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『ルクス・エテルナ 永遠の光』相変わらず狂ったギャスパー・ノエの世界がヤバすぎる!!

◆公開中の注目作 
『ルクス・エテルナ 永遠の光』

ギャスパー・ノエという映画監督は常に人々に刺激を与える映画を生み出す。作品を生み出すたびに賛否両論を集める監督だが、それは彼自身が常に新しい刺激を求めているからに他ならない。そんな彼の新作が本作『ルクス・エテルナ 永遠の光』だ。ちなみに本作は中編映画である。

印象的なのが所々挿入される映画監督たちの言葉だ。それはまるでギャスパー・ノエが伝えたいことを表している様で、特に「映画監督は映画を商品から芸術にする義務がある」という言葉は商業的な成功を第一に考えた映画が多く生み出されている現在の映画産業に対して、ギャスパー・ノエが警鐘を鳴らしている様に感じる。

映画は良い意味で「カオス」だ。映像が二画面で全く別の話が進行していて、何もないシーンですら既にカオス。そこからさらにカオスな物語、映像が展開されるわけだ。これはもうどんなジャンルにも区分できない「ギャスパー・ノエ」という一つのジャンルだなと、観客に改めて感じさせる。画面が割れた映像が流れるように交差するカメラワークは本当に見事だ。映画終盤には激しい光の点滅が出てくる。激しい、何て言葉では説明が足りない程に、もはや悪意すら感じるような激しい点滅だ。でもジッと観ていると何か見えてくる様な、そんな気がして、ずっと観ていられる様な感覚だ。「てんかんになる前に恍惚の瞬間がある」と映画の冒頭に出てくるが、それを体感しているようだった。

それにしてもシャルロット・ゲンズブールはラース・フォン・トリアーやギャスパー・ノエの様なかなりエッジの効いた監督作品によく見るなぁと改めて思った。しかも劇中で相当痛い目を見る役が多いので、思わず心配になってしまうのだが、もしかしたら彼女にも彼らに通ずる様な変態性があるのかもしれない(良い意味で)。

本作はシネマート新宿で開催されている「のむコレ2020」で見ることが出来る。コロナの影響で大作映画の多くが公開延期になっている昨今、たまにはこういうエッジが効きすぎた映画を観てみるのも一興だろう。ギャスパー・ノエの映画を観たら、それだけで人生が変わるかもしれない。それくらい斬新な「芸術」なのである。日本人には決して生み出すことのできない感性と芸術性を、是非ご覧いただきたい。


【キャスト】

シャルロット・ゲンズブール、ベアトリス・ダル ほか

【スタッフ】
監督・脚本:ギャスパー・ノエ
公式サイト:http://luxaeterna.jp/

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