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『プレデター: ザ・プレイ』ヤツらは暑い季節にやってくる。エイペックス・プレデター(頂点捕食者)の座には誰がつく?

この映画は、つまり―
  • 地球の狩猟民族vs宇宙の狩猟民族!
  • 1作目を強く意識している
  • 「いつもより暑い年」だからこそ今!

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◆配信中の注目作

『プレデター: ザ・プレイ』

ディズニープラスで視聴するこちら

文:屋我 平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

『プレデター』シリーズと、現在劇場で最新作が公開中の『ジュラシック・パーク(ジュラシック・ワールド)』シリーズの間には奇しくもいくつかの共通点がある。まず、頂点捕食者と驕っていた人類を脅かす存在が現れる(もちろんプレデターは人間を文字通りに「捕食」はしないが)。次に、新たな捕食者が都市部へやって来て惨劇を引き起こす(『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』と『プレデター2』)。そして、遺伝子レベルでアップデートされたより強力な個体が登場する(『ザ・プレデター』)。

 

本作はアーノルド・シュワルツェネッガー主演の1作目から始まった『プレデター』シリーズ最新作にして、これまでの『プレデター』、『プレデター2』、『プレデターズ』、『ザ・プレデター』の前日譚となっている。1作目にキャストとして登場していたシェーン・ブラックが監督した前作『ザ・プレデター』は、原点回帰を意識しながらも様々な部分でシリーズのお約束を破り賛否両論の出来だった。正直、それらの設定を引き継いでファンを納得させる続編を作るのは困難だったろう。本作はファンの気持ちを一旦リセットさせつつ、再度『プレデター』シリーズの原点に回帰、いや本能を呼び覚ますような作品になっている。それに一役買っているのは主演女優の“アンバー”・ミッドサンダーだ。そう、『プレデター』もまた琥珀から蘇ったのだ。

 

彼女が演じているのは、ネイティブ・アメリカンの中でも特に戦闘力が高いと言われるコマンチ族の女性。1作目の時点でネイティブ・アメリカンの戦士ビリーはいたが、プレデターとの戦闘は描かれていなかったので、ある意味作り手側のリベンジマッチでもある。プレデターは宇宙を行き来できる極めて高い技術力と武器を持ちながらも、それを用いて原始的な狩りを行う興味深い存在だ。本作の舞台が1719年であることもあり、コマンチ族が用いるのは弓矢や斧といった、プレデターよりよっぽど「原始的な」狩り道具ばかりだが、プレデターにとって狩りは遊びではない。きっと、彼らの辞書で「game」の項を引けば、「獲物」という意味しか書いていないのだろう。

一応、弓矢とマシンガンの違いほどではないにしろ、プレデターのテクノロジーもわずかながら“レトロ”なものになっている。腕の装置から展開し、攻撃を防ぐと同時に最も鋭利な刃物となる円盤状の盾が大きな目玉のひとつだ。前作までのようなプラズマ弾がないとは言え装備に大きな差はあるが、これまでも人間はプレデターとの最終決戦では銃器を捨て、狩猟をしていた頃の姿で戦うことにより勝利を収めてきたのだ。試されるのは、どちらがより純粋な狩人の本能を持っているか。ただそれだけだ。

 

今年の夏は特別暑い。「いつもより暑い年」にやってくるのがプレデターだ。どちらが真の捕食者でどちらが獲物(プレイ)かを決めるのにこれほどぴったりなタイミングはない。プレデターを食わんばかりの人間たちの意地を、とくとその目に焼き付けてほしい。

【ストーリー】
グレートプレーンズを駆け巡る偉大なハンターたちの中で育ったナル。これは、残酷で有能な女性戦士ナルの知られざる物語である。他の若いハンターたちに勝るとも劣らないという自負があるナルは、コマンチ族に危険が迫った時に、人々を守るために動き出す。ナルは原始的な武器で獲物を追いかけ、最後には高度に進化したエイリアンのプレデターと対決することになる。そして両者は熾烈な死闘を繰り広げる。

【キャスト】
アンバー・ミッドサンダー、ダコタ・ビーバーズ、デイン・ディリーグロ 他

【スタッフ】
監督:ダン・トラクテンバーグ

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