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【海外ニュース】10本撮ったら引退!タランティーノ最後の作品のテーマは「映画評論家」!?

文:屋我平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

76歳のスティーブン・スピルバーグや84歳のポール・バーホーベンのように、高齢でありながらまだまだ現役で新作を発表している監督がいる中、すっぱりとキャリアを終えることを決意した者もいる。クエンティン・タランティーノ監督だ。彼はかねてより、米Deadlineや米GQのインタビューなどで、60歳になったら、また10本の作品を撮ったら引退すると公言していた。ただし、『キル・ビル Vol.1』と『キル・ビル Vol.2』は1本としてカウントする。そうすれば『ヘイトフル・エイト』はその名の通り8本目に、“綺麗な方の『バビロン』”である前作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は9本目になる。一時期は10本目は『スタートレック』の新作だとも言われていたが、ちょうどタランティーノが今月末に60歳を迎えるこのタイミングで、ようやくその内容が一部明かされた。

米The Hollywood Reporterが報じたところによると、タイトルは『The Movie Critic(原題)』。「映画評論家」だ。ストーリーの詳細はまだ不明なものの、1970年代後半のロサンゼルスを舞台とした、実在の女性映画評論家ポーリン・ケイルにまつわる物語になる可能性がある。ケイルは、『サウンド・オブ・ミュージック』など一般的に名作とされている作品も酷評するほどの舌鋒鋭い批評で知られている。ファンにはタランティーノ以外にも『マルコヴィッチの穴』のチャーリー・カウフマンなどがおり、彼の『もう終わりにしよう。』の中ではケイルの批評が引用されている。

絶大な影響力を持っていたケイルだが、映画史の頂点とも言われる傑作『市民ケーン』の裏側についての論争で、その権威は失墜してしまう。ケイルの「監督のオーソン・ウェルズが脚本家ハーマン・J・マンキウィッツのクレジットを阻止し、手柄を独り占めしようとした」という主張が、徹底的に反証されてしまったのだ。これは1970年代はじめの話で、1970年代後半にはケイルはウォーレン・ベイティに誘われて、数か月間だけパラマウント・ピクチャーズでコンサルタントをしていた。『The Movie Critic』が描くのはこの時期かもしれない。

キャリア最後の作品であるのに、スピルバーグの『フェイブルマンズ』のような自伝的なものでなく自分の好きな人物についての話にするのがタランティーノらしい。本作は今年の秋からの撮影を目指していて、現在は脚本の執筆段階にある。期待して続報を待とう。

ソース
・https://deadline.com/2014/11/quentin-tarantino-retirement-hateful-eight-international-release-1201280583/
・https://www.gq.com/story/quentin-tarantino-inglourious-basterds-alex-pappademas
・https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-news/quentin-tarantino-sets-the-movie-critic-final-movie-1235351260/