MOVIE MARBIE

業界初、映画バイラルメディア登場!MOVIE MARBIE(ムービーマービー)は世界中の映画のネタが満載なメディアです。映画のネタをみんなでシェアして一日をハッピーにしちゃおう。

検索

閉じる

『ウエスト・サイド・ストーリー』巨匠スピルバーグが往年の名作ミュージカルを甦らせる!

◆今週公開の注目作
『ウエスト・サイド・ストーリー』

文:大西D(ヒカセン兼業ライター)

タイムリーなことにまさに昨日第94回アカデミー賞のノミネートが発表されたが、本作『ウエスト・サイド・ストーリー』は作品賞を含む7部門ノミネートを獲得。スピルバーグ自身も監督賞にノミネートされ、またアリアナ・デボーズが助演女優賞に候補入りした。まさに2021年を代表するミュージカル映画と言える本作が、2月11日より公開。何とも完璧なタイミングでの公開だろうか。凄い。

スピルバーグが『ウエスト・サイド物語』のリメイクを製作すると聞いた時、疑問と納得の2つの感情が起こった。疑問について言えば、そもそもスピルバーグがミュージカル映画を監督するイメージが全くない。やはりスピルバーグと聞けば誰もが興奮するアドベンチャー映画か、社会派のシリアスな映画を撮るイメージだ。そんな彼がミュージカルを撮るというのは少なくない驚きがあった。

一方で“納得”という感情もまた存在する。それはスピルバーグ自身が映画を愛していることだ。言わずもがな、1961年に公開された『ウエスト・サイド物語』は映画史に残る名作中の名作。そんな名作を現代でリメイクできる人間がいるとしたら、それはスピルバーグしかいないというのも、無茶苦茶な理屈ではあるが、納得ができてしまうのだ。ちなみにスピルバーグが最も影響を受けた映画は、『ウエスト・サイド物語』の翌年に公開された『アラビアのロレンス』であり、製作に行き詰まるとこの映画を観るという逸話が存在する。

そんなわけで現代に蘇った『ウエスト・サイド・ストーリー』は1950年代のニューヨークを舞台としながらも、移民や社会の分断、差別や貧困など、現代的かつ普遍的な社会問題が下敷きになる。そんな中で出会った若い男女。この男女をアンセル・エルゴートとレイチェル・ゼグラーが演じるのだが、この2人の若手俳優が実に魅力的。特に3万人のオーディションから選ばれた新星レイチェル・ゼグラーの瑞々しい輝きは本作の大きな見所だ。

配信サービスが幅を効かせる昨今ではあるが、スピルバーグはやはり映画館での鑑賞体験を信じている巨匠だ。往年の名作ミュージカルが21世紀の今再びスクリーンで観ることが出来る。何とも贅沢な話である。スピルバーグが新たに紡ぐ『ウエスト・サイド・ストーリー』、アカデミー賞では撮影賞、美術賞、衣装デザイン賞、録音賞など技術・美術部門での候補入りが多かった本作。その真髄を楽しむにはやはり映画館での鑑賞が一番と言えるだろう。3連休は『ウエスト・サイド・ストーリー』で決まりだ。


【ストーリー】
1950年代のニューヨーク。マンハッタンのウエスト・サイドには、夢や成功を求めて世界中から多くの移民が集まっていた。社会の分断の中で差別や貧困に直面した若者たちは同胞の仲間と集団をつくり、各グループは対立しあう。特にポーランド系移民の「ジェッツ」とプエルトリコ系移民の「シャークス」は激しく敵対していた。そんな中、ジェッツの元リーダーであるトニーは、シャークスのリーダーの妹マリアと運命的な恋に落ちる。ふたりの禁断の愛は、多くの人々の運命を変えていく。

【キャスト】
アンセル・エルゴート、レイチェル・ゼグラー、アリアナ・デボーズ、リタ・モレノ 他

【スタッフ】
監督:スティーブン・スピルバーグ

配給:20世紀フォックス
公式サイト:https://www.20thcenturystudios.jp/movies/westsidestory

2022年2月11日(金)全国ロードショー

■関連記事

『ドライブ・マイ・カー』が日本映画史上初の快挙!作品賞、監督賞を含む4部門ノミネート達成!【第94回アカデミー賞】

ゴールデン・グローブ賞発表!『パワー・オブ・ザ・ドッグ』『ウエストサイド・ストーリー』が最多3部門受賞!『ドライブ・マイ・カー』も快挙達成!

(C)2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

バックナンバー