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『明日への地図を探して』/これまでとは一味違うタイムループSF青春映画

この映画は、つまり―
  • 一定の面白さが保証されている「タイムループ設定」だけに頼らない確かな面白さ
  • 非現実的な話に見えてとても現実的
  • 若手注目俳優のカイル・アレンとキャスリン・ニュートンが演じる主人公カップルのキュートさ

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◆配信中の注目作 

『明日への地図を探して』(2021)

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「タイムループもの」は定番のジャンルだ。ゲーム的に楽しめるその設定は非常に便利だが、本作はそれだけの作品ではない。よくあるのが、主人公がループにはまるまでが長くて退屈してしまうこと。その点、本作の描写はとてもスマートだ。主人公マークは映画が始まった時点ですでに何度もループを繰り返しており、彼が流れるように周りの物事に対処するのをユーモアたっぷりに長回しで見せることで、それを言葉よりも饒舌に語っている。マークは、同じくループしているマーガレットに出会い、状況を打開しようと街で起こる小さな……そう、日本で例えれば茶柱が立っているレベルの「奇跡」の瞬間を集めていく。その辺で偶然見かけそうなものばかりだが、それが逆にリアルで温かい。

SF作品は、非現実的に見えて現実に直結している場合が少なくない。タイムループものも例外ではない。「明日が来ればそれは今日になる」という言い回しがある。言葉遊びではあるが、ある意味真実だ。それを文字通り描くとアラ不思議、タイムループものになる。また、「毎日代わり映えのしない日常が続くなあ」と思ったことはないだろうか?それを少し誇張して描けば……一丁上がり!タイムループもので描かれるのは心の成長だ。芽ばえた恋を進展させたいマークと違い、深入りしないようにしているマーガレット。その本当の訳は後半明らかになるが、ここで一気にSFのはずの本作が自らの体験と結びついてくる方もいるのではないだろうか。

カイル・アレンはまだ無名ながら、ジョセフ・ゴードン=レヴィット似のイケメンだ。素朴な顔立ちなので、本作の絶妙にイケてないオタク役も板についている。キャスリン・ニュートンは『名探偵ピカチュウ』や公開中の『ザ・スイッチ』に出演しており、人気急上昇中の若手女優だ。この2人ならずっとループの中にいても上手くやれそうな気もするが……その結末はあなた自身の目で確かめていただきたい。

【ストーリー】
タイムループにはまり込んでいる2人の十代の若者。そこから抜け出したいマークと、とどまっていたいマーガレット。見逃してしまいそうな日常の小さな奇跡を共に探していけば、同じ日が繰り返される理由を見つけ、そして、そのタイムループから抜け出すきっかけをつかめるかもしれない。

【キャスト】
キャスリン・ニュートン、カイル・アレン

【スタッフ】
監督:イアン・サミュエルズ

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