ラブリー」を合体させた「マブリー」の愛称で親しまれているマ・ドンソクその人をそのまま映画にしたような作風だ。故に、彼なしでは本シリーズは成立し得ない。マブリーはマーベル映画『エターナルズ』で、殺人的なパワーのビンタを繰り出すスーパーヒーローを演じていた。だが本シリーズを見れば、それが全く映画的な誇張ではなかったと分かる。闘魂注入ビンタをかますと、相手は誰も彼も元気ではなくなるからだ。

 

韓国でも幅を利かせ始めた中国マフィアと警察との死闘を国内規模で描いていた前作からパンプアップし、本作ではベトナムまで足を伸ばす。前作にはなかったマブリーキックも飛び出すぞ! 例えアウェーだろうとも、人を人とも思わない殺人鬼が相手でも、やることは変わらない。相手が獣なら、こちらはクマなのだ! 悪党どもを即ROUNDUP(=一網打尽)! すぐに切り上げ腹を満たしに行くだけだ! お疲れい!

【あらすじ】
怪物刑事マ・ソクト(マ・ドンソク)が所属する衿川(クムチョン)署の強行犯係は、ベトナムへ逃亡した容疑者を引き取りに行く任務を与えられる。怪物刑事マ・ソクト(マ・ドンソク)とチョン・イルマン(チェ・グィファ)班長は、現地の容疑者から怪しい気配を感じ、秘密裏に異国での捜査を開始した。すると、背後に残忍な凶悪犯罪を繰り返すカン・ヘサン(ソン・ソック)が存在することを知る。マ・ソクトと衿川署の強力班は、韓国とベトナムを行き来しながら歴代級の犯罪を引き起こすカン・ヘサンを本格的に追い始めるが…。

主演・プロデュース:マ・ドンソク
出演:ソン・ソック、チェ・グィファ、パク・チファン ほか 
監督:イ・サンヨン
配給:HIAN

公式HP:hanzaitoshi.jp
公式Twitter:@hanzaitoshi

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2022年11月3日(木・祝)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開!

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