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ドラマ『ホークアイ』/ヒーローも中年を過ぎたら世代交代。2代目ホークアイ、ケイト・ビショップのオリジンストーリー!

この映画は、つまり―
  • ホークアイことクリント・バートンと、2代目ホークアイ(予定)ことケイト・ビショップの凸凹コンビが魅せる!
  • 映画に匹敵する映像とアクション!
  • 悪役ながら“希望の星”、ヴィランのエコーを演じたアラクア・コックス

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◆配信中の注目作 
『ホークアイ』(1~3話)
ディズニープラスにて独占配信中

ディズニープラス視聴するこちら

 

文:屋我平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

MCUもフェーズ4に入り、今年だけでも『ブラック・ウィドウ』、『シャン・チー/テン・リングスの伝説』、『エターナルズ』の3本(北米では『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』を含めた4本)が公開。さらに連続ドラマも本編に深く関わってくるようになり、『ワンダヴィジョン』、『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』、『ロキ』の3作品が配信された。あまりにスパンの短い新作投下にファンは嬉しい悲鳴を上げているが、さらに大きな口を開けてこの『ホークアイ』を迎えなければならない。全6話中、現在は前半折返しとなる3話まで配信されたので、いったん見所をまとめよう。

今回描かれるのは、『アベンジャーズ/エンドゲーム』でのサノス戦後のホークアイの物語。サノスを倒す前、“指パッチン”により愛する家族や仲間を失ったホークアイは復讐の鬼“ローニン”となり、悪党を片っ端から狩って狩って狩りまくり、恨みまで買っていた。その際、スポーツジャージ・マフィアと呼ばれる集団にも大打撃を与えたが、そのボスは今回のヴィラン、エコーことマヤ・ロペスの父だった。ホークアイは、普通の大学を10浪するより人に話せないローニン時代の暗き過去を胸の内に秘めていたが、ひょんなことからローニンのスーツが弓使い少女ケイトの手に渡ってしまう。このままではケイトの身が危ないので、ホークアイは行動をともにしようとするが、果たして家族団らんを約束したクリスマスまでに家に帰れるのだろうか?

ケイトは、原作ではホークアイの後継者となるキャラクターだ。このドラマが終わるまでには2代目ホークアイになると予想される。ホークアイことクリントは、弓の腕こそ衰えていないものの、度重なる戦いのせいで聴力を失いかけている。普通の人間でも(クリントも一応普通の人間だが)、老いれば聴力を失っていくわけだから、これはやはり世代交代の物語なのだ。ケイトは、『アベンジャーズ』で描かれた2012年のニューヨークでの戦いで父を亡くした。母親のエレノアはジャックという胡散臭い男と再婚しようとしており、疎外感を感じている。ケイトを演じるヘイリー・スタインフェルドは、『バンブルビー』でも同じような境遇の主人公を演じていた。ピッタリの人選だ。

ケイトは父を亡くした時に、クリントに命を救われている。それから弓の腕を磨き、数々のスポーツで優秀な成績を収めるまでに成長したが、恩人の前ではその気合が空回り。クリントが用いるトリックアロー(仕掛けつきの矢)に大興奮したり、捕まったクリントを助けようとして失敗し自分も捕まったりと、実にお転婆だ。普段はクールなクリントがそれに振り回される様子が、観客の笑いを誘う。マーベルお得意のコメディ路線は本作にも引き継がれており、各エピソードにいくつも笑うポイントが仕込まれている。

『ホークアイ』に限った話ではないが、マーベルのドラマシリーズは映画作品と遜色ないド派手な映像が楽しめるのも魅力だ。筆者は、MCUを1つの連続ドラマのように思っている(現在のフェーズ4はシーズン4みたいなものだ)が、逆も然りで、『ホークアイ』のような連続ドラマはもはや映画であると言って良い。むしろ、映画並みの映像を2~3倍の長さで見せてくれるのだから、より贅沢かもしれない。キャプテン・アメリカは盾をフリスビーのように投げて複雑なアクションを見せてくれるが、今回も弓矢という飛び道具を使った変幻自在の戦闘が楽しめる。特に3話の、車中の視点から長回しで映されるカーチェイスシーンは出色の出来映えだ。

最後に、ヴィランの紹介をしよう。エコー、マヤ・ロペスはネイティブ・アメリカンで、聴覚障害者で、右足が義足のキャラクターだ(義足に関しては原作と異なる)。マヤを演じる、本作でデビューを飾った新人女優のアラクア・コックスもまた、実際にネイティブ・アメリカンで、聴覚障害者で、右足が義足である。『エターナルズ』でも、実際に聴覚障害者のローレン・リドロフがマッカリという聾のキャラクターを演じていた。障害者は「できない」部分が注目されがちだが、マッカリの手話に心を奪われた観客も多いはずだ。

マーベル作品ではないが、今年公開されたスリラー映画『RUN/ラン』でも、車椅子ユーザーの女優キーラ・アレンの華麗な“ドライビング”・テクニックが面白さに拍車をかけていた。こういった、「障害者だからこそできる」ことを新鮮なアクションとして魅せてしまうところに、見かけだけではない多様性を追求するマーベルの本気が見える。現時点ではまだエコーの戦闘シーンは多くないが、ここまでのクオリティから、残りの3話も目を奪われるアクションがてんこ盛りなのは容易に想像できる。今年も残すところ1か月を切ったが、1月公開の『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』に備え、年越しに先んじてこの“二鷹”の物語を見逃すな!

【ストーリー】
「エンドゲーム」後を描く物語。クリスマスが迫り、家族との幸せで平穏な日々をようやく手にしたホークアイ…と思いきや、ある日、“ローニン”時代にかかわる大事件が勃発。自らの過去の過ちへの責任感から、家族の元を一時離れて戦いへと挑む中で、ホークアイに憧れる若き弓の名手ケイト・ビショップに出会い、共に解決へ挑んでいく。正反対な凸凹コンビながら、息の合った弓技を繰り出す〈アベンジャーズを辞めたい〉ホークアイと、〈アベンジャーズになりたい〉ケイト・ビショップ。クリスマスまで残された日にちはあとわずか…果たして、襲い来る敵を切り抜け、クリスマスに家族と過ごすことはできるのか!?

【キャスト】
ジェレミー・レナー、ヘイリー・スタインフェルド、ベラ・ファーミガ、トニー・ダルトン、アラクア・コックス

【スタッフ】
監督:リス・トーマス、バート&バーティ

公式サイト:https://disneyplus.disney.co.jp/program/hawkeye.html

(C)2021 Marvel

 

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