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『マクベス』ジョエル・コーエン初の単独監督作品!大晦日はシェイクスピア四大悲劇で映画納め!

◆今週公開の注目作
『マクベス』

文:大西D(ヒカセン兼業ライター)

シェイクスピアの同名戯曲の映画化である本作。まぁ「マクベス」自体はオーソン・ウェルズを始め多くの映画監督が映画化をしてきているし、黒澤明も『蜘蛛巣城』として映像化している。今回この映画の監督を務めたのはジョエル・コーエンだ。言わずと知れたコーエン兄弟の兄である。いつもならその紹介だけで済むのだが、今回は事情が違う。

今回はコーエン兄弟が監督というわけではない。本作の監督はジョエル・コーエンただ一人だ。『ファーゴ』や『ノーカントリー』など数多くの名作映画を弟のイーサンと共に世に放ってきたジョエルだが、初めて一人での監督作品となる。そんな本作に出演するのはフランシス・マクドーマンドとデンゼル・ワシントンという、誰が観ても安心できる二大俳優。ちなみにフランシス・マクドーマンドはジョエルの妻であり、本作にもプロデューサーとして名を連ねている。

先述の通り、シェイクスピア四大悲劇の一つである「マクベス」はこれまでに何度も映像化されている。ジョエル・コーエンは本作をモノクロ&スタンダード映像で描くことを決断。謀略、暗殺、復讐と言った暗いテーマが描かれている「マクベス」という物語を淡々と、しかし強烈なインパクトをもって描いている。

実力派キャストの共演も見逃せない。アカデミー賞主演女優賞を三度受賞しているフランシス・マクドーマンドはもちろんだが、何と言ってもデンゼル・ワシントンである。実は彼は過去に舞台で「リチャード3世」や「オセロー」といった同じ四大悲劇の出演経験がある。他にも「コリオレイナス」や「ジュリアス・シーザー」にも出演するなど、実はシェイクスピア俳優という側面を持っている。もうこれは安心感抜群だ。同じくシェイクスピア劇に数多く出演し、本作では魔女役で強烈なインパクトを残しているキャサリン・ハンターの怪演も見逃せない。

ジョエル・コーエン単独監督作品、フランシス・マクドーマンドとデンゼル・ワシントンの共演という映画ファンとしては見逃せない要素満載のこの映画。しかも公開日は12月31日。大晦日に、劇場でシェイクスピア映画を観るというのはこの先も中々できない経験かも知れない。一年の映画納めに是非観て頂きたい。


【ストーリー】
シェイクスピアの4大悲劇のひとつとして知られる「マクベス」は、魔女の予言によって野心をかきたてられたスコットランドの将軍マクベスが、主君を殺して王位に就いたものの、内外からの重圧に耐えきれず、暴政によって次々と罪を犯していく姿を描いた物語。

【キャスト】
デンゼル・ワシントン、フランシス・マクドーマンド、ブレンダン・グリーソン、キャサリン・ハンターほか

【スタッフ】
監督・脚本・製作:ジョエル・コーエン

公式サイト

画像提供 Apple TV+

12月31日(金)公開

 

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