MOVIE MARBIE

業界初、映画バイラルメディア登場!MOVIE MARBIE(ムービーマービー)は世界中の映画のネタが満載なメディアです。映画のネタをみんなでシェアして一日をハッピーにしちゃおう。

検索

閉じる

『バレリーナ:The World of John Wick』公開記念!シリーズ全作品を振り返り!<第2回>『ジョン・ウィック:チャプター2』(2017)拡張される裏社会──逃げ場のない地獄が始まる

この映画は、つまり―
  • アクションも世界観も、すべてが前作よりパワーアップ
  • コンチネンタル、誓印、主席連合…裏社会の仕組みが一気に可視化
  • この回からジョンは、完全に“帰れなくなる”

記事を見る

『バレリーナ:The World of John Wick』公開記念!キアヌ・リーヴス主演の大ヒットシリーズ『ジョン・ウィック』。その世界観を受け継ぐスピンオフ映画『バレリーナ』の公開に合わせて、ムービーマービーでは毎週1本、シリーズ全作(+ドラマ『コンチネンタル』)をおさらい!伝説の殺し屋ジョン・ウィックの戦いを、改めて振り返ります!

『ジョン・ウィック:チャプター2』

販売元: ポニーキャニオン
TM&©2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

配信先:U-NEXT(定額見放題)Amazonプライム・ビデオ(定額見放題)Netflix(定額見放題)ABEMA(定額見放題)TELASA(定額見放題)YouTube(レンタル ¥300〜)Google Play ムービー& TV(レンタル ¥300〜)Apple TV(レンタル ¥440〜)

 

文:ウメ氏(スチールブック大好きマン)

前作で復讐を遂げたジョン・ウィックは、壊れた愛車を取り戻し、過去を封印しようとする。だがそこへ現れたのが、イタリア系マフィアの男サンティーノ。かつて交わした“誓印(マーカー)”を盾に、ジョンに暗殺を依頼する。標的は、自らの姉であり主席連合の一席を継ごうとするジアナだった。

ジョンは誓印に縛られ、ローマでの任務を遂行するが、それは罠だった。サンティーノはジョンに懸賞金をかけ、全世界の殺し屋に命を狙わせる──。

まず対峙するのが、ジアナの忠実な護衛であるカシアン(演:コモン)。任務直後に鉢合わせたふたりは、ローマの街中で銃を交え、大階段を転げ落ちながらの壮絶な格闘戦を繰り広げる。あの“階段落ち”は、のちの『チャプター4』を先取りするシリーズ的にも象徴的なアクションだ。

舞台がニューヨークへ移ると、再びふたりの戦いは続く。群衆に紛れてのサイレンサー銃撃戦、地下鉄車内での無言の死闘。いずれも派手な爆発はないが、静かで鋭く、技術と緊張に満ちたプロ同士の殺し合いが展開される。

もちろんアクションは彼らだけではない。ローマの地下遺跡での連続射撃、美術館の鏡張り展示室でのトリッキーな銃撃戦、さらには鉛筆1本で相手を仕留める“伝説の再現”まで──前作の戦闘スタイルを継承しながらも、動き、構図、殺意の濃度がすべてパワーアップしている。

そして本作の真の進化は、裏社会の“構造”そのものが描かれ始める点にある。
ホテル「コンチネンタル」はローマにも存在し、殺し屋専用のサービスが国際的なネットワークで整備されていることが明らかに。ドレスを仕立てる“テイラー”、武器を“試飲”させる“ソムリエ”、そして殺し屋たちの契約や懸賞金を受け付けるオペレーター集団まで──殺しの世界は完全に制度化され、スタイリッシュな職業として成立している。

さらに、裏社会の頂点「主席連合(ハイ・テーブル)」の存在が初めて明確に登場する。サンティーノがその座を巡って姉ジアナを殺させたことで、裏社会の政治が血で動くことが示される。コンチネンタルの支配人ウィンストンですら、その秩序の執行者でしかない。

終盤、ジョンはコンチネンタルの聖域内で殺しという重大な掟破りを犯し、ウィンストンによって「追放処分」が言い渡される。裏社会の庇護を失った彼は、世界中の殺し屋に命を狙われる存在へと転落する。そして、ジョンは「完全に帰れなくなった」のだ。

また、ホームレスたちが構築する情報ネットワーク“バワリー・キング”(演:ローレンス・フィッシュバーン)も登場。日常の裏側で機能する別のインフラとして、裏社会の厚みが一層増していく。

このように本作は、アクション映画としての快楽を保ちながらも、シリーズ全体に通じる世界観を一気に拡張した一作だ。そしてこの“構造”こそが、のちの『チャプター3』『バレリーナ』『コンチネンタル』へと繋がっていく基盤となる。

前作では、怒りに火を点けられたジョンが戦った。
今作では、掟に縛られたジョンが逃れようとする。
そして次作では、追われるジョンが“裏社会そのもの”と戦うことになる。

次回は、全面戦争へと突入する『ジョン・ウィック:パラベラム』を紹介する。

 

『ジョン・ウィック』(2014年/アメリカ)

【ストーリー】
伝説の殺し屋ジョン・ウィックは、過去に交わした“誓印(マーカー)”により、再び裏社会へ引き戻される。主席連合の座を巡って実の姉を殺そうとする男の依頼を受け、ジョンはローマへ。だが任務の背後には裏切りが待っていた。命を狙われる立場となった彼は、再び全世界の殺し屋たちを相手に壮絶な戦いを繰り広げる。

【キャスト】
キアヌ・リーブス(森川智之)、コモン(三宅健太)、リッカルド・スカマルチョ(津田健次郎)、ルビー・ローズ(佐古真弓)、イアン・マクシェーン(安原義人)、ローレンス・フィッシュバーン(玄田哲章)、クラウディア・ジェリーニ(林真里花) ほか

【スタッフ】
監督:チャド・スタエルスキ「ジョン・ウィック」
脚本・キャラクター原案:デレク・コルスタッド
製作総指揮:デヴィッド・リーチ,P.G.A
音楽:タイラー・ベイツ

『バレリーナ:The World of John Wick』
8月22日(金) 復讐は伝播する

【ストーリー】
孤児を集めて暗殺者とバレリーナを養成するロシア系犯罪組織:ルスカ・ロマ。裏社会に轟く伝説の殺し屋:ジョン・ウィックを生み出した組織で殺しのテクニックを磨いたイヴは、幼い頃に殺された父親の復讐に立ち上がる。しかし、裏社会の掟を破った彼女の前に、あの伝説の殺し屋が現れる…

監督:レン・ワイズマン『ダイ・ハード4.0』 製作:チャド・スタエルスキ『ジョン・ウィック』シリーズ
出演:アナ・デ・アルマス、ノーマン・リーダス、アンジェリカ・ヒューストン、ガブリエル・バーン、キアヌ・リーブス ほか
提供:木下グループ
配給:キノフィルムズ
2025/アメリカ/原題:From the World of John Wick: Ballerina
®, TM & © 2025 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

公式HP:Ballerina-jwmovie.jp
X:@ballerina_jw
instagram:ballerina_jw

バックナンバー