MOVIE MARBIE

業界初、映画バイラルメディア登場!MOVIE MARBIE(ムービーマービー)は世界中の映画のネタが満載なメディアです。映画のネタをみんなでシェアして一日をハッピーにしちゃおう。

検索

閉じる

『ハロウィン KILLS』ハロウィンには“再会”が付き物。その相手がいかに悪しき存在であろうとも…。

◆今週公開の注目作 
『ハロウィン KILLS』

 

文:屋我平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

祝日はお好きだろうか? ウキウキする響きだが、そんな日にも“お仕事”をしている人たちがいる。ホラー映画の殺人鬼たちだ。ホリデイ・ホラーというジャンルがあるぐらいで、これまでにありとあらゆるイベントがホラー映画の餌食になった。クリスマス(『暗闇にベルが鳴る』)、バレンタインデー(『血のバレンタイン』)…。昨年公開された、夏至祭がテーマの『ミッドサマー』も。ホラー映画は往々にして「リア充爆発しろ」精神で作られているので、大抵楽しそうなイベントは殺人鬼によって台無しにされる。来たる10月31日、ハロウィンもそうだ。

『ハロウィン』シリーズは『ハロウィン KILLS』までに10作品もある。記念すべき1978年の1作目『ハロウィン』から始まった流れは8作目まで続いた。2007年のリメイク版『ハロウィン』は2作目まで。そして、1978版以外を全てなかったことにした1978版の直接の続編で、40年後を舞台にしたのが2018年版『ハロウィン』だ。非常にややこしいが、とにかく本作を観る上で予習の必要があるのは1978年版と2018年版の2本だけ。お節介ついでにシリーズファンに向けて一応言っておくと、「ローリーがマイケルの妹」という設定は『ハロウィンII』で付け足されたものなので、今回のシリーズには(少なくとも今のところ)関係ない。

ところで、『ターミネーター』シリーズのファンはいるだろうか? 実は、『ハロウィン』と『ターミネーター』には多くの共通点がある。最新作『ターミネーター:ニュー・フェイト』は『ターミネーター3』以降の作品をなかったことにして『ターミネーター2』の約25年後を描いた直接の続編だ。
それを踏まえた上で、これまでの『ハロウィン』のストーリーを振り返ってみよう。1978年版では、主人公ローリーが殺人鬼マイケル・マイヤーズに襲われるが辛くも生き残る。2018年版では、精神科病院から別施設への移送中に脱走したマイケルが殺し損ねたローリーを付け狙う(ターミネーターとサラ・コナーの関係のようだ)。ローリーには幼少期に戦いの術を叩き込んだ娘カレンと可愛い孫娘アリソンがいるが、マイケル脱走前から「絶対に私を殺しに来る」と言い続けているのでおかしな人だと思われている(サラも息子ジョンに来たるべき核戦争の脅威について訴えていたが、やはり危ない人だと思われていた)。そしてどちらの不安も的中してしまう。だが、ローリーはマイケルの襲来を単に恐れていたのではない。サラのように対決する覚悟を決めていたのだ。…マイケルの顔はほとんど映らないし、喋らない。殺人を楽しむような“普通”の殺人鬼らしい描写もなく、どれだけ傷を負わせても死なない。エンドクレジットで役名は「ザ・シェイプ(The Shape)」と表記されており、作中では「ブギーマン」と呼ばれている。ブギーマンとは恐怖が形を成した怪物を指す。マイケルは人の形(シェイプ)をしているが、人間を始末(ターミネート)するためだけの存在なのだ。ターミネーターは溶鉱炉に沈めて破壊できたが、“始末”の悪いことに、マイケルはローリーが燃え盛る家に閉じ込めても倒せなかった。今回の『ハロウィン KILLS』はその直後から物語が始まる。

過去の恐怖を忘れられないハドンフィールドの住民は、総出で復活したヤツを迎え撃つ覚悟を決める(40年ぶりに懐かしい顔とも再会できる!)。ハロウィンは元々、収穫祭とお盆が合体したような古代ケルトのお祭りだった。この日に死後の世界への扉が開き悪霊がこの世に溢れ出てくるので、それに対抗するために仮装をした。化物を倒すにはこちらも化物にならなければならないのだ。しかし本作ではタイトルの通り、非常に多くの人が殺される。ハロウィンには悪霊だけでなく、先祖の霊も帰ってくる。来年公開予定の続編『Halloween Ends(原題)』でのローリーたちとの再会を願おう。…もちろん、生きている姿で。

【ストーリー】
マイケル・マイヤーズは生きていたー!! 40年におよぶローリー・ストロード(ジェイミー・リー・カーティス)と“ブギーマン”ことマイケル・マイヤーズの因縁の戦いに決着がついたはずだった。しかし、悪夢は終わってはいなかった。ローリーが仕掛けたバーニングトラップから生還したマイケルは、過去を背負う街ハドンフィールドでさらなる凶行を重ねる。恐怖に立ち向かいブギーマンとの戦いを選ぶ者、その恐怖に耐えかね暴徒と化す者。果たして、ハドンフィールドの運命は!? そして、物語はついにブギーマンの正体に迫り、新たな展開を迎えるー!!

【キャスト】
ジェイミー・リー・カーティス、ジュディ・グリア、アンディ・マティチャック、カイル・リチャーズ、ジェームズ・ジュード・コートニー、ニック・キャッスル、ディラン・アーノルドほか

【スタッフ】
監督:デヴィッド・ゴードン・グリーン
脚本:ダニー・マクブライド、デヴィッド・ゴードン・グリーン
製作:ジェイソン・ブラム、マレクアッカド
音楽:ジョン・カーペンター
製作総指揮:ジョン・カーペンター、ジェイミー・リー・カーティス、ダニー・マクブライド、デヴィッド・ゴードン・グリーン
配給:パルコ ユニバーサル映画
(C)UNIVERSAL STUDIOS

公式サイト:https://halloween-movie.jp/
公式 Twitter:@HALLOWEEN_MOV

10月29日(金)、TOHOシネマズ日比谷、渋谷シネクイントほか全国公開

バックナンバー