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『ガメラ 3 邪神〈イリス〉覚醒』 4K HDR/特撮映画史に残る最高傑作が最高画質で蘇る!!

公開中の注目作 
『ガメラ 3 邪神〈イリス〉覚醒』 4K HDR

日本では映画やテレビで数多くの特撮作品が生み出されてきた。その頂点に君臨する映画こそが『ガメラ3 邪神覚醒』だ。もちろん、本作が公開された1999年以降もたくさんの特撮作品が作られ、中には『シン・ゴジラ』のように大ヒットを記録する作品もあるが、未だに『ガメラ3』を超える作品は存在しないだろう。そんな特撮映画史に名を刻む最高傑作を4Kで、ドルビーシネマで観れる日がやってこようとは。

本作は平成ガメラ3部作の完結編だ。シリーズの中でもとりわけ人気が高いのは2作目の『レギオン襲来』だが、それを超える完成度の映画を作り上げてしまうのだから、やはり監督・金子修介と特技監督・樋口真嗣のコンビは凄い。主演の中山忍さんも超絶お美しく(今も変わらずお美しい)、シリーズを通してのキーパーソンを演じた藤谷文子(スティーブン・セガールの娘!)は、前2作と比べるとかなり大人っぽい印象になっていたのには、公開当時に驚いたものだ。

平成ガメラシリーズは1作ごとにデザインがかなり変わり、顔つきもどんどん凶悪になっていく。それは作品の根幹を担う部分にも大きく関係をしている。ガメラは地球の守護者として、人類にとっても敵であるギャオスやレギオンを倒してきた。本作序盤の渋谷で、ガメラはギャオスを倒す。しかし、渋谷の街は壊滅し、ガメラの吐く炎でたくさんの人が吹き飛ばされ、爆発したギャオスの肉片で人が潰される。敵を倒すためなら、人や街は破壊されてもいいのか?これまでの特撮作品では誰も触れてこなかったタブーに、この映画は鋭く切り込んでいる。

そのテーマを一身に背負うのが、前田愛が演じたガメラを憎む少女だ。ガメラとギャオスの戦いに巻き込まれ、両親を失った彼女は「地球の守護者」などと言われるガメラを激しく憎み、渋谷の惨劇が彼女のその想いをさらに加速させる。その結果、彼女はギャオスやレギオンを超える最恐の怪獣「イリス」を生み出してしまう。そしてイリスとガメラの決戦の舞台となったのは京都だ。

彼女がガメラを憎めば憎むほどに、イリスはガメラに牙をむく。逃げ惑う人々、破壊され、炎に包まれる京都の街は、もちろん特撮作品として非常に大きな見どころだ。しかし、それだけではない。ガメラとイリスが破壊した残骸の中に人がいたとしたら?誰かが親や愛する人を亡くしていたとしたら?皮肉なことにその痛みを最もよく知る少女が、憎しみによって暴走し、結果として自分と同じ境遇の人を生み出していることを、この一連のシーンで語りかけている。

特撮作品で誰も触れてこなかったテーマを語った本作は、それだけでも見どころがあるのだが、特撮映像のクオリティにおいても、未だにこの映画を超えるものが存在しないのだから凄い。映画序盤の渋谷でのギャオスとの戦闘シーンの迫力と重量感は見事だし、加えて人が次々と吹き飛んでいく、その描写はあまりにもリアルで衝撃的だ。映画を観た当時にかなり怖い思いをしたのを、今でもはっきりと覚えている。そして京都での決戦では特撮史上初の屋内戦を披露。ガメラとイリスが京都駅の中で戦うシーンは特撮史に残る名場面だ。

これほどに素晴らしい映画をドルビーシネマで、4Kで観ることが出来る。何と良い時代になった事だろうか。もちろん洋画の大作映画が中々公開されない映画界の現状は嘆くべき状況であることは間違いないが、そんな時だからこそ、本作のような名作を改めて映画館で体験できる機会が得られたわけだ。『ガメラ3』は特撮作品としても、映画としても素晴らしい作品なので、この機会に是非とも観て頂きたい。

【あらすじ】
ガメラとギャオスの戦闘で両親を失ったことでガメラを憎んでいる少女・比良坂綾奈は、ある洞窟で謎の生物を発見し、「イリス」と名付けてかわいがっていた。一方、東京に2匹のギャオスが飛来し、ガメラがこれを撃退するものの甚大な被害が出たことから、政府はギャオス以上にガメラを危険視するようになる。やがて、綾奈のかわいがっていたイリスがギャオスの変異体であることが判明し……。

【キャスト】
中山忍、藤谷文子、前田愛 ほか

【スタッフ】
監督:金子修介
特技監督:樋口真嗣

公式HP:http://cinemakadokawa.jp/gamera/

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