『ムーンフォール』こんな大スペクタクル映画が配信で見れるなんて、ツキがあるのか？運のツキなのか!?

2022.08.13

この映画は、つまり―

月が落ちてくる！ローランド・エメリッヒ史上最大級のディザスター！
トンデモ映画？とんでもない！これは予言だ（多分）！
キャストも映像も内容も景気良し！

記事を見る

◆配信中の注目作

『ムーンフォール』

Amazonプライムで視聴する⇒こちら

文：屋我平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

またこの年がやってきた。地球が滅亡の危機に瀕する年だ。ローランド・エメリッヒ監督は、かの大予言者ノストラダムスのごとく映画の中で何度も世界の終わりを予言してきた。「恐怖の大王」が来るとされた1999年7月の3年前、1996年7月には『インデペンデンス・デイ』でエイリアンの攻撃による地球の破滅を。2004年には、『デイ・アフター・トゥモロー』で地球温暖化が原因となって訪れた氷河期による地球の凍結を。2012年には、『2012』で古代マヤの暦に基づいた地球の終末を。そして今年2022年には、『ムーンフォール』で月の落下による地球の壊滅を。

彼の映画の中では、一見トンチンカンな言動をとっているいわゆる陰謀論者こそが、実は世界の真実を言い当てている賢者のように描かれる（SFでない『もうひとりのシェイクスピア』すら、シェイクスピア別人説という陰謀論をベースにして作られている）。本作でも、月がなぜか何億年も回ってきた軌道をいきなり外れて地球に接近してくるが、それは月が巨大建造物だからだと言うのだ。当然だ。日食において、太陽と地球の間に割って入った小さな月が400倍大きな太陽をすっぽり隠してしまうのはなぜか？　“たまたま”地球と太陽の距離が、地球と月の距離の400倍だからだ。何者かの意思が働いているに違いない。

また、陰謀論者の登場人物であるK.C.が持論を展開しているホテルの壁紙は、スタンリー・キューブリック監督の『シャイニング』に登場するホテルのものとそっくりだ。アポロ計画は捏造されたもので人類は1960～1970年代当時月に到達できていなかったとする説があるが、月面到達の映像はキューブリックが作成したとも言われているのだ。そういったネタ…もとい“事実”を詰め込んで作られたのが本作なのである。

物語は、月の軌道を戻そうと奮闘するNASAの職員ジョーと元職員ブライアン、そしてK.C.の3人のパートと、地上で大混乱の中生き延びようと逃げ続けるジョーらの家族たちのパートに分かれている。エメリッヒのディザスター映画に『アルマゲドン』をくっつけたような感じだ。空を覆い尽くさんばかりの巨大な月が顔を見せる度、　強力な潮汐力のせいで大津波が発生したり、車や人間が宙に舞ったりする。これまでの作品以上にスケールの大きなディザスター描写だ。胃もたれするほど盛りだくさんの内容を、アカデミー賞女優のハル・ベリーと『死霊館』シリーズでお馴染みのパトリック・ウィルソンがさらに盛り上げてくれる。もう食べられない。

惜しむらくは、エメリッヒが地球平面説までは採用しなかったところだろう。ジョーたちが月に飛び立ち地球を見下ろした時、そこには平面の地球があった――!!　…みたいな展開になっていれば、本作は確実に映画史に名を刻んだはずだ。とは言え、この映画、改め予言はいつか当たる。巷では月は少しずつ地球から離れていっているなんて言われているが、エメリッヒの予言は今に至るまで当たった試しはないが、予言は当たるまでが予言なのだ。リアリティのNASAを笑っている人類の頭上には、いつか月という名の天罰が下るだろう。きっと。

【ストーリー】
2021年、NASAの宇宙センターは衝撃と緊張に包まれる。謎の力で軌道から弾かれた月が、数週間で地球に激突するというのだ。謎に立ち向かう危険な任務に、NASA副部長のジョー、超一流の宇宙飛行士だったが、ある事故の責任からNASAをクビになったブライアン、自称“天文学博士”で陰謀論者のK.C.が挑む。果たして、最終手段の核爆弾が用意され、人々がパニックに襲われる中、彼らは人類を救うことが出来るのか？　そして月に隠された秘密とは？

【キャスト】
ハル・ベリー、パトリック・ウィルソン、ジョン・ブラッドリー、マイケル・ペーニャ、チャーリー・プラマー、ケリー・ユー、ドナルド・サザーランド

【スタッフ】
監督：ローランド・エメリッヒ

『プレデター: ザ・プレイ』ヤツらは暑い季節にやってくる。エイペックス・プレデター(頂点捕食者)の座には誰がつく？

Disney+『ベイマックス！』就寝前の10分で心のリフレッシュタイム！

huluプレミア『チャッキー』シーズン１　まったく新しい”チャッキー”の幕開け！

『スパイダーヘッド』高揚した心を超高度から地面に叩きつけるスリラー。『トップガンマーヴェリック』の見方を変えてしまう一作。