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『スパイの妻』戦争間近の日本で繰り広げられる極上のサスペンス!!

◆公開中の注目作 
『スパイの妻』

太平洋戦争開戦間近の日本を舞台にした、重大な国家機密を知ってしまった男、その妻を主人公に据えたサスペンス・エンタテインメント作品だ。第77回ヴェネツィア国際映画祭でコンペ部門に入り、黒沢清が監督賞を受賞した今話題の作品だ。

太平洋戦争を間近に控えた日本は、戦争に向けて国民全員が同じ方向を向くことを強いられていた時代である。「同じ方向」というのはつまり、国家の指示に従い、戦意高揚に貢献することである。戦争意欲を削ぐような行為は当然御法度である。これは日本に限った事ではなく、ドイツでもナチスに逆らう人は容赦なく裁かれていた。

神戸で貿易会社を営んでいた優作は、妻の聡子と共に何不自由なく満ち足りた生活を送っていたが、ある日優作が仕事で訪れた満州で、偶然にも恐ろしい国家機密を目にしてしまった。この事実を世間に公表できるのか。しかし、国はその情報を何とか回収しようと優作と聡子に接触してくる。誰が騙しているのか、誰が騙されているのか、そんなサスペンスと愛する人を想う気持ち。この2つが見事にマッチして、素晴らしい見応えの映画になっている。

蒼井優、高橋一生、東出昌大と言った日本の映画界を牽引する役者陣の共演も大きな見どころだ。夫を愛しながらも、どこか狂気的な雰囲気を感じさせる聡子を演じた蒼井優の演技が特に素晴らしく、昨年公開された『宮本から君へ』でもそうだが、作品毎で全く違う顔を見せてくれる。

黒沢清がヴェネツィア国際映画祭で監督賞を受賞するという明るいニュースも提供してくれた本作。実力派俳優が見せる素晴らしい演技合戦、濃密かつサスペンスフルなストーリーが楽しめる極上のエンターテインメント作品だ。

【ストーリー】
1940年の満州。恐ろしい国家機密を偶然知ってしまった優作は、正義のためにその顛末を世に知らしめようとする。夫が反逆者と疑われる中、妻の聡子はスパイの妻と罵られようとも、愛する夫を信じて、ともに生きることを心に誓う。そんな2人の運命を太平洋戦争開戦間近の日本という時代の大きな荒波が飲み込んでいく。

【キャスト】
蒼井優、高橋一生、東出昌大 ほか

【スタッフ】
監督:黒沢清

配給:ビターズ・エンド
公式サイト:https://wos.bitters.co.jp/index.html

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