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【海外ニュース】クリストファー・ノーランが“原爆の父”を描く『Oppenheimer(原題)』予告編解禁

文:屋我平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

クリストファー・ノーラン監督の新作『Oppenheimer』の予告編が解禁された。本作は原子爆弾開発チームを率いた“原爆の父”こと、アメリカの物理学者J・ロバート・オッペンハイマーを主人公に据えた伝記映画だ。

映像は放射線量を計測するガイガーカウンターのノイズらしき不吉な音から始まる。映し出されるのは、ナチスとの爆弾開発競争に勝利するため、オッペンハイマーが家族や科学者たちを実験場に引き連れて日夜研究に明け暮れるマンハッタン計画の様子だ。史実では1942年9月にこの計画が始動し、1945年7月16日に人類最初の核実験にして核の時代を到来させることとなるトリニティ実験が行われた。そしてそれから1か月もしないうちに、広島と長崎に原爆が投下された。

実際のオッペンハイマーは後に原爆研究に関し後悔の念を語り、水爆実験に反対したが赤狩りによって公職から追放、1967年に咽頭がんで死去するまでFBIの監視下にあった。本作が歴史のどの部分までを描くのかは不明だが、彼が対立した“水爆の父”エドワード・テラーは登場するようだ。予告編終盤の、「ここ(実験場)での我々の働きは、人類が見たこともない平和を約束してくれるだろう。誰かがより大きな爆弾を作るまで」というセリフが示唆的である。

オッペンハイマーを演じたのはノーランと6度目のタッグにして、ノーラン作品で初めて主演を務めるキリアン・マーフィー。いつもオッペンハイマーと一緒にいるのはマンハッタン計画を指揮していた軍人レズリー・グローブスで、マット・デイモンが演じている。また、オッペンハイマーの妻キティ役にエミリー・ブラント、戦後にアメリカ原子力委員会の長となったルイス・ストロース役にロバート・ダウニー・Jr.、オッペンハイマーの元恋人ジーン・タットロック役にはフローレンス・ピューが配されている。その他にもケネス・ブラナー、ゲイリー・オールドマン、ラミ・マレック、デイン・デハーンなどが出演しており、非常に豪華なキャスト陣となっている。

CG嫌いで知られるノーランが核爆発をどのように撮影したのか。IMAX作品として初めてモノクロで撮影されたシーンはどのような出来栄えになっているのか。全米公開日は7月21日で、日本公開日はまだ決定していない。しかしその時が来たなら、映画ファンとして、日本人として一刻も早く劇場に駆けつけなければならないだろう。

 

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