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【#今週のおすすめ】戦後70年のこの時期に多くの日本人が観るべき映画はこれ!#日本のいちばん長い日

◆今週のおすすめ「日本のいちばん長い日」

nagai
(C)2015「日本のいちばん長い日」製作委員会

夏。映画館は活況を呈していた。
チケット販売の列に並ぶと横には若い男性二人いた。
「どれがいい?ターミネーター?ミッションインポッシブル?」
「ジュラシックもいいよねー」
「ああ、そうだ!あの「日本のいちばん長い日」あれはやめた方がいいよ戦争映画だし」
「じゃ、アベンジャーズにする?」

 ま、映画はエンタテインメントなので、だれが何を観ようが、とやかく言うつもりもないが、今年の夏もっとも観なければいけない映画が、「日本のいちばん長い日」なのは間違いない。まったく残念なことだ。そもそも、戦争映画の何がいけない?残酷さ?多くの人が殺されるから?「ジュラシックワールド」「進撃の巨人」の残酷さに比べれば、「日本のいちばん長い日」なんてのは昼ドラにも等しい。「ターミネーター」や「アベンジャーズ」の方が断然人は死んでるぞ、そっちの方が戦争だ!

 そうなると戦争映画が嫌いな人は、本当は何が嫌いなのか?
きっと、「しみったれてて、暗い」「現実に近い」ということかもしれない。人がバンバン殺されていっても、アクションと音楽がかっこ良ければエンタテインメント!問題ない、さらに正義のヒーローが悪を倒せば大丈夫。アクションでスカッとしたいのに、いちいち、そこでやられた人物の心配や、葬式で奥さんが泣いてる画なんか見たくもない。そんなことをしたら現実に引き戻されてしまう。彼らが観たいのはゲームであって、現実そのものではない。

原田真人の「日本のいちばん長い日」は映画であり、現実そのものではないが、ゲームのようなエンタテインメントではない。心にしっかりと残るものがある映画だ。ちなみに戦争映画といいつつも、ほとんどは会議室の風景で、人がバンバン死ぬのが好きなそれこそ“戦争”映画ファンにはおすすめしない。これは太平洋戦争最終日の男たちの物語。どのように戦争を終わらすか?いや、どのように戦争に負けるか?誰もやりたがらない不名誉な仕事を人に押し付けず、やりきった男たちがいた。そして、彼らのおかげて今の日本がある。ちょっと歯ごたえは話かもしれないが、戦後70年のこの時期に多くの日本人が観るべき映画だと思う。

◯スタッフ
監督:原田眞人
原作:半藤一利
脚本:原田眞人
製作総指揮:迫本淳一
エグゼクティブプロデューサー:関根真吾

◯キャスト
役所広司(阿南惟幾)
本木雅弘(昭和天皇)
松坂桃李(畑中健二)
堤真一(迫水久常)
山崎努(鈴木貫太郎)

絶賛公開中
(配給:松竹、アスミック・エース)

◯公式HP http://nihon-ichi.jp/

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