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【映画『ヴィレッジ』公開記念特集】Vol.1
横浜流星と『ジョーカー』の関係 『ヴィレッジ』で横浜流星が演じた、美しくはかない闇落ち男の正体とは?

いよいよ今週末、映画『ヴィレッジ』が公開。大ヒットした『#余命10年』の藤井道人監督最新作にして、映画界の変革者スターサンズ河村光庸プロデューサーが最後にクランクアップに立ち会った運命の作品。そして主演は近年進化が止まらない横浜流星。

3人のラストプロジェクトの公開を機に、テーマ別に超入れ込みモードで『ヴィレッジ』特集を展開したいと思います!

文:たんす屋(神社好きの中年Youtuber)

 

【映画『ヴィレッジ』公開記念特集】Vol.1
横浜流星と『ジョーカー』の関係 『ヴィレッジ』で横浜流星が演じた、美しくはかない闇落ち男の正体とは?

 映画『ヴィレッジ』の一報出しのビジュアルを目にした時、最初に飛び込んできたのは、横浜流星の闇に魅入られた眼差しだった。それまでの横浜流星像を完全に突き崩すワイルドというかダーク、さらにダーティ、そしてデンジャラス(危険)な、“3D流星”の誕生に期待は膨らんだ。

即座に想像したのは『ジョーカー』。ホアキン・フェニックスがアカデミー主演男優賞を獲ったあの“闇落ち、逆ギレ男“だ。

 きっと企画の河村プロデューサーの中には『ジョーカー』を意識した部分があるんじゃないか。それは闇落ちしていく過程において「仮面」が大きな役割を果たす所にも見てとれる。ジョーカーは自らの顔をペイントすることで、世の中に押しつぶされていく自分とは“別の自分“を創り出していく。

『ヴィレッジ』では、横浜流星演じる主人公・片山優を押しつぶす不特定多数の“顔の見えない”村人の象徴として「仮面」が出てくる。そして反対に主人公の心を鎮めるツールとして能面が出てくる。

アプローチは違うが、「人は、違う人間として生きることを許されるのか?」という命題を「仮面」に託した点において両作品は似ていると思う。

この命題に対する答えは若干違う。片山優もジョーカーも必死に日々を生きる、その想いは誠実・愚直以外の何物でもないが、到達地点は同じではない。言っておくが横浜流星の振れ幅は半端ではない。底辺から成り上がり、崩壊の影に怯える。その先はネタばれになってしまうので控えたいが、この変化(へんげ)といってもいい横浜流星の演じ分けは本領発揮で見ごたえ十分。そして、『ヴィレッジ』は藤井道人監督作品だけあって、その変化の描き方は儚く、美しい。そして『余命10年』と同じく、同世代の心をとらえるシーンとセリフで満たされており、ファンタジーではなく、リアルな自分たちの物語として観るものに迫ってくる。

この映画はまずそこを観に行く映画なんじゃないかと思う。

映画の中でフィーチャーされる能の演目「邯鄲(かんたん)」は貧乏な青年が仙人と出会い栄華を手に入れることのできるという枕を手に入れる話、「全ては一瞬の夢」だという。

能の精緻さ、凛とした美しさの中に漂う厭世観と青春のきらめき。

この濃密な世界観の中で運命に懸け、勇躍し、翼をもがれる横浜流星の落ちっぷりは実に愛おしい。

他に類を見ない傑作が誕生した。

 

★映画『ヴィレッジ』特別映像(謎多きストーリー編)

 

【キャスト】
横浜流星、黒木華、一ノ瀬ワタル、奥平大兼、作間龍斗、淵上泰史、戸田昌宏、矢島健一、杉本哲太、西田尚美、木野花、中村獅童、古田新太

【スタッフ】
監督・脚本:藤井道人
企画・製作・エグゼクティブプロデューサー:河村光庸
配給:KADOKAWA/スターサンズ

©️2023「ヴィレッジ」製作委員会
公式サイト:https://village-movie.jp/

4.21(Fri) 全国公開

 

【キャスト】
ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ、ザジー・ビーツ、フランセス・コンロイ

【スタッフ】
監督・脚本:トッド・フィリップス
脚本:スコット・シルバー
© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”

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