MOVIE MARBIE

文：屋我平一朗（日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー）

ロバート・ロドリゲス監督の新作『Hypnotic』の予告編が解禁された。タイトルには「催眠(術)の」とか「催眠剤」の意味があり、主人公を演じるベン・アフレックの前に立ちはだかる強大な敵は催眠術のエキスパートのようだ。

主人公の刑事ダニーの娘は、一瞬目を離した隙に公園から失踪してしまった。どうにか正気を保とうと仕事に打ち込んでいると、ある日、銀行強盗を企む連中についての情報が入る。怪しい男を見つけると、彼はある女性からライターを借り「今日はとても暑いね。かまどみたいだ」と話しかけると、女性はいきなり暑がって人目もはばからず衣服を脱ぎ始める。催眠術師らしい男が易々と強盗を成功させた後にダニーが屋上まで追い詰めるも、男が「人違いだよ」と言うだけで刑事たちは追うのを止め、屋上から飛び降りたはずなのにどこにも姿がない。ダニーは正体も目的も不明な男を追ううちに、娘の失踪と政府の極秘プログラムに隠された謎に迫っていく…というあらすじだ。

アフレックの他には、同じDC組で『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』に出演したアリシー・ブラガや、『アルマゲドン』で共演したウィリアム・フィクナーなどがキャスティングされている。ブラガ演じるディアナはダニーの協力者のようで、催眠術について教えてくれる。「催眠術には脳に影響を与える力がある。音や声、眼差しを用いて、存在しない世界を見せることができる」と…。ダニーに向けての「あなたが見ているのは現実じゃない！」というセリフもあり、何が真実でそうでないかが観客にも分からないアクションスリラーになっていそうだ。

ロドリゲスは以前、米Colliderのインタビューで本作の脚本を書き始めたのは2002年で、自分のお気に入りのストーリーのひとつであると話している。また、本作は「ステロイドを使ったヒッチコックのスリラーのような作品」であり、ひねりが多くエキサイティングな出来になるとも。5月12日に全米公開予定、日本公開は未定だ。ロドリゲスが直近で手がけた映画は2020年のNetflix配信作『ヒーローキッズ』だったので、本作が劇場公開されれば2019年の『アリータ：バトル・エンジェル』以来となる。期待して待とう。

ソース
・https://collider.com/ben-affleck-movie-hypnotic-filming-robert-rodriguez-interview/