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【今週公開の注目作】『デンジャラス・アニマルズ 絶望海域』 死の運命に噛みつけ!鳥肌に加え鮫肌まで立ちそうな奇行種サメ映画。

◆今週公開の注目作

『デンジャラス・アニマルズ 絶望海域』
5月8日(金)全国公開

血で血を洗うようなレッドオーシャンのサメ映画界において、今最も鮮やかに赤く濡れているのは間違いなく本作『デンジャラス・アニマルズ 絶望海域』だろう。今年で公開または配信されるサメ映画が他にあったとしても、このインパクトを超えるのはなかなか酷な話だ。それほどまでに、本作は極悪な作品になっている。ホラーマニアなら耳に、または目にしたことがあるかもしれないが、監督のショーン・バーンは「プロムへの参加を断ったために一見ただの冴えない、その実サイコパス女子に監禁され電動ドリルを突き付けられるイケメン高校生」の災難を描いたバイオレントなホラー『ラブド・ワンズ』を撮った人物である。サメ映画は切り株(四肢もげ)描写が当たり前ながら、この人選ではどうしても興奮の汗か冷や汗か、とにかく手に汗握ること必至。ちなみに、先日ご紹介した『地獄のサーファー』と『エイペックス・プレデター』に続いて、本作もまたオーストラリア映画なのは偶然かはたまた必然か。

オーストラリアにサーフィン(また!)目的でやってきた孤独な主人公ゼファーは、地元の青年モーゼスと思わぬ出会いを果たし仲良くなるも、人との付き合いに慣れていないゼファーは黙って彼の元から離れ海へ。ところがその海の近くには、獲物を待つ男が潜んでいた。海に沈めた檻の中からサメを観察できるツアーで生計を立てているタッカーだ。彼は表向きはフレンドリーな性格ながら、本当はもがく人間がサメに食われるのを“ショー”として愉しむサイコパスだった。まんまと捕まったゼファーは生きて帰れるのか。それとも、生き餌にされ帰らぬ人になってしまうのか……。

「宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない」はSFホラーの金字塔『エイリアン』のキャッチコピーだが、大海原の真ん中に囚われたゼファーの悲鳴も誰にも聞こえない。海もまた、ある種の宇宙と言える。であれば、そこには理解の範疇を超えたエイリアンのような存在、または捕食者(プレデター)が生息しているのは道理。本作はサメ映画ながら、あらすじから察せられるように普通のサメ映画ではない。明らかに、デンジャラスなのはサメよりもタッカーの方だ。もちろんサイコパス映画も星の数ほどあるが、それらと一線を画している要因は血よりも濃く味付けされたタッカーのキャラクターだろう。彼はサメに襲われた経験があるのにもかかわらず異常にサメに魅了されており、べらべらとサメの生態に紐づいた哲学(?)を語りまくる。海に放り投げられる前に、よく分からない気恥ずかしさでこちらの顔が赤く染まるほどのサメオタクなのだ。女性ばかり捕まえてくる癖に、手出しはせずそのままサメにあげるその律儀さ(?)も相まって、不快で理解もできないものの一貫性があるので存在感が際立っている。

 

……いや、理解できないというのはとっさに出た嘘だったかもしれない。サメ映画を見る観客など、どう考えても彼の同類だ。サイコパスかどうかは置いておいても、その嗜好は間違いなく共通している。“ショー”にカメラを向けるタッカーはショーン・バーン本人のようでもあり、観客を倫理の安全圏から追い立てるその意地悪さは演出にも滲み出ている。予想した展開が想像よりワンテンポ早くやってくるので、その度に声が出てしまいそうになるのだ(おっと、劇場は宇宙ではないのでご注意)。海もまた宇宙と言ったが、違う部分がひとつある。海には風が吹いている。「そよ風」という名を持つゼファーは、タッカーの手からするりと逃れられるのか。それとも、海には凪が訪れるのか。そんなこと、サメはつゆ知らず。

【ストーリー】
ゼファー(ハッシー・ハリソン)は過去の傷を癒すため、オーストラリア・ゴールドコーストに逃れてきた孤独なサーファー。落ち着きを取り戻しつつあるゼファーの生活は地元の不動産業者でサーファー仲間のモーゼズ(ジョシュ・ヒューストン)との出会いによって一変する。彼とのロマンティックな一夜のあと、夜もあけぬうちにサーフィンへと海に向かった彼女は、サメ体験ツアーの船長タッカー(ジェイ・コートニー)に連れ去られてしまう。目を覚ますとゼファーは、もうひとりの若い女性ヘザー(エラ・ニュートン)とともに船上に監禁されていた。ただ事ではないことを察知したゼファーは、タッカーがサメに取り憑かれたサイコパスであることを目の当たりにし、タッカーの魔の手から逃れる術をさぐるのだった。助けを呼ぶ声も届かない、陸地から遠く離れた孤海で海中には危険生物(サメ)、船上には危険人物(サイコパス)という絶体絶命の中ゼファーの運命やいかに・・・・・。

監督:ショーン・バーン
出演:ハッシー・ハリソン、ジェイ・コートニー、ジョシュ・ヒューストン、ロブ・カールトン、エラ・ニュートン、リアム・グレインキー
2025年|オーストラリア|PG-12|英語|98分|5.1ch|シネマスコープ|原題:DANGEROUS ANIMALS|字幕翻訳:永井歌子|
提供:ニューセレクト、BBB 配給:スターキャットアルバトロス・フィルム 宣伝:エクストリーム・フィルム
©2025 ANIMAL HOLDINGS PTY LTD
公式サイト:dangerous-animals.com

 

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