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『愛がなんだ』／一方通行の「片思い」を描いた切なく＂普通＂のラブストーリー

この映画は、つまり―
  • 「誰かと一緒になる幸せ」と「自分を大切にする幸せ」どっちが大切？
  • 何気ない日常と恋愛を描く天才・今泉力哉監督が問いかける「愛ってなんだろう」
  • 岸井ゆきのと成田凌が魅せる「片思い」の恋愛模様！

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◆配信中の注目作 

『愛がなんだ』（2019）

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恋愛とは、永遠に解けない謎。何気ない日常に恋が起こるとちょっとだけ非日常が紛れ込む。この作品は「片思い」というささやかな難題に振り回されながらも懸命に日々を生きている人たちの＂普通＂の物語。

好きな人が自分を好きだとは限らない、どれだけ好きになっても相手が自分を好きになる保証はない。片思いをしている間が一番楽しいとはよく言ったもので、好きな人と結ばれたらそれはもちろん幸せなことだが、もし相手が首を振ったらその瞬間楽しい片思いは終わってしまう。マモちゃんに一目惚れしたテルコはそんなことお構いなしで両想いを夢見るが、マモちゃんに好きな人ができたことで2人の関係に変化が起きる。好きな人と一緒にいるという幸せをひたすらに求めていたテルコが最後に選んだ未来とは。

今泉力哉監督が描くのは、誰にでも起こりそうなまるで私たちの日常のすぐ隣で流れていそうな世界だ。いつだって観る人を作品の中にそっと招き入れてくれる。今作も例外なくそれで、登場人物のだれかに自分を重ねるもよし、傍から見守る気分で観るもよし、誰かを好きになったことがある人ならきっと共感し胸に響くラブストーリーに仕上がっている。

主人公テルコを演じるのは岸井ゆきの。彼女の恋する姿は切ないほどに空回りしてばかりだがどこかいじらしいからこそ観る人を惹きつける、そんなテルコを見事に演じている。ちなみに今作で第43回日本アカデミー賞 新人俳優賞を受賞している。そして、現実にいたら率直に言うとクズ男であるマモちゃんこと守を演じるのは、近年映画館で見かけない時期は無いのではと思えるほどに次々と話題作に出演し確実にキャリアを重ねてきている若手最有力の成田凌。彼もこの作品で同年の助演男優賞を総なめにした。

【あらすじ】
パーティーで一目惚れしたマモちゃんが大好きで＂三度の飯よりマモちゃん＂生活を送っているテルコ。いつでもどこにいても呼ばれたら飛んでいき、平日に動物園に誘われたなら仕事をサボってついていく。でもこんなにもマモちゃんのことが好きなのにテルコはマモちゃんの彼女になれない。そんな日々を送っていたテルコだったが、ある日を境にマモちゃんからの連絡が途絶えてしまい…

【キャスト】
岸井ゆきの、成田凌、江口のりこ、若葉竜也、深川麻衣

【スタッフ】
監督・脚本：今泉力哉

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