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『耳をすませば』公開記念「イケメン俳優から演技派俳優へ、松坂桃李の秀作を追う」

今や、日本アカデミー賞の常連ともなった松坂桃李さん。2009年に若手イケメン俳優の登竜門となっているスーパー戦隊シリーズ「侍戦隊シンケンジャー」にてデビューされた当初は、イケメン枠や好青年の役を演じられることが多かったですが、近年は次々と難易度の高い役に挑戦され、一気に演技派俳優へと変貌を遂げました。そんな松坂さんが、清野菜名さんとW主演を務めた『耳をすませば』の公開に伴い、今回は松坂さんの俳優としての成長を追うべく、過去作品の中でも特に素晴らしい演技が見られる4作品をご紹介します。ちなみに、筆者が初めて松坂さんを拝見したのは、デビューされたばかりの頃に出演されていたバラエティ番組「心ゆさぶれ!先輩ROCKYOU」でした。その外見のかっこよさと、少しシャイで控えめなところに一目ぼれしてしまい、それ以来ひそかに追いかけていたのですが、まさかこんな日本を代表する俳優になるとは…!!

文:カカオ豆(映画とコーヒーとチョコが好物)

 

役者として新たな一面を見せた衝撃作
『娼年』(2018)

大胆な濡れ場のシーンで話題となった本作。これまで見たことのない松坂さんや、肉体美が見られることはまちがいないのですが、それだけでなく、本作で改めて「松坂桃李ってこんなに演技うまかったっけ!?」と感じた方も多いのではないのでしょうか。というのも、女性の体への指一本の触れ方だけで、主人公が人として、一人の“男”として成長いく様子を見事に表現されているからです!そのため、濡れ場のシーンがいやらしいものではなく、まるで男女が会話しているような、これまで見たことのないシーンになっています。その上、どれほど激しく大胆であっても、そこにいるのは松坂桃李ではなく、常に主人公である領という青年であり、領が纏う雰囲気が消えない点にも衝撃を受けました。本作で松坂さんは、新たな濡れ場のシーンを生み出したといっても過言ではないのでしょうか。撮影はかなり大変だったようですが、本作での経験が、その後の松坂さんの飛躍に影響を与えている部分は大きいのではないでしょうか。

監督:三浦大輔
キャスト:松坂桃李、真飛聖、冨手麻妙、 猪塚健太、桜井ユキ

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終盤の豹変ぶりを見逃すな!
『孤狼の血』(2018)

一見、他のやばいヤクザたちと比較すると、松坂さん演じる新米刑事・日岡の存在感は埋もれてしまうのではないかと思いがちですが、実は最後に全てを持っていくといっても過言ではないインパクトを残しているのは松坂さんなのです!日岡は、ヤクザと関係を築きながらやばい捜査をする先輩刑事・大上(役所広司)と関わっていく中で、徐々に自分の中での正義が揺らいでいくのですが、その変化を段階に分けて見事に演じ切っています。日岡の大上に対する見方が少しずつ変わっていくことで、こちらも同じように驚くほど大上への印象がどんどん変わっていくのです。そのように思わず日岡に共感してしまうのは、松坂さんの演技力によるのではないでしょうか。そして何より、終盤の日岡の豹変ぶりが半端ないのです!同一人物とは思えないほどで、画面越しがらも伝わってくる殺気に思わず身震いしてしまいます…。あの目力は怖すぎて一度目にしたら忘れられません(笑)あの変貌は、松坂桃李史上ベストシーンに入るのではないでしょうか。続編の『孤狼の血 LEVEL2』(2021)と合わせて、松坂さんの圧倒的な演技力が見られる作品として、筆者的に最もお勧めしたい作品です。

監督:白石和彌
キャスト:役所広司、松坂桃李、真木よう子、竹野内豊、江口洋介、中村倫也

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表情で語る圧倒的な演技力
『新聞記者』(2019)

『スポットライト 世紀のスクープ』(2016)や『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』(2018)が好きな筆者にとっては、この手の政治×メディアを描いた作品が邦画で、しかもこれほどのクオリティで見ることができるのか!と衝撃を受けた一作。松坂さんは、内閣情報調査室に勤めている若きエリート官僚・杉原を演じ、第43回日本アカデミー賞にて最優秀主演男優賞を獲得しました。正義と権力との間で揺れ動く、杉原の内面の葛藤や変化を表情のみで語る演技がとにかく素晴らしいです。その絶妙な表情から、杉原の苦悩がこれでもかと言うほど伝わってきて、自然と感情移入してしまいます。また、権力に立ち向かうことを固く決意した時の顔は特に印象的です。そして、最も注目して頂きたいのは杉原が新聞記者の吉岡エリカ(シム・ウンギョン)と、横断歩道を挟んで会話をする場面。セリフは一切なく2人はただ見つめ合って会話をするのです。その時の、杉原の何とも言い表し難いあの表情と言ったら…!!かなりインパクトがあり、一度観たら忘れられないこと間違いありません。昨今の映画史の中でも、特に記憶に残るシーンではないでしょうか。

監督:藤井道人
キャスト:シム・ウンギョン、松坂桃李、本田翼、岡山天音

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追い詰められた果ての演技が圧巻
『空白』(2021)

松坂さん演じるスーパーの店長・青柳が、万引きした女子中学生を追いかけたところ、不運にも女子中学生が車に引かれて死んでしまう、という衝撃的な展開から始まります。女子中学生の父親・添田を演じた古田新太さんのモンスター感もすごいですが、父親にひたすら追い詰められる青柳を演じた松坂さんも、古田さんに負けず劣らずのインパクトを残しています。見どころはなんとっても、松坂さんの得意とする一人の人間の豹変する姿がこの作品でも見られるところです。これまで、散々添田からの嫌がらせや世間からの批判を受け、俯いて日々を過ごしてきた青柳でしたが、それまで心に溜めていたものが堰を切ったかのように、急に感情を爆発させて別人と化す場面があるのです。その変わりように、誰もが鳥肌が立つことまちがいありません。そのシーンだけで、青柳がどれほど精神的に追い詰められていたのかが痛いほど伝わってきます。そして、その後に冷静さを取り戻してから青柳がとる行動は、もう何とも言えず胸を締め付けられ、観ているものの同情を誘います。一人の人間の感情がジェットコースターのように激しく変貌していく様を、ぜひご覧になってみてください!

監督:吉田恵輔
キャスト:古田新太、松坂桃李、寺島しのぶ、田畑智子 、藤原季節 、趣里、伊藤蒼

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いかがでしたでしょうか?数々の作品で一度見たら忘れられないシーンを残している松坂さんが、今回挑んだのは、誰もが一度は聞いたことのあるジブリ映画『耳をすませば』の10年後を描いた実写化作品です。松坂さんはこれまで多くの女性のハートを射抜いてきた“天沢聖司”を演じられます。優しいけどおちゃめなところもある雰囲気が、どことなく似ているようで、結構ハマり役なのではないかと筆者的には感じています。既に予告を見た時から、チェロを弾く姿がかっこよすぎて、早く劇場で観たくて仕方ありません!

久しぶりに好青年の松坂さんが観られるということで、ぜひ劇場に足を運んでみてください!

映画『耳をすませば』10.14 ROADSHOW
配給︓ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/松竹
©︎柊あおい/集英社 ©︎2022『耳をすませば』製作委員会
公式サイト︓https://movies.shochiku.co.jp/mimisuma-movie/