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『アンティル・ドーン』あがくとも死。もがくとも死。でも、もしも幾度も夜が来るとも……。

この映画は、つまり―
  • 人気ホラーゲームを実写映画化! でも“暗転ドーン”じゃない!
  • 映画オリジナルのタイムループ設定
  • 原作ゲームと別物だけど、“ゲーム感覚”の映画に

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◆配信中の注目作

『アンティル・ドーン』
配信先:U-NEXTAppleTVAmazonプライム

文:屋我 平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

ゲームを原作とした映画は数多く作られているが、ゲームと映画で大きく異なる点のひとつとしてストーリーの長さが挙げられる。今どきのゲームでエンディングに辿り着くまでには少なくとも数時間、十数時間、もしくはもっと長い時間がかかるだろう。この中にはストーリーが進まない、アクションないしアドベンチャーパートも含まれるわけだが、ストーリーのムービーシーンだけを繋げたとしても2時間では到底終わらない。本作『アンティル・ドーン』の原作である2015年発売の「UNTIL DAWN -惨劇の山荘-」も、一度クリアしようとすると10時間近くかかると言われている。ドラマにするならまだしも、映画化する場合当然ながら2時間程度、いやむしろホラーなのだからもっと短くまとめなければならない。「原作に忠実に」を心がけて10時間のものをそのまま100分にしようとしても、必然的に別物になってしまう(「DEATH STRANDING」の映画版はどういった内容になるのだろう)。

だからこそ、本作には原作ゲームへの目配せこそあれど、あえて最初から全く別のストーリーが用意されている。また、原作は無数の選択肢がプレイヤーの未来を決めるホラーアドベンチャーなのだが、何と映画には原作にカケラもない大胆な設定が持ち込まれている。タイムループ要素だ! 「失踪した人物を探すため訪れた謎の山荘で、主人公たちが謎の存在に次々殺されていく」という一番基本の設定のみをそのままに、夜明け(ドーン)まで生き残れなければリセット、山荘に入った時に戻されるのを繰り返す、まさにゲームのような映画になっているのだ。

原作ゲームの日本版では、キャラクターが死亡する際の残酷描写において画面丸ごと暗転して何も見えなくなるよう規制されていたため、“暗転ドーン”などと揶揄されていた。しかし映画ではこれが完全に取っ払われ、非常に景気の良いグロホラーとして楽しめるよう作られている。監督は『シャザム!』を撮ったことで知られるデヴィッド・F・サンドバーグだが、彼は元々ホラー『ライト/オフ』で長編デビューした人間だ。同作では、照明が点滅して画面が“暗転”する度に得体の知れない存在がこちらに近づいてくるという、低コストながら効果的なアイディアが用いられており、その手法が本作でも活かされている。

皮は裂け、血は飛び散り、肉は剥き出しに。死んでも死ぬ前の記憶を持った状態で生き返れるとは言え、皆必ず制限時間内に思ってもみない方法で死に至るので、脱出は何とも骨が折れる作業だ。残虐なシーンが多すぎるため年齢制限までかけられた本作だが、その旺盛なサービス精神には笑ってしまう。タイムループ設定が、同じ山荘ホラーの『キャビン』を思わせるような様々な死に様を節操なくお出ししてくるスタイルを可能にしているので、原作ファンは複雑な気持ちだろうがこれはこれで良いのではないだろうか(一応原作要素として、ピーター・ストーメアが続けて出演)。タイムループと命の刻限を示す砂時計のオブジェなど美術面も美しく、ちょうど良い恐怖とワクワクを味わえる作品と言えるだろう。

【ストーリー】
クローバーと友人たちは、1年前に失踪した姉のメラニーを探すために訪れた山荘で突然現れた覆面の殺人鬼によって惨殺される。一度は死んだはずの彼らだったが、目が覚めると驚くべきことに殺される前の時刻に戻っている! そして再び命を狙われ、残酷に殺され、また時間が逆戻りして生き返る…。追体験の度に異なる殺人鬼が現れ、殺され方も変わり、惨劇が倍増加速していく――! やがて彼らは、この<恐怖のタイムループ>から抜け出す唯一の方法は、死を繰り返しながら謎を解き、夜明けまで生き残ることだと気づくが……。

【キャスト】
エラ・ルービン、マイケル・チミノ、オデッサ・アジオン、ユ・ジヨン、ベルモント・カメリ、マイア・ミッチェル、ピーター・ストーメア 他

【スタッフ】
監督:デヴィッド・F・サンドバーグ

 

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