『犯罪都市 PUNISHMENT』あの敏わ……剛腕刑事が再び腕を振るって事件解決！

2025.04.14

この映画は、つまり―

いつものマ・ドンソク、用意しておきました！
悪い子にはビンタ、いや鉄拳制裁だ！
シリーズを見ていなくても、本作だけでもう中毒！

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◆配信中の注目作

『犯罪都市 PUNISHMENT』

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文：屋我平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

早いもので、この『犯罪都市』シリーズももう４作目。もはや説明は不要だと思うが、一応簡単におさらいしておこう。マ・ドンソク演じるマ・ソクト刑事という名の怪獣が、人を人とも思わない極悪犯罪者が高飛びする前にその拳で月より高くブッ飛ばす、それだけをやり続けているシリーズだ。異論は認めない。だって実際にそうなんだもの。しかし今回監督を務めたのは、これまで本シリーズでアクション監督として参加してきたホ・ミョンヘンであり、格闘シーンの満足度は過去最高と言っても良いだろう。本作のサブタイトルは「PUNISHMENT」(おしおき)。拳の神、拳神(こぶしん)となったマ・ドンソクが、月に代わって不届き者どもをおしおきする！

今回のヴィランは、プログラマーを拉致・監禁してオンラインカジノのシステムを作らせ、場合によっては殺人も厭わない悪魔のような男ペク・チャンギ。演じているのは、韓国の鈴木亮平ことキム・ムヨル(激似)で、マ・ドンソクと以前共演した『悪人伝』とは両者の善悪が真逆になっているが、このチャンギが中々に強敵だ。パンチとナイフ攻撃を高速で交互に繰り出してくるので、殴られて怯んだらもう終わり。……まあ、普通の人間であればそうだろう。ところがこちらは怪獣なので、チャンギよりむしろ「サイバー」だの「オンライン」だの「クラウドにアップ」だの、ゲンダイ的な言葉の方に苦戦する。どこまでもかわいいマブリーラブリー映画だ。基本的に無双系アクションなので、ヴィランが豪華になったとて所詮やられ役に過ぎないのだが、ワンパンチで相手を沈めるカタルシスに脳内麻薬ドバドバのドラッグ・ムービーっぷりは健在である。

シリーズのお馴染みの脇役である、小悪党のチャン・イスも再登場するのが嬉しい。本シリーズはパンチカタルシスの後に爆笑ギャグの2段構えで観客の脳を破壊する恐ろしい薬物だが、チャンとマ刑事のやり取りが始まるとその効果は3倍になる。事件解決のために協力を要請(強制)するマ刑事の方が悪党にしか見えなくなり、チャンがツッコミと化すのだ。いや、それだけでは終わらない。何と、このチャンはツッコミでありながらどうしようもないアホなのだ。そうして自分でボケながらツッコミもする永久機関が完成する。今回はどのようにチャンが怪獣に懐柔されるのか予想するのも面白いだろう。アホすぎて絶対に的中しないが。

やはりというか何というか、本シリーズは今後も続けていく予定であるらしい。毎年1本作ってくれても良いくらいだ。人を殺さないためにパンチではなくビンタをよく用いてきたはずのマ・ドンソクであるが、本作ではむしろほとんどビンタは使わない。ビルの屋上から飛んだり崖から落ちたりして観客を沸かせるトム・クルーズのようなアクションスターもいれば、パンチだけで観客を狂わせるマ・ドンソクのようなアクションスターもいる。怪獣に踏み潰されるがごとく、パンチで潰されたい相手役のアクション俳優がいなくならない限り、シリーズが終わることはないだろうし、本シリーズは全て同じであるが故に何作目から見ても問題ない。本作から入った方でもすぐに脳が喜び出すだろう。そしてすぐに前作までを見返し始めるのだ。ああ恐ろしい！

【ストーリー】
新種合成麻薬事件から3年後の2018年。ヤクザも恐れる怪物刑事マ・ソクトとソウル広域捜査隊は、デリバリーアプリを悪用した麻薬密売事件を捜査していた。マ刑事は捜査を進めるうちに、手配中のアプリ開発者が謎の死を遂げた事件の背後に、フィリピンに拠点を置く国際IT犯罪組織の存在を突き止める。組織のリーダーは、拉致、監禁、暴行、殺人をいとわず、韓国の違法オンラインカジノ市場を掌握した特殊部隊出身の“元傭兵”ペク・チャンギ。一方、組織オーナーで“ITの天才”CEOチャン・ドンチョルは、韓国でさらに大きな犯罪計画を練っていた。マ刑事は、史上最大規模のIT犯罪計画を殲滅するため、オンラインカジノ事業の経験を持つチャン・イスに捜査協力を依頼し、広域捜査隊、サイバー捜査隊と新たなチームを結成し捜査を始めるのだが……。

【キャスト】
マ・ドンソク、キム・ムヨル、チャン・ドンチョル、パク・ジファン　他

【スタッフ】
監督：ホ・ミョンヘン

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