『バレリーナ：The World of John Wick』公開記念！シリーズ全作品を振り返り！＜第5回＞『ザ・コンチネンタル：ジョン・ウィックの世界から』（2023） 70年代ニューヨーク、裏社会ホテルの誕生秘話が明かされる！

2025.08.16

この映画は、つまり―

コンチネンタルNY支配人ウィンストンの若き日を描く前日譚
退廃的で暴力的な70年代ニューヨークの空気感を再現
メル・ギブソンら新キャストと、おなじみキャラクターの若き姿が共演

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『バレリーナ：The World of John Wick』公開記念！キアヌ・リーヴス主演の大ヒットシリーズ『ジョン・ウィック』。その世界観を受け継ぐスピンオフ映画『バレリーナ』の公開に合わせて、ムービーマービーでは毎週1本、シリーズ全作（＋ドラマ『コンチネンタル』）をおさらい！伝説の殺し屋ジョン・ウィックの戦いを、改めて振り返ります！

『ザ・コンチネンタル：ジョン・ウィックの世界から』（2023年／アメリカ）
販売元：NBCユニバーサル・エンターテイメント
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文：ウメ氏（スチールブック大好きマン）

本作は、ジョン・ウィックシリーズにおいて重要な舞台となる“コンチネンタル・ホテル”の起源を描く全3話構成のミニシリーズ。舞台は1970年代のニューヨーク。若きウィンストン・スコット（コリン・ウッデル）は、兄フランキー（ベン・ロブソン）が盗み出した金貨鋳造プレスを巡って裏社会の抗争に巻き込まれていく。彼の前に立ちはだかるのは、当時の支配人であり冷酷なボス、コーマック（メル・ギブソン）。街の支配権とホテルの頂点を懸けた戦いは、血と裏切りが渦巻く権力闘争へと発展していく。

アクションは本編のスタイリッシュさよりも泥臭く、生々しい肉弾戦や銃撃戦が中心。路地裏、クラブ、廃工場などのロケーションは70年代らしい質感を生み出し、そこに流れるディスコやソウルの音楽が暴力と退廃を包み込む。スーツ姿で華麗に決めるジョン・ウィックの戦闘とは違い、汗と血と土埃が混ざり合う接近戦が多く、時代の空気と共にシリーズの新しい一面を見せてくれる。

シリーズファンにはたまらないのが、若き日のチャロン（アヨミデ・アデグン）やアンクル・チャーリー（ピーター・グリーン）の登場だ。後のジョン・ウィック世界での役割を知っているからこそ、その若き姿や行動の一つ一つに重みが増し、「この後、彼らがどうなるのか」という未来の物語へ思いを馳せずにはいられない。さらに物語の中では、ホテルを縛る“掟”の厳しさや、それを執行する権力の存在も描かれる。本編でおなじみの裁定人（アジュディケーター）を思わせる人物が現れ、主席連合の意志を代行して粛々と制裁を下す姿は、裏社会の秩序が過去の時代から変わらず続いていることを強く印象づける。

さらに、主人公ウィンストンのキャラクター形成が丁寧に描かれ、彼が本編で見せる冷静沈着さや狡猾さのルーツが垣間見えるのも興味深い。そして、このドラマの存在意義は『バレリーナ』への架け橋としても大きい。『バレリーナ』はジョン・ウィックの世界観を継ぐスピンオフであり、その背景にはコンチネンタルや主席連合、裏社会の掟が色濃く影を落としている。本作で描かれるのは、そうした“掟の起源”や“権力構造の土台”であり、イヴが生きる時代のずっと前から続く血塗られた伝統だ。ホテルの聖域というルールがどう作られたのか、誓印や金貨がどんな意味を持つのか――その答えを知ってから『バレリーナ』を観れば、物語の緊張感と説得力は格段に増すだろう。

本編では決して長く語られることのなかったコンチネンタルの過去。そこには、権力を奪い取るための知略と、血の代償を払う覚悟がある。本作は、その世界を“ホテルの誕生”という切り口から見せることで、ジョン・ウィック・ユニバースをさらに広く、深くする一作となっている。

『ザ・コンチネンタル：ジョン・ウィックの世界から』（2023年／アメリカ）

【ストーリー】
1970年代のニューヨーク。兄フランキーが主席連合から金貨鋳造プレスを盗み出したことで、若きウィンストン・スコットは裏社会の支配人コーマックの怒りを買う。命を狙われる中、仲間と共に抗争を乗り越え、やがてコンチネンタルを掌握するための最後の戦いへと挑む。

【キャスト】
コリン・ウッデル、メル・ギブソン、ミシェル・プラダ、ベン・ロブソン、アヨミデ・アデグン、ピーター・グリーンほか

【スタッフ】
監督：アルバート・ヒューズ（第1・3話）、シャーロット・ブランストレーム（第2話）
脚本：グレッグ・クーリッジ、カーク・ウォード、ショーン・シモンズ
製作総指揮：チャド・スタエルスキ、デヴィッド・リーチほか
音楽：アーミン・ステインウェルク

『バレリーナ：The World of John Wick』
８月２２日(金) 復讐は伝播する

【ストーリー】
孤児を集めて暗殺者とバレリーナを養成するロシア系犯罪組織：ルスカ・ロマ。裏社会に轟く伝説の殺し屋：ジョン・ウィックを生み出した組織で殺しのテクニックを磨いたイヴは、幼い頃に殺された父親の復讐に立ち上がる。しかし、裏社会の掟を破った彼女の前に、あの伝説の殺し屋が現れる…

監督：レン・ワイズマン『ダイ・ハード4.0』　製作：チャド・スタエルスキ『ジョン・ウィック』シリーズ
出演：アナ・デ・アルマス、ノーマン・リーダス、アンジェリカ・ヒューストン、ガブリエル・バーン、キアヌ・リーブス　ほか
提供：木下グループ
配給：キノフィルムズ
2025/アメリカ/原題：From the World of John Wick: Ballerina
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公式HP：Ballerina-jwmovie.jp
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instagram：ballerina_jw