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『ハート・オブ・ストーン』ガル・ガドット版「ミッション:インポッシブル」!?リアル“ワンダーウーマン”が走って戦って世界を救う!

この映画は、つまり―
  • ホンモノの“ワンダーウーマン”は健在!
  • 石の心と金の心
  • 『RRR』女優アーリヤー・バットのハリウッド進出作!

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◆配信中の注目作

『ハート・オブ・ストーン』

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文:屋我 平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

イスラエル国防軍に2年間、戦闘トレーナーとして従軍した経験があり、また3人の娘の母親でもあるリアル“ワンダーウーマン”ことガル・ガドット。『ワンダーウーマン』シリーズ3作目が作られるのかは未だ不透明ながら、ガドットはスパイアクションである本作『ハート・オブ・ストーン』にて、やはりワンダーウーマン的な強く優しい女性を体現している。面白いことに、本作は現在公開中の『ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE』まで含めた『ミッション:インポッシブル』シリーズを思い出さずにはいられない作りだ(実際に、どちらも製作会社はスカイダンス・メディア)。同作が劇場公開作品で、本作は配信作品であることも含め対照的なので、やはり今が鑑賞のタイミングとしてふさわしいだろう。

今回のガドットははじめ、普段裏方ながらぶっつけ本番で現場に出なければならなくなったMI6のエージェント、レイチェル・ストーンとして登場する。ガドットらしからぬ少しドジで危なっかしいその姿は、『ミッション:インポッシブル』で言えばサイモン・ペッグが演じているベンジーにも重なる。しかし、実は彼女は二重スパイだった。とは言え敵対勢力ではなく、MI6すら一目置いている伝説的な秘密組織、世界平和のため暗躍する「チャーター」に属する超一流スパイだった。ワンダーウーマンというよりむしろ、ダメダメ記者と思ったらスーパーヒーロー…というクラーク・ケント/スーパーマンのパターンであり、つまりはベンジーではなくトム・クルーズ演じるイーサン・ハントだったのだ!

この「チャーター」では、エージェントをトランプにたとえて呼んでいる。ストーンの場合は「ハートの9」だ。「チャーター」が最も優れたスパイ組織である所以は、何とAI。『デッドレコニング PART ONE』でイーサン・ハントらIMFは全てを見通すAIと戦うが、本作の「チャーター」は「ハート」と呼ばれる全能のAIの力を使ってテロなどを防いでいる。ところが、何者かの手によって「ハート」が奪われ、世界は一転して未曾有の危機に瀕することになる。

 

「ハート・オブ・ストーン」とは通常、「石のように冷たい心」を指す。もちろん、今回は「ハートの9であるレイチェル・ストーンの心」にもかかっているが、意味は正反対だ。『ミッション:インポッシブル』1作目を思わせる悲劇の後、石の心を持つある人物(少し『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』のソロモン・レーンを思い出す)と、その名に反して“心ない人でなし”のAI「ハート」とがレイチェル・ストーンの前に立ちふさがる。だが、彼女もまたその名に反し、ハート・オブ・ゴールド(思いやりのある黄金の心)の持ち主。フランス語では心は「クール(cœur)」になってしまうがそれは置いておいて、温かい心こそが悪に打ち勝つ切り札となるのだ。

 

監督のトム・ハーパーはこれまで『ワイルド・ローズ』や『イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり』などで女性の強さを描いてきた。本作も例にもれず、ガドットの魅力を存分に引き出している。また、スーパースター然としたガドットとともに光っているのが、今回ハリウッドデビューしたインド系イギリス人女優のアーリヤー・バットだ。あのインドの大傑作『RRR』で、主人公のひとりであるラームの婚約者シータ役だったのが彼女(ラーマと、もうひとりの主人公ビームと一緒にエンディングのダンスを踊っていた)。本作ではレイチェル・ストーンと敵対する天才ハッカーのケヤを演じているが、悪人ではなく生意気ながら純粋なキャラクターで、多くの方を虜にするのではないだろうか。今後“バットガール”や“バットウーマン”としてガドットと再度共演する…なんてことにはならないにしても、ハリウッドでのさらなる活躍を期待したいところだ。

【ストーリー】
友達はいらない。恋人は作らない。常に任務が最優先。秘密組織“チャーター”のエージェント、レイチェル・ストーンは、そのルールに忠実に生きてきた。そう、今までは。

【キャスト】
ガル・ガドット、ジェイミー・ドーナン、アーリヤー・バット、ソフィー・オコネドー、マティアス・シュバイクホファー 他

【スタッフ】
監督:トム・ハーパー

 

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