MOVIE MARBIE

業界初、映画バイラルメディア登場!MOVIE MARBIE(ムービーマービー)は世界中の映画のネタが満載なメディアです。映画のネタをみんなでシェアして一日をハッピーにしちゃおう。

検索

閉じる

【今週公開の注目作】『デスストーカー』 血湧き肉躍る戦い!血吹き肉剥き出る痛い!大きな少年のための特撮がここに!

◆今週公開の注目作

『デスストーカー』
7月3日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開

文:屋我平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

明らかに普通の映画ではない。そのルックはB級映画というよりも自主制作映画。しかし、そのような映画を嬉々として作っている作り手がたまにいる。そのひとりが本作『デスストーカー』の監督、スティーヴン・コスタンスキだ。彼は5人しかいないのに「アストロン6」という、いっぽんでもニンジン的なネーミングのカナダ人映像クリエイター集団に属しており、一目見ただけで「日本特撮が大好きなのだろうな」と分かってしまうほど作家性に溢れている。アストロン6作品の多くは低予算のホラーコメディで、グログロのゲロゲロ。コスタンスキ監督作も例に漏れず俗悪で、当然だいぶ人を選ぶのに、『マンボーグ』も『ザ・ヴォイド 変異世界』も『レプレコン リターンズ』も、短編で参加した『ABC・オブ・デス2』も、アストロン6全員で作った『ファーザーズ・デイ 野獣のはらわた』もと、なぜかほとんどの作品が日本で見られる不思議な状況にある。

彼が(好き者に)認知されたのは、2021年にまさかの劇場公開となった『サイコ・ゴアマン』のタイミングだろう。地球を滅ぼしそうな恐怖の残虐宇宙人を、謎の宝石を拾った8歳の少女が遊びに付き合わせるという笑撃のSFエンターテインメントで、Psycho Goremanの名の通りPG-12だった本作は大人も子どもも夢中にしたとかしていないとか。チープ過ぎるVFXと着ぐるみモンスターが大活躍する作風は本作『デスストーカー』にも共通しており、SFから打って変わって今回は王道(?)のファンタジーになっている。1984年の『勇者ストーカー』(原題『デスストーカー』)のリブートだが、オリジナルを見ることは今となっては難しいので、特に意識しなくて良いだろう。

ストーリーは、死に瀕した兵士から六文銭すら頂戴するような、お世辞にも善人とは言えない戦士デスストーカーの旅路を追っていく。呪い(報い)を受けた彼はそれを解除するため魔法使いを探し、その道中で肉が剥き出しになったようなグロモンスターに囲まれたり、世界を滅亡させる古のネクロマンサーに出会ったりしながら、大剣で全てぶった切る。まあそんな映画である。ムダに残酷な点を除けば、お馴染みの剣と魔法のハイファンタジーだ。だがそのムダに残酷な描写がとにかくコスタンスキ味で、『サイコ・ゴアマン』の通称“脳みそくん”に代表されるようなグロかわいさが際立っている。例えるなら、兵士の臓物を引き抜いて、それを積み上げた高さを競って一喜一憂しそうなモンスターが敵だ。阿鼻叫喚の地獄絵図に思えるかもしれないが、それは違う。彼らはただ、天真爛漫なのである。

いつまでもあると思っていた、50年もの間続いてきた日本のスーパー戦隊シリーズも、50周年記念作『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』で幕を閉じた。グログロと言っておきながら、『デスストーカー』は『サイコ・ゴアマン』と同じPG-12。これはもしや、特撮の未来を繋ぐのはコスタンスキかもしれない。そして全く信じられないことに、日本ではこれからコスタンスキ祭が開催される。『デスストーカー』の前に撮られたパペットコメディ『フランキー・フリーコ』が同時公開されるのだ。自分の子か、他人の視線と良心の呵責を感じるなら心の中の少年を連れて行くと良いだろう。本作を気に入ったなら、チャリ版『マッドマックス』こと『ターボキッド』もきっと気に入ると思うのでぜひ。

【ストーリー】
剣と魔法が支配する混沌の世界。アブラクシオン王国は、突如現れた真紅の騎士集団ドレッドナイトの襲撃に苦しみ、衰退の一途をたどっていた。人々の間では、この戦乱が古代の魔術師ネクロメムノン復活の前兆ではないかという不穏な噂が広がっていく。そんな中、戦場を渡り歩く傍若無人な戦士デスストーカーは、呪われたアミュレット(護符)を手にしたことで、ドレッドナイトの刺客に狙われることとなる。自らにかけられた呪いを解き、迫り来る邪悪を退けるため、命がけの旅に出るデスストーカー。やがて彼は、世界の命運を左右する戦いへと導かれていく――。

【キャスト】
ダニエル・バーンハード、クリスティーナ・オルセロ、ポール・レーゼンビー 他

【スタッフ】
監督・脚本:スティーヴン・コスタンスキ
製作・音楽:スラッシュ
配給:クロックワークス
© 2025 HANGER 18 DEATHSTALKER MOVIE INC.

 

関連記事

『ジェニー・ペンはご機嫌ななめ』 長く曲がりくねった道の果てに、怪物の待つ袋小路に辿り着く。

『スカーフェイス【4K版】』 この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば。

『KEEPER/キーパー』 私の目の黒いうちは、決してお前を逃さない。

『名無し』 光を反射せず、呑み込むことで浮かび上がるモノがある。

『廃用身』 社会を打ち震わすこの提言を、あなたは切って捨てることができるだろうか。

『デンジャラス・アニマルズ 絶望海域』 死の運命に噛みつけ!鳥肌に加え鮫肌まで立ちそうな奇行種サメ映画。

『サンキュー、チャック』 ツキがない夜にこそ、星空は光り輝く。すでにあの星がなくたって。

バックナンバー