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【スティーヴン・スピルバーグ IMAX映画祭】『ジョーズ』 あの恐怖と驚きをIMAXで!“サメ年”の始まりは本作で決まり!

◆今週公開の注目作

スティーヴン・スピルバーグ IMAX映画祭
『ジョーズ』

 

文:屋我平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

元旦からもう1週間も過ぎてしまったが、明けましておめでとうございます。というわけで、サメ年である。え? 違う? だって、ヘビ映画など1本もやっていないのと裏腹に、正月早々2本もサメ映画が公開されるのに? 日本の昔話ではサメのことをワニと呼んだりするのだし、もはやヘビ≒ワニ=サメと言っても過言ではないだろう。というわけで、改めまして、サメ年である。今回は、B級サメ映画『シャーク・ガール』と同じ日から「スティーヴン・スピルバーグ IMAX映画祭」にてIMAX上映される、知らぬ者はいない海洋パニック映画の名作『ジョーズ』をご紹介する。

非常に今さらながら、「ジョーズ」がサメの名前でないのはご存じだろうか。英語で上顎を「アッパー・ジョー」、下顎を「ロウワー・ジョー」というので、ふたつ合わせてジョーズ、なのだ。もちろん、劇中の人間を喰い散らかす巨大ホオジロザメが持つ、文字通り必殺の顎を指している(顎と鰐(ワニ)の漢字も似ている……)。主人公のブロディ警察署長が夏を過ごすアミティ島でビーチ客が次々にサメに喰い殺される事件が起こるところから始まり、時に遺族になじられながらも、ブロディと彼が集めた男たちでサメに立ち向かっていくさまを描いた映画だ。アミティヴィルには悪魔、アミティアイランドにはホオジロザメ。アミティ(友好)とは一体何なのだろう。

今見返して驚くのは、1975年とちょうど50年も前の作品でありながら、全く古びていない点だ。昨年サメ映画愛好家の間で話題になった『セーヌ川の水面の下に』は、タイムリーなことにその時汚染が進むセーヌ川で実際に行われようとしていた(そしてもちろん行われた)パリオリンピックを揶揄したような内容だった。『ジョーズ』のアミティ島は夏が書き入れ時であるため、市長はサメ事件を知っても公にしようとせず犠牲者が増えていく。まさに時代を先取りしたストーリーと言って良い。そして、古びていないのは映像面もだ。撮影時、等身大のサメのロボット(通称ブルース)は海水のせいで上手く動かなかったが、そのおかげで、ほとんどサメを直接映さない人間を襲うサメ視点のカメラワークや、わずかに見える三角形の背びれなどの間接的な演出が用いられ、観客の恐怖をより煽る結果になった。

終盤のサメとのバトルは、ロボット相手に戦っているとは思えない躍動感だ。ブロディたちは、体当たりだけで簡単に船を壊してしまうサメに対し、ありとあらゆる工夫をして応戦する。考えてみれば、大海原にポツンと浮かぶ船は外界から隔絶されたシチュエーション。『オープン・ウォーター』や『ロスト・バケーション』といったシチュエーション・スリラー・サメ映画があったが、同じく限られた空間・資源でどうにかサバイバルしようとする『ジョーズ』はこれらの作品の大先輩だ。海洋アクション映画とすら呼べる本作は、間違いなくIMAXで見直す価値があるだろう。ホオジロザメの天敵とも言われるオルカ(シャチ)号に乗った男たちとサメ、果たしてどちらが勝利するのか? 馬の合わない男たちのアミティとは? 昔の映画と高をくくっていると、ジョー・ドロッピング(お口あんぐり)すること間違いなしだ。

【ストーリー】
平和な海水浴場に、巨大な人喰いザメが突如現れる。だが、市長が観光地としての利益を優先したため犠牲者が増え、人々はパニックに陥っていく。そんな中、3人の男たちがサメと戦うために立ち上がる──。

【キャスト】
ロイ・シャイダー、ロバート・ショウ、リチャード・ドレイファス 他

【スタッフ】
監督:スティーヴン・スピルバーグ

 

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