MOVIE MARBIE

業界初、映画バイラルメディア登場!MOVIE MARBIE(ムービーマービー)は世界中の映画のネタが満載なメディアです。映画のネタをみんなでシェアして一日をハッピーにしちゃおう。

検索

閉じる

『ジュラシック・ワールド/復活の大地』生命は道を見つける。“心臓”さえあれば、必ず。

◆今週公開の注目作

『ジュラシック・ワールド/復活の大地』
8月8日(金) 全国ロードショー

文:屋我平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

長く続いたシリーズが終わるのは寂しいものである。それが『ジュラシック・パーク』や続編の『ジュラシック・ワールド』などの大人気シリーズであればなおさらだ。終わってほしくない、多くの観客がそう思うことだろう。ただ、『ジュラシック・ワールド』三部作に関しては違う意味も含まれていたはずだ。“これで”終わってほしくない、と。前作となる『ワールド』三部作3作目の『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』では、三部作1作目『ジュラシック・ワールド』を監督したコリン・トレヴォロウが再びメガホンを撮った。トレヴォロウは『ワールド』三部作の脚本も担当していたはずなのだが、『新たなる支配者』には『パーク』三部作オリジナルキャストのカムバックの嬉しさと同じくらい大きな問題点があった。いわゆる「イナゴ問題」だ。主役となるはずの恐竜の存在感をも食い尽くした巨大イナゴの大群を見せられて、こう思った方は少なくないだろう。「『新たなる支配者』って、このイナゴのことか?」と。

最終的には何となく良い感じにまとまって物語は幕を閉じたが、こちらとしてはあのような形でこのシリーズが終わってしまうと困るのだ。人間の都合でとはいえ蘇らせた恐竜を、またも人間の都合で二度目の絶滅をさせるようなもの、あまりにも忍びない。幸いにして、あれから3年、ようやく(やはり?)待望の新作が作られた。それがこの、自身もシリーズの大ファンだったというスカーレット・ヨハンソンをシリーズ初の女性主人公に迎えた『ジュラシック・ワールド/復活の大地』だ。監督したギャレス・エドワーズもまたスティーヴン・スピルバーグによる『ジュラシック・パーク』に魅せられたひとりで、その影響は彼の卒業制作だけでなく、長編デビュー作『モンスターズ/地球外生命体』やその後の『GODZILLA ゴジラ』にも及んでいる。帰るべき場所に帰ってきた、といっても過言ではない。脚本は『ジュラシック・パーク』と続編『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』のデヴィッド・コープで、シリーズが復活するにはこれ以上ない下地が整っている。

さて、『新たなる支配者』の5年後を描く本作では、“巨大”イナゴなどよりもよっぽどスケールの大きな恐竜たちが勢揃いしている。しかも、陸海空にアイコニックな恐竜をキャスティングしており大盤振る舞いだ。陸のティタノサウルスは「巨人」に由来するその名に反して陸上最大というわけではないが、前作で初登場しアステカ神話から名を付けられた空のケツァルコアトルスと、『ワールド』三部作ですでにお馴染みの海の猛者モササウルスは、きちんとそれぞれの領域で最大級の恐竜になっている。ヨハンソン演じるゾーラたちは心臓病の新たな治療薬開発のため、これら3種の恐竜のDNAを採取するミッションに身を投じる。コープ曰く、このストーリーのアイディアは「一部の大型恐竜の寿命が長く、その理由は心臓病の発生率が極めて低かったから」という事実から思いついたようだ。

シリーズでこれまでに見たことのない作品というよりは、スピルバーグのエッセンスを取り戻し堅実に再びシリーズの土台を築こうとしている作品と言えるだろう。本作はすでにアメリカ本国で大ヒットし、ヨハンソンは「史上最も興行収入をあげた主演俳優ランキング」で堂々第1位に躍り出た。シリーズの“心臓(ハート)”を備えていれば、生き残る道は見つかる。そう信じ、ここから始まる新シリーズに期待だ。手始めに、この夏に刻まれる爪痕と足跡を目に焼き付けよう。

【ストーリー】
『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』から5年。かつて世界中に放たれた恐竜たちは、気候や環境に耐えられず数を減らし、今は赤道直下の限られた地域にだけ生息していた。秘密工作の専門家ゾーラ・ベネットは、製薬会社の代表マーティン・クレブスから、ある危険な任務を引き受ける。それは、人類を救う新薬を開発するため、陸・海・空の3大恐竜のDNAを採取するというものだった。チームとして集められたのは、ゾーラが最も信頼する傭兵ダンカン・キンケイドと古生物学者ヘンリー・ルーミス博士。チーム一行は、かつてジュラシック・パークの極秘研究が行われていた“禁断の島”へとたどり着く。そこは陸・海・空のどこから恐竜が襲ってくるかわからない、地球上で最も危険な場所だった。そして彼らは、世界から長年のあいだ隠されてきた、衝撃的な秘密とも直面することになる──。

【キャスト】
スカーレット・ヨハンソン、マハーシャラ・アリ、ジョナサン・ベイリー、ルパート・フレンド、 マヌエル・ガルシア=ルルフォ、ルナ・ブレイズ、 デヴィッド・ヤーコノ、オードリナ・ミランダ、 フィリッピーヌ・ヴェルジュ、ベシル・シルヴァン、エド・スクライン

【スタッフ】
監督:ギャレス・エドワーズ
脚本:デヴィッド・コープ、 マイケル・クライトン
キャラクター原案:マイケル・クライトン
製作:フランク・マーシャル、 パトリック・クローリー
製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ、デニス・L・スチュワート、ジム・スペンサー

公式サイト:https://www.jurassicworld.jp/

©2025 Universal Studios. All Rights Reserved.

 

関連記事

『トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦』直に失われるとしても、それを守らない理由にはならない。

『プレゼンス 存在』ゴースト・ストーリーならぬ、“スペクター・ストーリー”。

『プロジェクト・サイレンス』国家の犬 VS 改造暗殺〇〇! 本当の獣はどっち?

『セブン』4K版|神は言った、「光あれ」と。しかし長雨の都会にその光は届かない。

『SKINAMARINK/スキナマリンク』目を凝らしても見えないのに、目を閉じても視える。

バックナンバー